第2話 辛辣な住人
「ふーん」
この女は元々付き合っていた男がいるという。ただ、その男はこの女を彼女とは思っていなかったらしく、あっさり捨てられてしまったという。なんとまぁ残念なことだ。
「んで?お前はその男をどうしたいんだ。金でも要求したいのか、付き合ってほしいのか、それともなんだ?呪ってほしいのか?」
「えっ······と」
迷っている······のか?言いにくいのか?やっぱり女はわからん。言いたいなら早くいえばいいだろうに。
「一条さんは、どうしたら良いと思いますか?」
「俺はお前の思う通りにしたらいいと思う」
どんな結果になったところでそいつ自身が選んだ選択なら俺は何も言えないからな。俺が選んだら本末転倒だしな。
「解決策は······示してはくれないんですね」
面倒なことだ。解決策を見つけて欲しくてここに来たのだろうが、あいにく俺はそんなに優しくないんでね。
「そんなもんだろ。見ず知らずの他人に頼るな。俺は相談に乗るだけだ。解決したいならお前の力と判断で解決しろ。その補助をするのが俺の役目だ」
「一条さん、言い過ぎ」
裕士の言葉を聞き、依頼者を見ると依頼者は下を向き黙りこくっていた。やりすぎたか?でも何かしら考えがあるはずのやつにただ優しくなんて、それこそ俺は上から目線すぎると思うがね。
「あー······なんだ、ちょっと言い過ぎ······」
「わかりました」
「は?」
俺の言葉を遮り、顔を上げる依頼者。
「他人に頼るなんて甘えた考え、持っていたのが悪かったです。では一条さん、相談よろしいでしょうか!」
面倒なタイプだったようだ······元は熱血か?
「あぁ、はい······どうぞ」
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