11/12
――ごわぁっと、
地響きがして、パリンッとガラスが砕ける音。
あたりが一瞬で真っ暗になって、なにも見えなくなった。
グラグラと揺れる床から足が離れて、それまで当たり前に存在していた重力がなくなる。
五感を轟音と振動に支配されて、宙に浮いた体が壁に叩きつけられる。
――ガシャ、――ガシャン、
エレベーターのかご全体が巨人に揺さぶられるみたいに震えていて。
「――・・――・・・・!」
暗闇で、城崎君が何かを叫んでいる。
だけど、わたしには何を叫んでいるのか分からない。
もう、何も考えられない。
わたしは、ただひたすら喚いていた。
それは、女の子らしい悲鳴じゃない。
「・・・! ――・・――!」
すべての男性を拒絶する、感情が暴走した言葉にならない絶叫。
わたしは怖かった。
地震で激しく揺れるエレベーターより、頭に降り注ぐ蛍光灯の破片よりも。
密室にいる城崎君が怖くて叫んだ。
「・・・――・・――・・ッ!」
もう何も聞こえない。何も分からない。
爆発寸前の恐怖がオーバードライブの鼓動と呼吸を狂わせる。
理性が壊れて、わたしは何も考えられなくなる。
過呼吸で苦しい。足りない酸素で視界が狭くなる。
……真っ暗闇、
……体を押さえつけられた。
――手を振り回した。誰かをおもいっきり殴った、
――暗闇のなか無我夢中で振り回した腕が壁に押し付けられる、
――両手両足も封じられる
……もう、何も考えられなくなって、
……パニック、
……わけのわかないことを叫びまくって、
しばらくして、ふと我に返ったら。
真っ暗だったエレベーター内は、ほんのり明るくなっていた。
青ざめたわたしを、赤い色彩の非常灯が薄暗く照らしている。
「やっと正気になったか」
「ぁ…あぁ……」
城崎君は、血まみれの顔で言った。
床には蛍光灯の破片が散らばっていて、壁に後ずさるとカシャカシャ音がする。
エレベーター内は見るも無残に荒れ果てていた。
電光掲示板は真っ黒で何も表示されていない。足元にはガラスの破片が散乱。エレベーターは動いていない。
女装した城崎君は、ダラダラと鼻血を出している。
「あ…ぅあっ……っ」
「早瀬、オレ様は何もしない。どこか体で痛む場所はあるか? 痛む場所があるなら教えろ。大丈夫だ。オレ様は早瀬に指一本触れない」
「ぁたし……大丈夫っ……でも」
「そうか。何よりだ」
わたしが、ようやく絞り出した声。
それを聞いた城崎君は、ニコっと笑った。
いつもの邪悪な笑い方じゃなくて、今まで見せたことのない、優しい笑顔だった。
ふぅーと安堵の息を吐く城崎君は、その場でクルリと回ってわたしに背中を向ける。
きっと、パニック状態のわたしと視線を合わせない配慮だと思う。
それより……
「城崎君……背中にガラス……」
「心配には及ばん。ただのかすり傷だ」
城崎君の背中にはたくさんのガラス片が刺さっていた。
女子用の制服が血でまだら模様に染まっている。
やけに短いスカートから伸びたすね毛だらけの足にも赤い筋が流れている。
わたしに背中を向けたまま、城崎君は言う。
「まずは心を落ち着かせろ。あどば――ぐそっ」
足元のガラス片が、カシャリと音を立てる。
城崎君は顔に手を伸ばして、溜まった鼻血を「フンッ」と出してから言った。
「迂闊に動くな。オレ様は早瀬に乱暴しない。床には手をつくなよ。ガラスの破片が散らばっているからな。オレ様を信じろ早瀬。オレ様は早瀬に何もしない」
「城崎君、血が出てる……」
「顔の傷なら貴様に殴られたせいだ。パニックになった早瀬を押さえつける時にな」
「ごめんなさぃ……ハァ、ふぅ」
「過呼吸だな。ゆっくりと浅く呼吸しろ。息を吸うよりも吐くことを意識しろ」
城崎君のアドバイスに従うと、荒れた呼吸のリズムが落ち着いてきた。
背中を向けたままの城崎君が「過呼吸のときはビニール袋を使えというが現在は否定されている」とムダ知識を披露してくる。
わたしが落ち着きを取り戻すと、普段と変わらない口調で語りかけてくる。
「早瀬よ。こたびの一撃は生涯の名誉にするがよい。オレ様こと城崎帝斗の鼻面を女でありながらへし折ったのだ。クククッ……なかなかのパンチだったぞ」
「ごめん……わたし、なにも覚えてなくて……」
「状況を説明してやる――と、格好つけて言っても、実はオレ様も良く分かっていない。デカい地震が起きてエレベーターが停止した。そこの非常通話ボタンでビルの管理会社に救出依頼を出した。未曾有の大災害で多忙を極める消防の救援はだいぶ遅れるであろうこと。分かるのは、そんなところだ」
「怪我、大丈夫っ?」
「死にはしない。早瀬こそ怪我はないか?」
「たぶん……城崎君が庇ってくれたみたいだから……」
「礼には及ばん。男として当然のことをしたまでだ」
「嘘だよ……」
――男として当然のこと。
城崎君はそう言ったけど、そんなの絶対間違ってる。
「男の人はそんなカッコイイことしないよ……だって。男の人はわたしに……」
違う……ちがうっ。
ちがう、ちがう、ちがう違う違う違う。
絶対に、絶対に……絶対に絶対に絶対に。
男の人は、男の人は、男の人は男の人は男の人は。
そんな立派じゃない。
わたしは、それを思い知ったことがあるから。
嫌になるぐらい……思い出すだけで吐き気がするぐらい。
何度も、なんども、繰り返し、くりかえし、
それこそ男性恐怖症になるぐらい、何度も何度も、繰り返し繰り返し。
「早瀬よ。不安ならコイツで足元を掃除していろ」
わたしの不穏な空気を察したのか。
背中を向ける城崎君は、例のゲロ掃除セットを渡してくる。
ミニホウキと、ミニちりとりを手に取る。
わたしは、エレベーターの床に散らばったガラス片を掃除した。
二人っきり。無言の時間がすこし。
赤い色彩の非常灯に照らされた密室に、サッサッと小気味のいい音が響く。
わたしは作業の手を休めないまま、城崎君に問いかけた。
「城崎君も知ってるよね……わたしが中学時代にレイプされた……こと」
「それがどうした?」
否定も肯定も避けた、曖昧な返事だった。
それはなんの感情も含まない、素っ気ない返事だった。
その話題には触れたくないみたいで、きっと聞きたくもない話だと思う。
だけど、わたしは言わないといけない。
もう誰も好きになれない――呪いの正体を。
二度と男の人を受け入れることができない心のトラウマを。
異常者のわたしに尽くしてくれる城崎君に……これ以上無駄な努力をさせないために。
わたしが、ただ言いたいだけ。
返事なんていらない。反応なんて求めない。
これまで、クラスの誰にも言えなかったことを。
クラスの誰にも相談できず、一人で抱え続けてきた、つらい思いのすべてを打ち明ける。
荒れた呼吸を整える。心臓が高鳴っている、
決して消えることのないわたしの心に刻み込まれた闇を……語り始める。
「中学時代、付き合ってた男子がいたの」
「……やめろ」
「好きとかじゃなくて誰かと付き合っていないのはカッコ悪いと勘違いしていた時に、たまたま告白してきたのがその男子だった。その程度のノリ。好きではなかったけど嫌いでもなかったから付き合いはダラダラ続いたの。そのうち――彼氏がソレを求めてきた。わたしは決して許さなかった。遊びでそこまでする気はなかったから。だけどね、カレは我慢できなかったみたい。キスもさせないわたしに苛立ったカレは……ある日、わたしを呼び出して」
そこから先は、思い出したくない。
その日、わたしが呼び出されたのは知らない人の家だった。
そこに友達が住んでいるから、他の女友達はもう集まってるからという誘い文句で。
怪しいと思ったけど、顔見知りの女友達がいるならと安心した。
その家には、カレとクラスの男子が数人、あと知らない男が何人かいた。
いるはずの女友達は、どこにもいなかった。
最初から、わたしを騙してソレをする計画だったらしい。
「……ッ」
ギリィィッと、奥歯に力が入る。
思い出したくもない記憶が蘇って、抑えきれない悔しさがこみ上げてくる。
だけど、わたしは言わなくてはいけない。
もう誰も好きになれない――
呪いの正体を。
「そいつらに……
一気にしゃべり終えた。
たぶん、何を今さらなことを言ってるはず。
こんなこと、学校のほとんどの生徒が知ってることだから。
わたしが男性恐怖症なことも、過去にレイプされたことも。
それが触れるな危険の爆弾だから、みんな内容を知っていても話題に出さない。
だけど、みんながソレを知っている。
誰も言い出さないだけで、ソレを撮影した動画も広まっているに違いない。
ネット上には、当事者のわたしより事件内容が詳しく書かれた専用wikiまであるぐらいだ。
そのwikiには、事件前のわたしがレイプ犯の彼氏を信頼していたことも、レイプに参加した他の男子生徒たちを友達だと思い込んでいたことも、彼ら男子生徒が普段はどこにでもいる普通の男子中学生だったことも、わたしをレイプしたのは異常者ではなく普通の男の子だったことも、ネットに流されたソレの動画を世界中の男が数十万単位でダウンロードしたことも、わたしが父親に殴られたり母親ごと捨てられたコトも、事情聴取で男性刑事から酷いセクハラを受けて泣いたことも、大勢の男性がいる裁判所でソレの最中に具体的になにをされたのかを詳しく供述することを強いられたことも、すべてが時系列でまとめられて羅列されていた。
wikiの記述は、だいたい合っていた。
わたしをレイプしたのは、ごく普通の男子だった。
異常者でも変質者でもなくて、どこにでもいる普通の男子学生。
だからこそ、わたしは怖くなった。
あの人も、この人も、男の人はみんな……そういうことをしたがっている。
耐えられなくなった。ソレに気づいて以来、男性の見方が一変した。
いい人も悪い人も関係なく。
すべての男性が、等しく恐怖の対象になった。
「わたしの男性恐怖症は治らないと思うの……これは呪いみたいなモノだから。もう男の人を信頼できない――そんな呪いなんだよ」
「無理もなかろう。それだけのことを貴様はされたのだからな」
「……最後まで言わせて」
「もう聞きたくない。ただでさえ地震で不安なオレ様を、さらに鬱にさせるつもりか?」
「……ごめん」
「教室でも言った記憶があるがすぐ謝るクセは治せ。あと男性恐怖症も治せ」
「治らないよ……絶対に」
「早瀬よ。絶対なんて事は絶対に存在しないから絶対に口にするな。もちろんオレ様は常に絶対正しいがな」
「……城崎君らしいね。いつも偉そうで、常に自信たっぷりで、やることは馬鹿だけど正しくて、やると決めたらやめないで、間違ってると思ったら教師でも殴って」
「フン。あの時はさすがのオレ様でも退学を覚悟したぞ」
「わたしの動画なんてみんなが持ってるモノなのに、わざわざ殴ることなかったよ」
「暴力はよくない。だが、男にはどうしても許せん時があるのだ」
「でも城崎君、わたしの動画を見たいと思うでしょ?」
「思わん」
「嘘。男の人はみんな同じ。口ではそう言うけど、実際は」
「オレ様は思わん。胸糞が悪い」
「じゃあ、わたしにそういうことしたくない?」
「早瀬よ。誘う相手と場所を考えろ。ちなみに回答はNOだ。オレ様は同意のない女に欲情などしない」
「そう言ってた男の人がわたしをレイプしたの。だから信頼できないよ。みんな表に出さないだけで、心の中ではみんなそう思ってる……」
「他のやつは知らん。だがオレ様は別だ。城崎帝斗はただの男を超越した男子だからな」
「嘘つき……」
そこで、ぱったり会話が途絶えた。
ふと思えば、男の人とこんなに長く会話をしたのは、久しぶりかもしれない。
わたしに背中を向けてくれてるせいか、今はあまり怖さを感じない。
あとスッキリした。誰にも言えなかったことを打ち明けられて、重かった心が軽くなった気分がする。
無言の時間がすこし。どこかそわそわした居心地の静寂。
動かないエレベーターの室内に、わたしと女装した城崎君が二人っきり。
――なにか話そうか?
――やっぱりやめる?
だけど、けれども、それでも、なんで……どうして、わたしは悩んでるんだろう?
なぜわたしは、男の人と会話したがってるんだろう?
男の人と会話するなんて。
イヤで、怖くて、避けたくて、仕方なかったハズなのに?
それなのに、どうしてわたしは?
「ウソかもな」
「え?」
城崎君のひと声に、わたしはとぼけた声をポツリ。
女装した城崎君は、背中を向けたまま、淡々と言葉を紡いだ。
「早瀬が正しいかもしれん。オレ様は聖人君子ではない。人並みの性欲ぐらいある」
「……だよね」
「だが、いくら性欲が高まっても嫌がる女を押し倒さない程度の理性はある。婦女子に狼藉を働く輩に嫌悪感を覚えるぐらいの正義感もある。よほどのジジイでもなければ健康なほとんど全ての男に性欲はあるだろう。性欲がある男なら若い女に欲情するのが当たり前だ」
「うん……」
「早瀬がそれに嫌悪を覚えるのは理解できる。オレ様もそれを否定するつもりはない。だが、すべての男が貴様を乱暴するようなクズではない。それに気づかない――否、それを認めようとしない早瀬がオレ様は大嫌いだっ」
「べつに嫌われてもいいよ……わたしはいわゆるメンヘラだし、普通と違う異常者だし……彼氏と付き合って幸せそうなクラスメイトのみんなが、男の人と付き合うのって、すごく楽しいよって言うの。でも……そんなの信じられない。どうせ男の人なんて」
「早瀬よ。いきなりマイナス思考な自分の世界に浸るクセと、マニアックな生物ネタを控えろと、今朝に教室で言ったはずだが? あと――」
「……あと?」
「貴様は認めたくないだけだ。男は怖いという思い込みが――自分の固定概念が崩れるのが恐ろしいだけなのだ。言い方を変えれば、早瀬は他人の声に耳を傾けない頑固者とも表現できる。いくらクラスの下僕どもがお前の思い込みを正そうとしても、貴様はそれを認めずに否定する。自分を変えたくないから、男は怖いと思い込んでいる自分を守りたいから、自分でも間違ってると分かりながら、それでも男が怖いと思い込もうとする」
「城崎君は、いつも正論ばかり言うよね……」
「女に嫌われる男ランキングで上位らしいな。正論ばかりを言う男とは」
「わたしは城崎君らしくていいと思う……でもね、わたしに正論は通じないの……だってわたしは……」
「早瀬よ。今日だけは我慢して貴様の愚痴を聞いてやろう。言いたいことがあるなら廊下で吐いたゲロのごとくぶち撒けてみろ。オレ様がすべて受け止めてやる」
「さっきは聞きたくないって?」
「当然だ。オレ様はしゃべるのが好きで他人の愚痴を聞くのが嫌いなのだ。その中でも特に大嫌いなのが、既に自分の中で答えが出ているのにソレを肯定して貰いたくて相談を持ちかける奴と、クソ興味ない鬱な昔話を悲劇のヒロイン気取りで語りだす女だ。しかし、それで早瀬の気が晴れるならオレ様は耳を傾けてやる」
「……ごめんね。わたしばっかり喋って」
「構わん。それと早瀬よ。貴様は平気なのか?」
「はい?」
「随分とおしゃべりだが、貴様はオレ様が怖いのではなかったか?」
言われて、ハッと気づいた。
そういえば、いまは城崎君がぜんぜん怖くない。
男の人と話してるのに、言葉はつまらないし、目を合わせても鼓動は高まらない。
――なぜ? どうして?
まさか城崎君が女装しているせい――って、いやいや、それはナッシング。
じゃあ、普通に男の人と会話できているのは……どうしてだろう?
男性恐怖症のわたしが男の人を怖がら――
その時、大地震の余震が起きた。
エレベーターが、グラリと激しく揺れた。
「キャァァァァ!」
「足元に気をつけろ。ガラスが散らばっている」
「城崎君ッ!? すごい揺れて……キャァァ、怖いッッ!?」
「ふん。死にはしない」
「ヒャ! どうして落ち着いて……わきゃん! のきゃーっ!?」
大きな余震は、数秒で収まって、
惰性でグラグラ揺れるエレベーターは、やがて安定を取り戻す。
……
…………収まった…?
……
地震でビビったパニックが落ち着いて、だんだんと周囲が見えてくると。
「早瀬よ」
「な、なにっ!? 怪我大丈夫っ!? 背中の傷とか開いてない!?」
「貴様は大丈夫なのか?」
「わたしは大丈夫……だけど!? 城崎君は……っ!?」
「無事だ」
「ほっ……良かった」
「愚か者め。安心したのは早瀬ではなくオレ様だ」
「……ほぇ? どうして?」
「いきなり早瀬に抱きつかれてしまったからな」
「抱きつかれた? だれに?」
「貴様だ」
「わたしが抱きついてる? 城崎君に?」
真顔で言われて、思考がストップ。
まだちょっと揺れてるエレベーター。
パラパラと天井からホコリが落ちてくる。
状況分析。これはヤバイ。
いまのわたしは非常にまずい状態にある。
余震でパニックになったわたしは……
怖くなって……
女装した城崎君に……
女の子らしく……
ひしっと抱きついてしまった……
みたいでして……
「また殴られたりゲロを吐かれるのかと心配したが、どうやら大丈夫のようだな」
(ヤっヤダ…ぁ///)
頬が熱い。瞬間ヒートアップ。
かぁーと赤面したほっぺたが、燃えあがりそうなほど熱を帯びていく。
あわわっと瞳が渦巻きナルト、グルグル回ってめまいでふらり。
――これって……まさかっ?
鼓動がドキドキ、手のひらアセアセ、どうしたわたしっ!?
まるで、この感じは……
「早瀬よ。オレ様は言ったであろう」
その声が聞こえてきたのは、わたしの顔面ゼロ距離から。
わたしが抱きついた城崎君@女装は、犬歯をむき出しの邪悪な笑顔で言った。
「クククッ、絶対に男性恐怖症が治らないなど絶対ありえぬとな」
「……ぴゃん!」
ゼロ距離の視線に、思わず目を逸らした。
怖くて逸らしたんじゃなくて、赤面した表情を見られるのが恥ずかしくて。
鼓動はドキドキ、だけど恐くない。
城崎君を抱きしめる腕に、自然と力が入っていく。
顔全体が熱い。火が出そうなぐらい。
怖くないし、気持ち悪くもない。
だけど、落ち着かない。
ぜんぜん不快じゃなくて、不思議で制御不能な気分の高まり。
例えるなら、シャンパングラスの中で氷が溶けた「カランッ」という音。
人生で初めて聞いた、凍った感情が優しい熱量で溶けた音。
その正体は、たぶんきっとアレでしょう。
――恋とか
――ラブとか
――恋に落ちる音が聞こえた系の
――乙女チックなモノでしょう……っ///
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます