第5話

「貴方の中のかつての英雄は・・・」

ゴクリ、と唾を飲み込む。

「優しい人です。」

安堵のため息をつく。しかしニーナの話は終わりではなかった。

「しかし怒らせると、恐ろしいです。正義感は強いのですが・・・あなたのかつての英雄の名はサム、かつての英雄のリーダーです。先ほど話に出てきた暴君もサムを怒らせると黙り、最悪気絶する事もあったそうで・・・サムは敵にこう呼ばれていました、サイレント と。サイレントは静かに起こるから、だそうで・・・」

僕もミシャもシーンとなった。

「もし 僕が全ての記憶を取り戻したら、僕は僕ではなくなってしまうのですか?

サムになってしまうのですか?」

ニーナさんが一瞬間を置いて答える

「それはない。話したり、体の共有はできる。」

良かった。しかし何故ニーナさんはこんなに詳しいのだろう?

聞いてみた。するとニーナさんがありえないことを言った。

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