劉裕論4 梁 裴子野 上
あの
その百戦百勝ぶりは、誰もが認めるところ。一度攻めかかれば
その後軍事行動を控えめとした上で
名分と実態を兼ね備えた帝王は、かくあるべきなのやもしれぬ。
宋高祖武皇帝以蓋代雄才,起匹夫而並六合,克國得雋,寄跡多於魏武,功施天下,盛德厚於晉宣,懷荒伐叛之勞,而夷邊蕩險之力。百戰百勝,可得而論者矣。故足行陣,卻孫恩蟻聚之眾,一朝奮臂,掃桓玄磐石之宗,方軌長驅,則三齊無堅壘,迥戈內赴,則五嶺靡餘妖,命孫季高於巨海之上,而番禺席卷,擢朱齡石於百夫之下,而庸蜀來王,羌胡畏威,交為表裏,董率虎旅,以事中原,石門巨野之隘,指麾開闢,關頭霸上之阻,曾莫藩蘺,虜其酋豪,遷其重寶,登未央而灑酒,過長陸而下拜,盛矣哉,悠悠百年,未之有也。於是倒載幹戈,休兵四水,彤弓納陛,肇有宋都,蒂芥必除,華夷莫拒,然後請號上帝,步驟前王,零陵去之,而莫猜心,高祖受之,而無愧色,古之所謂義取天下者,斯之謂乎。
宋高祖、武皇帝は以て雄才にて代を蓋う。匹夫にて起ち、六合を並ぶ。國を克ち雋を得るは魏武の寄跡多く、功を天下に施せるは、晉宣の盛德厚し。荒を懷き叛を伐せるの勞は、邊を夷し險を蕩ぜるの力たり。百戰百勝せるは、得べくして論ぜらる者ならん。故に行陣は孫恩が蟻聚の眾を卻くに足り、一朝に臂を奮るわば、桓玄の磐石の宗を掃う。方軌長驅せば、則ち三齊に堅壘無く、戈を迥らせ內赴せば、則ち五嶺に餘妖靡し。孫季高に巨海の上を命ぜば番禺は席卷され、朱齡石を百夫の下より擢すらば庸蜀は王に來たる。羌胡は威に畏れ、交わるに表裏を為す。虎旅を董率し、以て中原に事し、石門巨野の隘きを麾を指し開闢す。關頭霸上の阻にては曾て藩蘺莫し。其の酋豪を虜とし、其の重寶を遷し、未央に登りて灑酒し、長陸を過ぎて下拜せるは、盛んなるかな、悠悠たる百年、未だ之を有せざるなり。是に於いて幹戈を倒載し、休兵四水・彤弓納陛し、肇に宋都を有し、蒂芥は必ず除き、華夷に拒む莫く、然る後に上帝に請□し、步驟前□す。零陵の之より去るに猜心莫く、高祖の之を受くに愧ずる色無し。古に謂える所の義にて天下を取る者、斯くなる謂われなるか。
則三齊無堅壘
ま、まぁ確かに年単位かかったわけじゃないしね! の割に劉裕さん大激怒だったし五斗米道にはどえらく食い込まれたし、相対的に広固城は相当硬かったと思うんですけどね?
しかし微妙に駢儷文とも違う雰囲気。なんかいつも読んでるようなやつと文法もやや違う気もします。あと、欠字部分が見えないのはやっぱりそわそわしますね。
なお、のちの史論を読むと
零陵去之,而莫猜心,高祖受之,而無愧色,古之所謂義取天下者,斯之謂乎。
だいたいここがピックアップされるようです。先帝を退け、皇帝の座に就くのに恥じ入ろうともしない、という感じですね。まぁ正直劉裕が恥じ入ってないって言われんなら王莽、曹丕、司馬炎も全く恥じ入ってないだろうに何言ってんだ、って感じではあります。
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