第2話

 別荘のドアは流線型デザインの施されたアイアン製で、中は広い玄関ホールになっている。

 カナは外国式で土足のまま建物の中に入った。

 玄関ホールにはステンドグラスのはめられた二つの扉が並び、床は黄色がかった象牙色と微かに色違いの白タイルが敷かれている。


 ひとつ目のドアを開くと、その先は大きな暖炉のある応接室に続き、備え付けの家具には汚れ除けの布が被せられていた。

 カナはその布を一枚ずつ剥いでゆく。

 中から現れたのはロマンチックなデザインの白い猫足テーブルに、色鮮やかな花柄の生地が張られた肘掛椅子。

 天井からシンプルなデザインのシャンデリアが垂れ下がり、深みのある色のマホガニーキャビネットにはアンテークな花柄ランプが飾られている。

 そして応接室の中央に鎮座しているのは、三人掛けの革張りのソファーだった。

 子供の頃、夏休みに遊びに来たカナたち悪ガキが、ソファーをトランポリンに見立てて跳ねて遊んで大叔母さんに怒られる。

 その後、偶然ネットで同じソファーを見かけ、新車と変わらない値段で売られていたのを知り心底驚いた事があった。

 カナは子供の頃の夏休みにタイムスリップしたような、そしてモノの価値を知らない子供って恐ろしいなと、複雑な感情の入り混じった気持ちになる。


「この部屋は、天井も壁も破損なし。空気を入れ換えて、お掃除してカーテンを新しいのに取り替えればいいよね」


 夏別荘の応接室には、テレビなどの家電製品がない。

 妖精森は電波も届かないド田舎で、個人所有の山と森には送電線が来ていないのだ。

 別荘地内で自家発電しているが、電気を使用できるのは必要最小限の照明と、生活する上で必要な調理器具と洗濯機だけ。


「スマホは車で充電できるからいいけど、電動工具が使えない。高圧洗浄機が使えれば、お掃除も楽なんだけど」


 カナはそう呟きながら、応接室の隣のキッチンを覗く。

 海外ドラマに出てくるような白いタイル張りのシンクに花模様の彫り込まれた木目扉の調理台。

 壁一面天井まで大きな食器棚が備え付けられていて、中に納められた食器は大叔母さん自慢のコレクション皿が並んでいる。


「あれ、このお皿、今洗ったみたいにピカピカ? 大型冷蔵庫の中身は……空っぽだ。確か雑貨屋のコンおじさんが、食材を補充してくれるって言っていたよね」


 雑貨屋のコンおじさんは、妖精森すぐ側の国道沿いで『テツコン雑貨店』を営む店主で、実は大叔母さんのBFだ。

 カナがDIY好きになったのもコンおじさんの影響が大きい。

 応接室と台所のチェックを済ませ、二つ並ぶステンドグラスの扉の反対側を開く。

 廊下には緑の絨毯が敷き詰められ、その先に部屋が三つ並んでいる。

 手前が大叔母さんの部屋、奥の二つが来客用、というより夏休みの子供部屋。

 白を基調にした大叔母さんの部屋は、丁寧に使われた家具と調度品が並び、壁の汚れも無く綺麗な状態だ。


「問題は、ガラクタだらけの子供部屋かぁ。私も散々汚して中が物置状態だから、それを何とかしなくちゃ」


 カナは覚悟を決めて大叔母さんから預かったカギを鍵穴に差し込むが、固くてカギが回らない。

 そこは予想通り、開かずの間になっているのだ。


「もうっ、コノ部屋は何年閉めっぱなしにしているの? これじゃ鍵穴がバカになる。車に戻って潤滑剤スプレーを取ってこないと」


 カナは建物の外に出ると折りたたみ自転車にまたがり、妖精森の入り口に停めた車に道具を取りに戻る事にした。


 ***


 僅かに欠けた明るい月が、荒れ野と妖精森を照らす。

 妖精森の中へと続く細い石畳の道を、白銀の髪の少年は必死に駆けている。

 しかし森に近づくにつれて少年の背に見えない何かが圧し掛かり、地面が揺れているかのように足を取られ、その場で何度もひっくり返った。


「このっ、妖精森の入口は目の前なのに、どうしてたどり着けないんだ!!」

 

 巨大な二つの岩が門のようにそびえ立つ森の入り口が見えるというのに、平坦な道はまるで険しい崖を登っているような錯覚を起こす。

 這うように地面にしがみつきながら、ルーファス王子は王宮から母親と数少ない従者たちと、この辺境まで逃げてきた道のりを思い返す。

 焼け落ちる館の中で、毎朝自分を起こしに来る女官の悲鳴を聞いた。

 逃げる荷馬車を追う黒装束の男たちに立ち向かい、先に行けと告げたまま帰ってこない騎士たち。

 命懸けで自分たちを守ってくれた家臣を残して、母親と二人だけ森の中で生き延びるなんてできない。

 王子は歯を食いしばり、地面を這いながら少しずつ前進する。

 妖精森の入り口はもうすぐだ。

 しかし見えない結界は王子をカエルのように押し潰し、ついに前に進むことも後に戻ることも、頭を上げることも出来なくなった。

 妖精族の祖先還りといわれるほど圧倒的な魔力を持つルーファス王子が、始祖の大魔女の前では惨めに地面に這いつくばっている。


「このぉ、妖精森の大魔女め。森を開けろ、姿を見せろっ!!」


 すると、妖精森の入口から薄気味悪い女の歌声と、ギシギシギイギイと何かが軋むような不気味な金属音が近づいてきた。

 次の瞬間、ルーファス王子はこれまで聞いたことのない甲高い獣のカナキリ音を聞く。



 


 カナの自転車は、白い石畳の道をかなりのスピードで走る。

 妖精森入り口の大きな石壁の上を木々の葉が埋め尽くし、まるで森の外にでるトンネルのようだ。

 自転車は中央に並ぶ石の間をすり抜けて、車を停めている外の広場に出るはずだったが……。

 妖精森入り口の向こう側に、誰かが倒れているのを見つけた。


 キッ、キキキィイーーー

 かなりのスピードで走っていた自転車が急ブレーキをかける。

 地面にうつ伏せになっている子供の手前、ギリギリ十数センチの所で自転車は止まった。

 危機一髪、危うく曳いてしまうところだ。


「ええっ、どうしてこんな場所に子供が倒れているの? しかも髪が銀色の外人さん。ちょっと坊や大丈夫、どこか怪我をしているの!!」


 銀色の髪に細身でとても色が白い、八歳ぐらいの男の子だ。

 それよりも少年の服装は、白い長袖のシャツに紺のベスト、革ズボンにブーツでどう見ても夏服ではない。

 倒れた少年は派手に転んだのかシャツの肘が破れているが、怪我は擦り傷程度だ。


「怪我は大したことないけど、ここで倒れていたら日射病になっちゃう。早く木陰に連れていかないと」


 小柄なカナは倒れた少年を背負い、石壁のトンネルをくぐり妖精森の中に運んだ。

 持っていたペットボトルの麦茶でタオルを湿らせて、少年の額に乗せる。

 シャツの襟元をくつろげ暑そうな紺のベストを脱がせようとして、ベストの前を閉じてる飾り紐を解くのに時間がかかった。

 

「今日の最高気温三十一度なのに、どうしてこんな暑苦しい服装をしているの? よっぽどクーラーをガンガンに効かせた場所か、北欧か季節が逆の南半球から来たとか。もしかして夏別荘のお客様は外国の方?」


 その時少年が小さくうめき声をあげ、額にのせたタオルがズレ落ちる。

 カナはタオルに手を伸ばすと、少年は大きく身動きして瞼を開き、意識を取り戻した。


「ああ良かった、目が覚めた。坊や大丈夫?どこも痛いところはない」

「ココは……ドコ。お前は、誰だ!! 僕は妖精森の、大魔女に、会いに来たんだ」

「えっ、ここは妖精森よ。大叔母さんに会いに来たって、やっぱり坊やは夏別荘のお客様なのね。お客様は母子二人だって聞いていたけど、お母さんは一緒に来たんじゃないの?」


 少年の疲れた様子からすると、どうやら別荘を探しているうちに道に迷い、長い時間田舎道を歩き回っていたのだろう。

 しかし母親の事を尋ねると少年は眉を寄せる。

 もしかしてこの子は、親に無断で夏別荘を探しに来たのかもしれない。


「お前、大魔女を知っているのか。それなら僕を、始祖の大魔女の所へ連れて行け!!」


 あれ、この子ちゃんと日本語を話している。

 それにしても助けてあげたのにお礼も言わず、命令口調でとても生意気ね。


「坊や知らないの、大叔母さんはココ妖精森には居ないよ。南の島へバカンスに出かけているの」

「なんだと、大魔女がいない。そんな……」


 大叔母がいないと知った子供はとてもショックを受け、膝を抱えしゃがみこむと、カナがいくら話しかけても押し黙ってしまう。


「どうしよう、この子このまま放っとけないし。とりあえず夏別荘に連れてゆこう」


 カナは子供に少し待っているようにと声をかけ、森の外に停めた車に向かった。

 妖精森の側を通る寂れた田舎道は、走る車も歩く人の姿もない。

 道向かいにあるオジサンの雑貨屋にも確認したが、店の中に客の姿はなかった。


「やっぱり誰もいない、男の子は一人でココに来たのね。まさかお客様が外人さんなんて思わなかった。見た目はハリウッド映画の子役みたいで、すごく綺麗な白銀の髪をした美少年だけど、ちょっと口の利き方が生意気ね。まぁ、アタシは大人ですから、イチイチ子供の相手なんかしないけど」


 カナはボヤきながら車から道具を取り、森の入り口に乗り捨てた自転車のパダルを踏む。

 油の切れかかった自転車は、ギコギコと耳障りな音を立てながら妖精森の中を進む。


「ヒッ、なんだこの音は!! 鉄の骨の魔物を使役するとは、お前も魔女の力を持っているのか」


 自転車の音に驚いて男の子は顔を上げると、何故かカナを睨みつけた。


「お姉さんは大叔母さんの親戚で、妖精森の管理人よ。ほら坊や、歩けないなら自転車の後ろに乗りなさい。貴方が泊まる予定の夏別荘に連れてゆくから、そこで詳しく話を聞かせてね」

「ふん、僕の方こそお前に詳しく話を聞かせてもらうぞ。大魔女がいないなら、カンリニン、お前は僕の命令に従え」


 我が 白銀の 守護蛇よ

 罠の上の 愚かな贄を 絡め取れ!!


 ルーファス王子は女がいない間に、敵を捕獲する呪術魔法陣を地面に描いていた。

 背の小さな騒がしい女は、始祖の大魔女の身内らしい。

 それなら女を呪縛魔法で捕らえ、大魔女の居場所を聞き出そうと考えた。

 カナの足元に描かれた魔法陣が白銀の光を放ちながら渦巻き、それは白い稲妻をまとった白蛇に変化する。


「なにこれ、パチパチって急に静電気が? えっ、どうしてこんな場所に白蛇が、イ、イヤぁーー!!」


 妖精族祖先還りの魔力を持つルーファス王子の使い魔は白蛇。

 使い魔を操り獰猛な狼を狩ることも出来る。

 人に使うのは禁じられた呪縛魔法だが、相手は大魔女だから手加減する必要ない。


「ハハハッ、これは我が王族を守護する稲妻の化身。さぁカンリニンよ、僕の命令を聞き大魔女の居場所を……あっ、なにをする。や、やめろぉ!!」

「このぉおお、蛇ごとき害獣はその場で処分、曳き潰すっ!!」


 稲妻をまといながら這う白蛇を、なんとカナは作業用ブーツ(ゴム製)で思い切り蹴り飛ばす。

 すると魔力結界で決して人には触れられないはずの白蛇が簡単に地面に叩きつけられ、素早く自転車に跨がり体重をかけてタイヤで蛇の躰を曳いた。


「まさか、この女に僕の魔法は効かないのか」


 自らの召喚魔法に絶対の自信を持っていた王子の顔が驚愕で歪む。


「坊や、この辺に住む蛇は毒を持っていて、噛まれたら手足がはれて大変な事になるの。今すぐ頭をかち割って仕留めるから、後ろに下がって」

「うわぁ、この蛇は僕を守護する使い魔の蛇だ。毒は持っていない、やめろ、殺すな!!」


 タイヤで踏みつけた蛇の頭を狙い大きな石でトドメを刺そうとするカナを、子供は泣きながら必死で止める。

 すると自転車のタイヤに踏まれ、苦しげにのた打ち回っていた白蛇は、みるみるうちに小さくなり細い銀の鎖に変化した。


「あれ、蛇がいない。どこかに逃げたの? 坊や、怖かったでしよ。もう大丈夫だから泣きやんで。どうして大叔母さんに会いに来たの、夏別荘で詳しく話を聞かせてね」


 カナは蛇を見て驚いて抱きついた子供に声をかけた。

 ショックで泣きじゃくる子供を優しく抱きしめたが、しかし王子は妖精族の使い魔を簡単に消滅させた女に怯え、次は自分が殴られるのではないかとあまりの恐怖に泣きだしたのだ。

 カナに拘束され抵抗できず、抱きしめられたままガタガタと震える。


 こうして白銀の王子(小)とカナは、運命的な出会いを果たした。



 ***



 夏別荘に連れてきた子供は、カナの予想をはるかに上回る奇想天外な話をした。


「母上と僕たちは、王宮から敵に追われ五日間も逃げ惑い、やっと妖精森にたどり着いた。大魔女は僕たち親子は助けると契約したが、これまで我が王国のために尽くした女官や護衛の者たちを見捨て、母と僕の二人だけ助かるなんて出来ない」

「大叔母さんが言っていたお客様って、外国のお姫様と王子様なの? しかも……クーデター絡みで国外脱出なんて、もしかて密入国で国際問題に発展する? それなら一緒に逃げて来た護衛の人やメイドさんも、この別荘でかくまう必要があるわね」


 大叔母さんは海外に知人友人が多く、王族や大統領と親交があったとしても不思議ではない人だ。

 どうやら男の子は外国の王族で、国で4クーデターが起こり大叔母さんを頼って着の身着のままニホンの妖精森まで来たらしい。


「カンリニン、僕の名前はボウヤではない。蒼臣(アオオミ)国 第一王子ルーファスだ」


 さっきの蛇ショックから立ち直った王子は、応接室のソファーにふんぞり返ってカナを見上げる。


「それではルーファス王子さま。メイドさんや護衛の人も別荘に入れてあげる。

 ただし条件があるの。王子さまは私の言うことを聞いて、仕事を手伝いなさい」


 別荘の滞在者が増えるのなら、カナの仕事も増える。

 それならこの生意気な男の子にも仕事を与え、社会勉強させようと思った。

 しかしカナの言葉に王子は顔をこわばらせ、それから神妙な面持ちで返事をした。


「では……第一王子の僕が大魔女と下僕契約をすれば、他の者たちを妖精森に入ることを許可するのだな」

「ちょっと待って、下僕契約ってそれじゃ人身売買じゃない。話が大げさすぎる!! 例えるなら私は親方で王子さまは弟子の立場よ。弟子は親方の手伝いをするの」

「なるほど、下僕契約をしなくても良いなら、僕はカンリニンの弟子になってやる。今からお前の事をオヤカタと呼ぼう」


 やはり偉そうで生意気な口調の王子に、カナは諦め顔で口元に苦笑いを浮かべた。





 親方のカナと弟子の王子は、廊下奥の開かずの間の前に立つ。

 カナが鍵穴に潤滑剤スプレーをするのを、王子はとても珍しそうに見ていた。


「鍵は開いたけどドアが重たい。これは嫌な予感がする……。王子さまはドアから離れて」


 カチャリ、ドサッ、ドサドサッーー

 物置と化した客室の扉を開くと、中に詰め込まれていた荷物が音をたてて廊下に崩れ落ちる。

 箱の一番上に乗せられていた雑誌の束が落ちた拍子にバラけて散らばり、部屋の中には段ボールや衣装ケースが積み上げられ足の踏み場もない状態だ。

 客室をガラクタ部屋にした当事者のカナは、一度に150キロまで運べる運搬用台車を準備していていた。

 廊下から玄関ホールの扉を開け放ち、外の段差は板でスロープを作り、一直線に外へ荷物を運び出せるようにセッティングしてある。


「この台車にガラクタを、ウッ重い、少しづつ荷物を載せようか」

「オヤカタ、これの動物の置物は大魔女の呪術道具か?」


 そういって王子が手にしたのは、北海道土産の鮭をくわえた木彫りの熊や、沖縄土産のシーサーの置物。さらに髪の毛が逆立ったリカちゃん人形が箱いっぱいに詰められていた。


「キャア、懐かしい、このお人形は誕生日プレゼントでもらったのよ。はっ、だめだめ、思い出に浸る暇はない。ガラクタは全部外に出すの」

「オヤカタ、これはどうやって使う。剣の形をしたランプを振るとブンブン音が出てるぞ。それに奇妙な鳥の形をしたカラクリは、ウワッ、形が変わった」


 半透明の衣装ケースの中から、テレビ戦隊ヒーローのオモチャを見つけた王子は、右手にライトセーバーもどきと左手に合体ロボを持ち、好奇心で瞳をキラキラと輝かせている。


「オモチャの遊び方は後で教えてあげるから、今は中身を出さないで。しまった、ただのガラクタだと侮っていたけど、こんなに誘惑の多いブツが潜んでいるとは思わなかった」


 異国の王子にとって、マンガアニメ大国ニホンのオモチャで埋め尽くされた部屋は心躍る宝物庫だ。

 それでも王子は途中までカナの手伝いをしたが、箱にモンスターのイラストが描かれたカードゲームを見つけてしまい、ついに誘惑に負けて遊びだす。


「仕方ない、ガラクタ部屋はワタシと親戚の子供が散らかしたモノだし、一人で何とかしよう。荷物も思ったより軽いし、気合いを入れて一気に部屋を片づけてしまおう」


 それから一時間、カナはひたすら荷物を外に出して、ようやくガラクタ部屋の床が見えるようになった。

 やはり他の部屋と比べると壁紙は所々はがれ、床はきしんで痛みが大きい。

 部屋の中をざっと見回した彼女は、廊下でカードゲームを広げている王子に声をかける。


「王子さま、そのカードゲームもオモチャの合体ロボも貰っていいから、少し手伝ってちょうだい。部屋の寸法を正確に計らなくちゃいけないの」


 カナは5Mメジャーを取り出して部屋の四隅の寸法を測り出す。


「よくよく考えてみれば、管理人バイト代の半分は別荘のメンテナンス費用かもしれない。でもワタシは日曜大工(DIY)が趣味だし、部屋をリフォームする材料選びも楽しいわ」


 ブティックで今年流行のワンピをチェックするより、ホームセンターで流行資材をチェックし、工具の性能を確かめる方が大好きなカナは、ガテン系DIY女子だ。

 薄汚れた部屋の中で楽しそうに作業するカナの姿を、白銀の髪の小さなルーファス王子は不思議そうに眺めていた。

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