第7話 知らない町

 「——契約を——」

 ・・・

 「絆を——」

 ・・・

 「——結べ!」

 ・・・!


 僕は目を覚ました。

 「おっと」

 僕は目覚めた瞬間に感じた重力にバランスを崩しながらなんとか着地した。ん?着地?僕は寝たはずじゃ・・・あれ?状況を把握しようと周りを見渡すが・・・。

 「知らない町だ」 

 周りはレンガでできた家が並び地面はよく整地されたコンクリート。振り返ってみるとそこには噴水。日本・・・なのか?。

 「どこだよ・・・ここ」

 なにを、どうしたらいいのかわからず立ち尽くしていると聞いたことのある声がした。

 「きみ、やっぱり来てたんじゃん」

 振り返ると紫の髪で顔が整っていて変わった服装の女の子が立っていた。

 「人違いじゃないですか?」

 知らない町に知り合いがいるわけない。しかも紫って。そんなイケイケな子と仲良くした記憶はないし仲良くできる気もしない。少し怖い。

 「・・・そう」

 彼女は納得したようだ。

 「それ寝間着?」

 いわれて気が付く。周りのことばかり気になっていたので。自分の服装に意識がいかなかった。

 「そう・・・みたい」

 目の前の彼女より変な格好をしていたとは・・・。

 「ふーん・・・じゃあ、服買いにいこっか」

 ・・・一瞬、家に帰って着替えればいいと思ったけどここがどこかもわからないんだった。彼女に聞こうと思ったが彼女はもう歩き始めていた。

 「おいてくよ~」

 まずい、唯一会話できる人物かもしれないのにおいてかれるのはまずい。また途方に暮れることになってしまう。

 「ま、まってよー!」

 近い距離なのにダッシュしてしまった。

 「お?」

 彼女は少しびっくりしていた。 

 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る