7 音楽転生
「CFFC
E7AmFG
CFGC
E7FGC
E7AmFC
FCGAm
FCG
FCGAm
FCG
GCEmAm
FG
FCE7AmF
G」
ぼくは ひらがなに てんせいした。
かんじに てんせいした かんじちゃんと
このせかいを ぼうけん している。
で。
どこかから おんがくが きこえてきて。
もしかして にんげんが いるのかなって
おとの でどころまで きたけれど。
そこにあったのが これだ。
「CFFC
E7AmFG
CFGC
E7FGC
E7AmFC
FCGAm
FCG
FCGAm
FCG
GCEmAm
FG
FCE7AmF
G」
この なぞの もじれつを みていると
なぜか ふしぎと おとが きこえる。
おとが というか おんがくが きこえる。
ぎたーの けいかいな ねいろ。
「平仮名君、平仮名君」
なに かんじちゃん。
「私、理解。弦楽器、音色。
私、既知、楽曲」
そうだね。ぎたーの おとだ。
このきょく しってるの?
「柚子」
ゆず?
ゆずってなに?
「君、日本一般音楽無知?
柚子。大人気二人組音楽隊」
たしかに ぼくは
じぇいぽっぷは あまり
きかないけど。
けど ああ わかった。
ゆずって あの
ふたりぐみの ゆず ね。
なんかいか きいたことは あるよ。
てれびに けっこう でてるし。
おりんぴっくの てーまそんぐとか
ちいさいころに きいたなあ。
「幼少時?」
うん。
「私、恐怖推察」
おそろしい ことを かんがえた?
どんなこと?
「閑話休題。
今、重要。音楽」
まあ そうだね。
そんなことより
おんがくが きこえてることが
ふしぎで じゅうようだよね。
なんだろ この えいじの ならびは。
「私、推察。
文字列、弦楽器譜面。
演奏記号」
ふめん?
えんそうきごう?
ふぉるて とか ぴあにっしも とか?
「否定。
弦楽器。軽音」
ああ ぎたーの こーどってこと?
もしかしたら このせかいには
ぎたーこーども やせいで あるのかな。
「私、推察。
譜面氏、意志所有。
異世界転生、弦楽器譜面」
ぼくらとおなじで てんせいした
ぎたーこーど じゃないかって?
なんだそりゃ。
「私、以前、遭遇。謎記号。
彼、意思所有。転生者。
私、直感。本件、類似」
でも ねいろじゃ いしそつう できないよ。
「私、名案所持!」
わたしに いいかんがえがある?
どんなかんがえ?
「譜面氏、譜面氏。
私達、質問。
貴方、音色返答。
肯定時、長調音。
否定時、短調音。
了承?」
「CCC」
あ ねいろが かわった。
こんどは おんがくじゃなく
たんじゅんな おなじおとが
なんどか なった だけだ。
「長調音」
「CCC」
「短調音」
「BmBmBm」
なるほど。
いえす は めじゃーこーどで
のー だと まいなーこーど?
「肯定。私、天才」
そうだね。いいかんがえだと おもう。
「得意気」
えっへん っていいたいのが
つたわってきたよ。
ええっと それじゃ ぎたーこーどさん。
しゃべれますか。できれば ねいろ いがいで。
「BmBmBm」
いしそつう できたぞ。
まあ でも やっぱり しゃべれないよね。
ええと あなたも ぼくらとおなじで
このせかいに てんせいしたんですか。
「CCC」
ちょっと いま
おとを だすまでに まがあった。
かくしょうは ないけど
もしかしたらって
おもってます?
「CCC」
なるほど。
まあ ぼくも
かくしょうはない けれど。
でも どうかんがえても
ぼくらは もじとして
いきている。
「私達、白紙世界、冒険中。
奇妙世界、一人、大変。
貴方、私達同行?」
「BmBmBm」
こんどは すぐに へんじがあった。
ぼくらとは いっしょに
いきたくない?
「CCC」
ええと なんでだろ。
ひとりが すきなのかな。
「BmBmBm」
ちがうのか。
あ ぎたーこーどの ならびが かわった。
「CGAmEm
FDmG
FGCG
Am」
また ぼくの しらないきょくだ。
「私、既知。同様、柚子」
これも ゆずのきょく?
「命、終末迄」
いのちはてるまで? ってきょくなの?
「肯定。
選曲理由、不明」
いのち はてるまで。
いのち はてるまで?
ああ そうか。
なんか なんとなく
ぼくは りかい できたかも しれない。
「本当?」
うん。
きっと あなたも
せいぜんは おんがくを
やっていた とか。
それか おんがくで
たべていくことを
ゆめみていた とか。
それで ゆめなかばで
しんでしまった
とか じゃないですか。
「CCC」
やっぱり。
だから あなたは ここで
しんでも おんがくを つづけていく?
「CCC」
ここを おとずれるひとを
あなたのおんがくで かんどうさせて
なっとくのいく がっきょくを
のこしたいと おもっている?
「CCC」
そっか。
それなら しかたがない。
ぼくらには とめられない。
あなたの えらんだ みちだから。
たとえ しんだって
あきらめられないから
ゆめを おっていたのだもんね。
「CCC」
どうやら そういうことみたい。
かれは ここに すぐれたおんがくを
のこそうとしてる みたいだよ。
「不思議。
君達、平仮名、譜面。
意志疎通、何故完璧?」
どうだろうね。
もしかしたら こまかい にゅあんすとか
かれの おもっていることと
ちがうかも しれない。
けど ぼくらみたいに ゆめをおうひとは
どこか きょうつうの いしき というか
にるぶぶんが でてくるんだ。
ぼくらは どんなきょうぐうで
なにを のこすとしても
それを みたひとや
きいたひとを
かんどう させたり
たのしませたり
そういうことが したいから
おんがくとか ぶんがくとか
かたちは ちがうけど
なにかを のこすんだよ。
「私、君、二度見」
ええと にどみ?
ごめん いみが わからない
「君、発想力、修行必要」
はっそうりょく っていわれても。
にど みる。
もういちど みる。
あ もしかして ぼくを
みなおしたって こと?
「肯定」
ひどいな。
まえまで どんなふうに おもってたのさ。
「変態痴漢」
ひどいな ほんとに。
「譜面氏、譜面氏。
私達、冒険続行。
残念、別離。
希望、再開」
うん。そうだね。
ぼくらも もう いかなくちゃ。
それじゃ またあいましょう。
「DDaugBmF#m
GEm7A7」
ああ このきょくは
ぼくも てれびで きいたことある。
なんだっけ きょくめいは。
そうだ。
ゆずの いつか だ。
◇◇◇
ぼくらは ぎたーこーどさんと わかれ
たびを また つづけている。
ところで かんじちゃん。
「何?」
なんか おそろしいこと かんがえたって
いってなかったっけ。
「沈黙」
いいたくないこと かんがえたのだろうけど
だまりたいときに ちんもくって
かかなきゃならないのが
もじの たいへんなところだね。
でもさ きになるから おしえてよ。
「年齢」
ねんれい?
「私、柚子、嗜好。
君、柚子、無知」
かんじちゃんは ゆずがすきで
ぼくは ゆずに くわしくない。
それが なにか かんけいあるの?
「世代」
せだい?
あ もしかして かんじちゃん
ぼくより はるかに としうえってこと?
「激怒!」
なんで おこるのさ。
「私、若年。二十代。
本当本当」
ふうん。じゃあぼくよりは としうえだ。
ぼく まだ じゅうだい だから。
「超絶衝撃。
痴漢犯罪若年化」
だから ちがうって いってるのに。
でもさ ぼくらは しんでしまって
ひらがなと かんじなんだから。
もう ねんれいなんて かんけいないよ。
でも ふしぎだなぁ。
じぶんの ねんれいとか
しょうせつを かいていたこととか
ばくぜんと おぼえているのに。
いちばん じゅうような じぶんのなまえとか
そういうことは すっぽりと
きおくから ぬけおちてるんだ。
「同意。
私、提案。
私達、部分的記憶喪失。
記憶復旧、重要」
きおくそうしつ。
まあ たしかに そうとも いえるか。
それで きおくを とりもどそうって?
「肯定」
うーん。どうかな。
ぼくは あんまり。
せいぜんの きおくが うすいからか
そんなに きおくがほしいとも おもわない。
だって ぼくら もうしんでるなら
せいぜんの きおくがあっても
しかたないじゃないか。
ともだちとか かぞくとか
おもいだしたら つらくなるかもしれないし。
「否定。記憶復旧、浪漫」
ろまん っていわれてもなあ。
ぼくは そんなことより
かんじちゃんと ふたりで
きょうりょくして
このせかいに すぐれたものがたりを
のこしたい だけなんだけど。
「君、私肉体目的? 最低」
なんか ひとぎきのわるい いいかただ。
「冒険続行! 目的追加、記憶復旧!」
はいはい わかったよ。
きおくを とりもどす たびね。
まあ しばらくは
このきょうぐうを たのしむのも
わるくはない かな。
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