第4話

「か、かつての英雄に近ずくとは ど、どういうことですか?」

僕が震えながら聞く。ニーナさんが しまった、という顔をする。

「そのままの意味です。他の村で記憶を取り戻したかつての英雄がいたそうです。

その方は、その人ではなくなり・・・かつての英雄となってしまったのです。

そのかつての英雄は、とても暴君だったそうで・・・」

長い沈黙。ニーナさんが重い口を開く。

「そのかつての英雄は、その人の家族を殺してしまったのです。」

唖然とする。僕は一体どうなってしまうのだろう。僕の中のかつての英雄は、どんな人だったのだろう・・・

僕は思い切って聞く。

「僕の中のかつての英雄は、どんな人だったのですか?」

するとニーナさんが答えた。

「貴方の中のかつての英雄は・・・」

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