仙人名鑑② コージャン・リー

通名(閻国えんこく名):コージャン・リー(赫煉かくれん

本名:ウーラン・トーラアミギルリ・カイムタガーン

  (Улаан・Тоолх Амйгилри・Кямтгаан)

年齢:33歳(1308年春現在)

種別:人間男性/高地カリッサ族

出身:大閻帝国西端、也亦イユ遜許スンフ省・カリッサ自治じちきょうハカミアむら


好きなもの:家族(血縁の有無は問わない)、羊の焼き串、タバコ

嫌いなもの:面倒事全般、賭博、やる気のなかった殺人


趣味:料理、釣り、水彩画、馬頭琴、革細工、他・その都度興味が向いたもの

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 鬼神の生まれ変わりのごとき、容貌ようぼう魁偉かいいな偉丈夫の剣客。

 多民族国家である閻国において、大多数を占める軒猿けんえん民族ではなく、カリッサ(Хрисса)という少数民族の出身。

「赫煉理」は元の名を意訳して付けられた、いわば通称である。例えばカイムタガーンは「理由、理屈、道理、ことわり」を意味する。


 六歳の時、家に押し入った強盗を殺害しため親元を引き離され、壇派だんは正調せいちょう神魁流しんかいりゅう武館ぶかんに預けられて育った。そのため、カリッサの文化や習慣は忘れて久しい。

 元々の母語はイユスンフ(Иüсüнф)語だが、それも年に一回会うか会わないかの父との挨拶で使う程度で、わずかな語彙しか覚えていない。

 顔が怖いのは人種的特徴ではなく、母方の祖父から隔世遺伝した容姿。


 五人の兄と二人の弟、四人の姉と一人の妹、血の繋がらない二人の母と生みの母がいるが、数年前に病死した実母と、行商で世界中を回る父以外と交流はない。

 そのため、実の家族よりも神魁流一門の方を身内として強く意識している。


 欲しくもなかった〝武〟の才能を天から与えられてしまった愚物。

「斬って殺す」以外で自分に出来ることを探しているため、結果的に多趣味多芸になってしまった。それぞれはそれぞれに楽しく、真面目に取り組んだが、本気でその道へ進もうとすると必ず刃傷沙汰を起こしてしまう。


 剣客としての腕前は当然ながら達人の域。

 必殺の迎風げいふう月鉤げっこう、急所狙いの一線いっせん拘命こうめいなど、稲妻より速い太刀さばきにて、幾人もの敵を葬ってきた。その中には、堕落した邪仙もいたとかいないとか。


 物体収納術の〝黒遁こくとん〟、占卜うらない辟邪法へきじゃほう(魔除け)など、狗琅真人の元で勝手に覚えた方術の心得もある。


 新しくウー少年を弟子兼養子として引き取ったが、武館ではあまり後輩もおらず、人に教えた経験はほとんどない。殺しても死なない不死身相手なので、何とかなるだろうと楽観的にうそぶくが、内心ははたしてどうか。

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