閑話

「彼と接触いたしました」


 暗い部屋の中で男女が話をしている

 うっすらと見える内装で寮の部屋だと分かるが何が置いてあるのか分からない

 女性は入り口付近に立っており、その眼は鋭く前の男をとらえている


「そうですか、少々トラブルはありましたが予定通りですね、これを」


 そんな視線をいともせずに机に向かって書類を書いている男が答た。彼女は彼の性格が見受けられるキッチリとした書類を受け取ると軽く礼をして部屋から出ていった


「はぁー、やはり出張ってきましたか・・・面倒な」


 彼はため息を吐きながら独り言のように愚痴った


「まぁ、卒業までには完遂させましょうか?」


 彼が問いかけると、誰もいないはずの部屋から返事がくる


「そうねぇ~、時間はたっぷりあるしぃ~、ゆっくりやりましょ~」


 眠たくなるような艶めかしい女性の声が部屋に木霊し、彼の影が軽く揺れた

 彼は軽く延びをし、椅子から立ち窓際に行く


「次は夏期合宿ですかね」


 窓からの風景はきらびやかな夜空と無限に続く雲海が素晴らしい情景を映し出している。もう、何回も見てきた景色だが大いなる目的の為に動いている彼の心を落ち着かせた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る