応援コメント

「祭已畢焉」晋書諸葛長民伝」への応援コメント

  • こんにちは。
    漢文を読みに来ました。節ごとにやってみます。あまり語られる機会がない、訓読を基本に忠実にするとどうなるか、という話と御理解下さい。意味が正しく取れれば、訓読は必須じゃないですからね。

    四段目まで完了しました。
    ほぼ素読みに近いので、不明や疑義はご質問下さい。


    一、

    ▼有文武幹用,然不持行檢,

    文武に幹用あり、然れど行檢持せず、

    漢文の文系は英語と同じ5文型が基本となりますので、この文章はともにSVO(SがOをVする)ですね。

    (諸葛長民は)文武〝の〟幹用あり、然れども行檢〝を〟持せず、

    ちなみに、漢文で省略される助詞は主格だけです。
    「劉裕は叫びて=劉裕、叫びて」はあり、「檄を発して=檄、発して」はなし。
    また「文武に幹用あり」のように副詞的に使われる場合は動詞の前に置かれるのが一般的ですので、並びが「文武有幹用」の場合は「文武に(有り)」、「有文武幹用」の場合は「文武の(幹用)」と直後の文字を修飾します。


    ▼桓玄引為參軍平西軍事,尋以貪刻免。

    桓玄、引きて平西軍事に参ぜども、尋ち貪刻なるを以て免ぜらる。

    尋は「尋いで(ついで)」と読むのが慣用化していますね。「〜となり、尋いで✖️✖️を以って官を免ぜらる」は頻繁に目にします。

    桓玄は引きて參軍平西軍事と為し、〝尋いで〟貪刻を以て免ぜらる。



    二、


    ▼南康相郭澄之隱蔽經年,又深相保明,屢欺無忌,

    南康相郭澄之、經年隠蔽し、又た深相保明し、屢ば無忌を欺けり。

    この文章は「石に座ること三年」と同じ構文の変型ですね。SVO期間、SVC期間という形が多いですが、この場合は「經年」が期間に該当します。この場合は「何年も」のニュアンスを感じます。

    南康の相の郭澄之、〝隠蔽すること年を經〟、又た深く相い保明し、屢ば無忌を欺けり。


    ▼及盧循之敗劉毅也,循與道覆連旗而下,京都危懼,

    盧循に劉毅敗し、循と道覆、旗を連ねて下り、京都危懼せり。長民、劉裕に天子を権して江を過せよと勧む。

    「〜や、‥‥せり」の構文です。この場合は、「〜に及ぶや、‥‥せり」とひねった感じ、ニュアンスは「〜した途端に」です。
    「京師」としたいところですが、司馬師の諱なので避諱されて「京都」、これが日本に伝わったんだから、司馬師もなかなかやりますな。

    〝盧循の劉毅を敗るに及ぶや〟、循は道覆と旗を連ねて下り、京都は危懼せり。


    ▼長民勸劉裕權移天子過江。

    he said that〜と同じく、長民勸that〜とするのが楽、理由は〜がとんでもなく長い場合が往々にあるからです。權は「かりに、かりそめに」の意ですね。
    「勸めていわく」は意訳に近いですが、「勸むるらく」なんて言われても分かりませんから、口で言ったなら「〜していわく」で問題ないと思います。

    長民は〝劉裕に勸めていわく〟、權に天子を移して江を過せよ、と。


    ▼裕不聽,令長民與劉毅屯於北陵,以備石頭。

    裕聽かず、長民と劉毅に令し北陵に屯せしめ、以て石頭の備えとす。

    令をどこまでかけるかですが、この場合、「屯於北陵」は手段で「以備石頭」は目的と解して、または、共に主体が「長民と劉毅」なので、文末までかけるのがよい、と考えられます。

    裕は聽さず、長民と劉毅をして北陵に屯して以て石頭に備えさしむ。



    三、

    ▼及裕討毅,以長民監太尉留府事,詔以甲杖五十人入殿。

    裕が毅を討つに及び、以て長民を監太尉留府事となし、詔して以て甲杖五十人入殿とす。

    「以って」の扱いが面倒そうですね。文章の主語はすべて劉裕と見るのが良さそうなので、長民はすべて受け身にするのがよさそうですね。

    裕の毅を討つに及び、長民を以って太尉留府の事を監せしめ、詔して甲杖五十人を以って殿に入らしむ。


    ▼長民驕縱貪侈,不恤政事,多聚珍寶美色,營建第宅,不知紀極,所在殘虐,為百姓所苦。

    長民は驕縱貪侈にして政事を恤まず、珍寶美色を多く集め、第宅を營建し、紀の極むを知らず、殘虐なる所あり、百姓を苦しむるを為す。

    「はいはいテンプレテンプレ」というくらいありがちな文章です。
    「恤」は「うれう=気にかける」、「不知紀極」は「紀極を知らず=限度を知らない、際限がない」、無理くり読み下す場合は「極むるを紀(しる)すを知らず」なのかな。
    「所在」は訳しにくいですが「在る所=そいつがいる場所では、行くところ行くところで」と訳しますね。読み下さない場合が多いです。
    末文は受け身の典型です。

    長民は驕縱貪侈にして政事を恤えず、珍寶美色を多く聚め、第宅を營建し、紀極を知らず、所在殘虐、百姓の苦しむ所と為る。


    ▼自以多行無禮,恆懼國憲。

    自ら以て無禮の行多く、恆に國憲を懼る。

    「自以〜、‥‥」も構文に近く、「自ら〜を以って‥‥=自分が〜なので‥‥」と使います。

    自ら多く無禮を行うを以って、恆に國憲を懼る。


    ▼昔年醢彭越,前年殺韓信,禍其至矣!

    昔年、彭越醢となり、前年、韓信殺さる。禍い其れ至らんか

    三句目以外の主語は劉裕、、、なんでしょうね。

    昔年に彭越を醢とし、前年に韓信を殺す。禍い其れ至らんか


    ▼謀欲為亂,

    亂を謀らんと欲し、

    基本は英語と同じく、前から考えています。謀った、何を?「欲為亂」、という感じ。
    次に「欲」も動詞たりえるので、「謀and欲」を動詞とするか、「謀」だけかを文意から探る、という手順で読んでいるようです。「亂を為さんと欲すことを謀る?ないわ」というわけです。

    謀りて亂を為さんと欲し、


    ▼人間論者謂太尉與我不平,其故何也?

    人間の論にて太尉と我とが平らかならずと謂う、其の故は何か?

    「人間」は「世間」の意ですね。なので主語は「世間の論者」となります。

    人間の論者の謂えらく『太尉は我と平らかならず』と。其の故は何ぞや?


    ▼固勸之曰:「黥彭異體而勢不偏全,劉毅之誅,亦諸葛氏之懼,可因裕未還以圖之。」

    之を固く勸めて曰く「黥・彭、異體にして而して勢、偏全し得ず。劉毅の誅,亦た諸葛氏の懼なり、因って裕の未だ還らざるを以て之を圖るべし。」と。

    はじめは「之=長民」でしょうね。
    「異體」は意味が掴みにくいですが、「親藩じゃない」の意で良さそうです。「偏=ひとえに」なので「偏全=偏に全し」となりますね。
    最後は「可因〜以‥‥=〜に因りて以って‥‥可し」の構文ですね。

    之に固く勸めて曰く「黥・彭は異體にして勢は偏に全きを得ず。劉毅の誅は亦た諸葛氏の懼なり、裕の未だ還らざるに因りて以て之を圖るべし。」と。


    ▼長民猶豫未發,

    長民、猶豫にて未だ發たず、

    この「猶豫」は「グズグズする」の意味の動詞ですね。

    長民、猶豫して未だ發たず、


    ▼貧賤常思富貴,富貴必履機危。今日欲為丹徒布衣,豈可得也!

    貧賤、常に富貴を思えど、富貴せば、必ずや機危を履く。今日丹徒の布衣に為るを欲せども、豈に得く可けんや!

    見せ場ですから、カッコよく読ませたいですね。

    貧賤にあれば常に富貴を思うも、富貴となれば必ず機危を履む。今日、丹徒の布衣為らんと欲すれど、豈に得可けんや!


    ▼裕深疑之,駱驛繼遣輜重兼行而下,前克至日,百司於道候之,輒差其期。

    裕之を深く疑い、駱驛繼いで遣い、輜重を兼ね行きて而して下り、前に克して至る日、百司、道において之を候するも、輒ち其の期に差あり。

    難しいです。
    「駱驛」は駅馬の中継場、「駱驛繼遣」は中継場を次々と遣いと解するのがいいのかなあ。そうなると、「繼遣駱驛」でいいはずなんですが。
    「輜重兼行」はもう熟語です。「輜重と一緒に行く」なので読み下す必要もないですね。
    「克」は「剋」と同義で意味は「決」と同じ、「差」は「違」と見ると、次のようになります。

    裕は之を深く疑い、駱驛に繼ぎ遣い、輜重兼行して下れり。前に至る日を克め、百司は道に之を候するも、輒ち其の期に差えり。


    ▼長民悅,旿自後而殺之,輿屍付廷尉。使收黎民,黎民驍勇絕人,與捕者苦戰而死。

    長民悅ぶも、旿、後より拉して之を殺し、屍を輿にて廷尉に付す。使して黎民を攻め、黎民の驍勇人を絕し、捕うる者、苦戰せども、而して死す。

    あ、丁旿がいる。
    「輿」は「乗」と同じです。人が担ぐ輿に乗せた、ということのようですね。

    長民は悅ぶも、旿は後より拉して之を殺し、屍を輿せて廷尉に付す。黎民を收めしむるに、黎民の驍勇人に絕ち、捕うる者と苦戰して死す。


    ▼諸葛氏之誅也,士庶咸恨正刑之晚,若釋桎梏焉。

    諸葛氏の誅、士庶、咸な正刑の晚きを恨み,桎梏を若解す。

    「若」は「如」と同じですね。「正刑」は「刑を正す=処罰を正しく行う」の意味。

    諸葛氏の誅さるるや、士庶は咸な刑を正すの晚きを恨み,桎梏を解かるるが若し。




    四、

    発言が面白いので、全文をやってみます。

    ▼長民答曰:
    「正見一物,甚黑而有毛,腳不分明,奇健,非我無以制之。

    長民答えて曰く
    「正見一物,甚だ黑く毛を有し、腳は分明ならずも奇しく健なり。我無くば以て之を制せざるなり。

    「一物」は「いちもつ」ではなく「何か分からない物」の意、「不分明」はそのまま「どこから足だかはっきりしない」、「奇健」は「やたら脚が速い」くらいでしょうか。最後は「でも、俺なら制せないわけじゃない」ですね。

    長民の答えて曰く
    「正に一物を見る。甚だ黑く毛を有し、腳は分明ならざるも奇しく健なり。我の以って之を制する無きに非ず。


    ▼其後來轉數。

    其れ後にも轉じて數来たれり。

    「轉」は「うたた=いよいよ」、「數」は「しばしば」の意、このあたり現代文とは違います。

    其の後、來たること轉た數あり。


    ▼屋中柱及椽桷間,悉見有蛇頭,令人以刀懸斫,應刃隱藏,去輒復出。

    屋中の柱、及び椽桷の間より、悉く蛇頭の有るを見ゆ。人に令し、以て刀にて懸斫せば、刃に応じて隱して藏し、去りて輒ち復た出る。

    あ、「及」は並列ですね。「椽桷」は「たるき」、柱に対して横に架けた木ですね。「懸斫」が気持ち悪いですが、「懸」は「へだたる」の意味があるので「少し離れたところから斬りつけさせた」と解しておきます。

    屋中の柱及び椽桷の間に悉く蛇頭の有るを見る。人をして刀を以って懸斫せしめれば、刃に応じて隱藏し、去れば輒ち復た出る。


    ▼又擣衣杵相與語如人聲,不可解。

    又た衣を杵にて擣きたるが人の聲の如き語と相するも、解し得ず。

    「擣衣杵」は名詞、絹に糊して砧(きぬた、木製か石製の打ち台)に置いて打つ際に使います。やったことはないけど。だから、話しているのは、杵なんですね。

    又た擣衣杵の相い與に語ること人聲の如きも、解すべからざるなり。


    ▼於壁見有巨手,長七八尺,臂大數圍,令斫之,豁然不見」。

    壁に於いて巨手の見ゆる有り、長さ七、八尺、臂の大なること數圍なり。令して之を斫せしも、豁然として見えず。」と。

    西晋頃の一尺約24cmとして168〜192cm、「臂」は肘と解したくなりますが、おそらくは二の腕でしょう。「圍」は「一抱え」なので、数人で囲むくらいの大きさ、長さを考えると肘まであったとは考えにくいですね。「豁然」は「ぱっと変わる」の意味ですが、必ずしもよい方向に変わるとは限りません。

    壁に巨手の有るを見る。長七、八尺、臂の大なること數圍、之を斫らしむれば豁然として見えず。」と。


    ▼未幾伏誅。

    未幾、誅に伏さる。

    テンプレです。

    未だ幾ばくもせず、誅に伏す。


    以上、お粗末さまでした。
    意味が問題なく取れている場合、語釈をはっきりさせれば文意により正しい読み下しはできるものです。
    漢文を読めるかどうかを突き詰めると、結局は語彙力というつまらないオチになります。だから、時代により読める、読めないは出てきますね。



    【追記を受けて】

    少し補足させて頂きます。

    〉基本五文型を意識できるといいんですね。

    理系でしたか。
    英語の5文型は以下の通りですね。
    SV SがVした=桓玄が殺した
    SVC SはCだ=桓玄は簒奪者だ
    SVO SがOをVした=桓玄が帝を弑した
    SVOO SがOにOをVした=桓玄が帝に刺客を送った
    SVOC SがOをCにした=桓玄が帝を亡き者にした

    気にすると読みやすいですよ。


    〉幹用

    意味を掴みにくいかも知れませんが、幹は基礎能力と考えると分かりやすいかも。要するに、細かいことはあかんけど大体有能、くらいでいいと思います。


    〉「保明」の解釈

    英語のgetやtakeと同じく玉虫色、文中のニュアンスを汲むしかないです。考えてみましょう。
    前提は諸葛長民が反乱の原因を上表した文であること、さらに言えば郭澄之をDisっている、この把握が大事です。

    ▼妖賊集船伐木,而南康相郭澄之隱蔽經年。

    妖賊は船を集めて木を伐る。而して南康の相の郭澄之は隱蔽すること年を經れり。

    賊が木を切って船を作ったのに、にも関わらず郭澄之は何年も話を寝かせてたんだよ。

    又深相保明,屢欺無忌,罪合斬刑。

    又た深く相い保明し、屢たび無忌を欺けり。罪は斬刑に合さん。

    しかも、郭澄之は賊とたがいに(相)庇いあって(保)無実とか言って(明)、無忌を欺いたんやから、死刑相当やん?

    これらの主語が郭澄之であることを理解しておくと、相い→誰と?賊やな、保つ→誰から誰を?官憲から賊やな、明かす→誰の何を?賊の疑いやな、と文字単位で意図を汲みやすくなります。字義は単純です。
    合わせて、五文型の知識も使っていますから、やはり重要なんですね。


    〉「奴と杵がなんか話してやがったんだ、訳わかんねえことを」ってなるんですね。

    たしかに、其後來轉數。で発言は終えてよいですね。この種の話はいくつかの逸話をまとめて記載しており、一物のネタは発言だけと見ます。
    蛇の話、擣衣杵の話、巨手の話は別のネタで相互の関わりはないのが一般的です。
    また擣衣杵相與語とありますから、杵と杵が仲良くお話していたようです。ただし、意味は分からん、という理解がよさげですね。

    作者からの返信

    くぅ~……この、「自分がどう足りていないのかを知りたい」と言う欲望に、的確に答えて頂ける快感……!

    一通り揃うまで詳細に踏みこむのは避けますが、ひとまず物凄く興奮していることは伝えたく、返信してしまいましたw

    ありがとうございます! ワクワクしていますw


    (ここから追記)


    ひとまず言ってしまうと「議論の余地がない」ですね。
    何せ知らなかったことを教えて頂けている。
    なので「ほほう、なるほど」くらいしかコメントが思いつかないのですが、それでは芸がない。


    >文武〝の〟幹用あり
    「幹用」についての解釈が曖昧なので、「に」「の」の別による解釈の差が判然としないんだなー、となっています。ここ、繰り返し見ています。
    基本五文型を意識できるといいんですね。(そんなんすっかり忘れててキョドってる)

    >尋
    接続語もきっちりおさらいしておきたいところです。まぁ何となくこんな感じ、で拾っていた。吉川幸次郎が「辞書なんかに頼んな! 気合で読め!」(意訳)と言っていたらしいのですが、初学の段階でやることじゃないですねw

    >深く相い保明
    ここの分解が上手く行かずに四字熟語にしてごまかしていたのですが、なるほど、こう分解できるのですね。
    しかし、それでも「保明」の解釈に謎が残って……。用例を当たっても詩経の訪落が出てきて、
    https://blogs.yahoo.co.jp/raccoon21jp/40876703.html
    でさらに謎の向こうにぶち込まれる、と言う。
    前後からして「水面下で結託」的な意味合いにはなりそうですが、そこに語釈が結びつかずに混乱しております。
    こういう引っ掛かるところに拘り過ぎてもよくないのかもしれませんが、煮え切らないのもどうにも癪だよなー、と。

    >及
    こういったテンプレ表現をどれだけきっちり盛り込めるかが、厨二くささには重要な気がしています。沢山摂取しないと。それにしても史書を読んでいると「勝」「敗」って言葉の扱われ方がてきとー過ぎてイライラしますw ここも「敗」じゃなくて「破」でいいだろうがよ、というw 平仄とかそっちの関係なのかなー。

    >權は「かりに、かりそめに」
    ! 調べてもさっぱり意味が通らなくて混乱していたんですが、その字釈が存在するのであれば、あっさりと解決しますね。そうか、なるほど……(字源を引く)……載ってた……
    権力方面でしか解釈しようとしなかったから見えなかったようです。

    >令
    四段で頻出する字ですが、変に令すと読んでしまうとかたくなりますね。「~なさしむ」か。


    >詔以甲杖五十人入殿
    能動受動の扱いが雑だったんだなー、と痛感しました。能動なら能動で通るし、受動なら受動で通る、か。

    >長民驕縱貪侈
    ここ「オメー脚色する気満々だろ」って思いながら読みましたw 一応伝のオチのための前フリになっているわけですが、それはさておき、この辺りはやはりカッコよく読み下せないと、ですね。
    紀、については「風紀」の方面から引っ張ろうとしてしまいました。際限か。そりゃ文脈上手く拾えないわけです。

    >〜に因りて以って‥‥可し
    こういう定型表現重要、ちょう重要。(二回目)

    >猶豫にて
    しれっと混じる自分の誤字に死亡しました……w

    >貧賤にあれば常に富貴を思うも、富貴は必ず機危を履む。今日、丹徒の布衣為らんと欲すれど、豈に得可けんや!
    もうただ一点、自分の書き下し文レベルの低さにちくしょう、と思うばかりです。こりゃかっこいいw
    厨二力を上げるためにも、やっぱり書き下し文にはまだまだ挑戦が必要そうです。

    >於
    この字はやはり、変に書き下してしまうと重くなりますね。基本としてできるだけ元の字は残しておかなきゃと思って呪いのように残していたんですが、河東さんの書き下しを拝見して、呪いから解放されましたw
    「克」で決定、か。これも「勝利」の文脈でしか読めなかったのでさっぱり文意が取れませんでした。

    >丁旿
    そうなんです、丁旿くん、ぶっちゃけ史実だと長民殺すのと劉裕の長女とイチャイチャするのと巨大バリスタ運ぶくらいしか役目がないというw

    >桎梏を解かるるが若し。
    この字釈だと、前半との照応が強くなりますね。「諸葛とか言うひでえ奴がいなくなってみんな清々しました、けどもっと早くにやってくれよそれって思ってました」と、すっきり。

    >正見一物
    あ、書き下しから逃げてたw the unknown one ということですね。

    >其の後、來たること轉た數あり
    中華書局標点本でも、ウィキソースでも、この前でかっこが閉じられてるんですよね。さっぱり意味が通らなくなるので幾許もなく、の前までを全部台詞扱いにしちゃいましたけど。もしかしたら志怪に関するお約束に則れば、ここからは台詞じゃないのかもしれません。

    >擣衣杵
    この一文はとことん意味が解らず悩みました。そうか、ここで熟語になるのか。「奴と杵がなんか話してやがったんだ、訳わかんねえことを」ってなるんですね。

    >臂
    この辺りは現代でも「手」だけで肩から先全部を差したりしますしね。言い回しの意義を厳密にしすぎない方がよさそうだ、というのは感じました。


    いや、勉強になりました、ありがとうございます!
    今他のところでも書き下しチャレンジをしているんですが、ここで頂けたご指摘活かせるようにも、もう二周三周したいと思います。


    (さらにお返事)

    五文型のパターンについては、しばらく
    訓読の際に張り付けていってみようと思います。
    読み方の基本に備わっていなかったわけですから、
    ここを挿入できることで
    見通しを立てるスピードも上がりそうで。

    保明、うっかり熟語的にとらえようとして爆死か!
    なるほど……「深く、相保ち、明るしめ」なんですね。
    一字単位での用法をどれだけ織り込めるか勝負になってきますね。
    まさに語彙力の世界。権とか紀もそうでしたが。

    うーん、視野が広がってくれそうです。