第10話 武器

 「夢の世界・・・」

 夢ってノンレム睡眠だかレム睡眠とかそういった類のやつだよな。今体験しているのが夢!?見ている光景や聞こえる風の音、微かに感じる木の匂い。そして、感じる重力がすべて夢なのか?今の僕にとっては現実と変わらないぞ!?今話をしている彼女でさえも・・・?わけがわからない。もしかして明晰夢ってやつか?

 「本当に気づいていなかったんだ」

 彼女はおかしそうに笑っている。わかるはずがない。

 「ついた」

 彼女はそういうと僕のほうを振り返ってこういった。

 「この世界にはねモンスターがいるの。町にいればめったに合わないけど。確かにいるの。そのモンスターが襲ってきたらどうする?」

 そんなの決まっている。

 「逃げる」

 即答した。しかし彼女は首を振りながらこういう。

 「違うよ、倒すんだよ」

 違うのか。っていうかモンスター相手にどう戦うんだよ怖いよ。

 「そう簡単に倒せるんですか?」

 「素手じゃちょっと厳しいから武器を使うの」

 「武器?」

 「そう、武器。そしてその武器が」

 彼女はそういいながら扉を開ける

 「この子たちタルパってわけ」

 その部屋にはいろんな武器が置いてあった。剣や槍、ハンマーや杖、いろんな種類の武器がある、中には手裏剣もあった。

 「こいつらもタルパなんですか?」

 「そうだよ」

 「それで、この中から使うものを選べってことですか?」

 「そういうこと、早く選んで、モンスター退治に行きましょう」

 まじか、・・・でも服も買ってもらっちゃったしなぁ・・・行くしかないか。

 「んじゃあこれで」

 そういいながら僕は、一番小さい刀を選ぶ。もはやナイフ。あまり戦いたくないから弱そうなものを選んだ。ただそれだけ。彼女は弱そうとか批判すると思ったが戦いたくないからしょうがない。しかし、彼女が発した言葉は僕の想定してない言葉だった。


 「なんで持てているの?」

 


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