劉裕論26 南宋 葉適 5

別に識者の卓見を待つまでもなく、劉義符りゅうぎふ劉義真りゅうぎしんの殺害が当を得ないのは、後世の人間ならば誰でも気づくところであろう。しかし劉裕りゅうゆうは廃位した司馬徳文しばとくぶんを毒殺したし、生まれきた子どもたちも殺害させた。まるで狐やイノシシが繁殖するのを防ぐかのような扱いである。その臣下たちが君主の行動に倣い、新たな君主の地盤固めのために先の君主を顧みなかったため、このような事態が発生したのだろう。


思い出すのは、春秋しゅんじゅうの昔、しんに仕えた里克りこく恵公けいこう擁立のために他の公子を殺害したところ、却って恵公に殺害されたことだろうか。あるいは『春秋』で「殺害は適切な手段ではない」と書かれていたことを思い出すだろうか。どちらも、これらの事態を説明するには足らぬよう思える。


人の振る舞いが、いかほど様々な状況を導くのに影響をもたらすのだろうか?


謝晦しゃかいは自身が劉義隆に背いておらぬとわかっておりながら、軍を立ち上げ、建康けんこうに剣を向けた。そして述べたのは、徐羨之と傅亮が冤罪で殺された、ということである。勝利して後、いったい何を討とうとしたのか、は明らかとしていない。つまり場当たり的な行動でしかなく、愚挙というよりほかない。この点より見ても、二王の殺害に確かなロードマップはなかったのではないか。


しかし沈約しんやくの論によれば、徐羨之、傅亮、謝晦に後事を託さんとしたことを批判するものはいなかったと言う。はてさて、遺児を託された者の地位、古えの人で全うできなかったものなどいただろうか?




至於二王之不當殺,不待智者而後知。然宋武禪代,鴆毒舊君,戕剥遺胤,不翅如狐豚。其臣習見,方為新君地,不暇為舊君計,故蹉跌至此也。或以晉惠公里克為比,又言『春秋』之義不當殺,皆非也。人道所係,豈可以禍福影響附合耶?謝晦自知不反,而猶舉兵犯闕,為徐傅陳寃,未審克捷之後,又將何討,其愚如此,殺二王盖不足道也。然以沈約所論,則當時亦無以三人為非者,豈託孤寄命之地,古人遂無復令終歟?


二王の殺の當ならざるに至り、智者を待たずして後は知らん。然れど宋武の禪代なるに、舊君を鴆毒し、遺胤を戕剥し、翅せざるは狐豚が如し。其の臣の習い見るは、方に新君が地為りて、不舊君の計為るに暇せず、故に蹉跌は此に至れるなり。或いは晉の惠公の里克の以て比を為し、又た『春秋』の義の殺の當ならずの言、皆な非なり。人道の係る所、豈に禍福を以て附合に影響すべからんや? 謝晦は自ら反かざるを知れど、而して猶おも兵を舉げ闕を犯し、徐傅が寃を陳ぜるを為し、未だ克捷の後に又た將に何ぞを討たんとせるかを審らかとせず、其の愚なるは此の如きにして、二王の殺は盖し道に足らざるなり。然れど以て沈約の論ぜる所、則ち當時に亦た三人を以て非と為す者無し、豈に託孤寄命の地、古人の遂に復た令し終ぜしむ無きか?



^^????!???


さっぱり分からん。なんだコレ。劉穆之はクソ、さりとて王弘、徐羨之、傅亮、謝晦も微妙、はてさて……? が大意で問題ないとは思うけど、その内容がさっぱりわからん。漢文でおk。


はぁ、とりあえず劉裕さんは臣下に恵まれてなかったんですね……いや確かにそれは俺も読んでて思ったけどさ……。

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