第23話

僕たちは今、レオンさんの執務室にいる。

「お前って仕事できるんだな。」

リディさんが意外そうに言う。

「うるせえ、できるわ。って言ってもほとんど秘書にやってもらってるけどな。」

レオンさんが悔しそうに言う。

「ふんっ、いい気味だ。私はナーシャ村で、ちゃんと仕事していたぞ!」

リディさんが自慢気に言う。

レオンさんが顔を真っ赤にして今にもリディさんに飛びかかりそうだった。

「やめろ、こんなところで争うな」

サムの一言で二人とも黙る。

「レオン、他の仲間たちがどこにいるかわかるか?」

レオンが

「当たり前だろ」

と誇らしげに言う。

「ここスタンス村は北。ナーシャは西。東に武人。南に妖精だ。」

レオンが言う。

「俺たちは西から北に来た。順番的に東だな。武人のところに行こう。元気かな、影楼(かげろう)・・・」

きっと影楼とは武人のことなのだろう。いや、きっとではない。絶対だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る