第13話 隠された歴史と日記

 私は大人になり、親から何かしてみないかと言われ、日記をつける事にした。

日記

 しかし、何を書いていいのか分からない … 手始めに自分のことを書くことにした。

 私の名はアサキシ、私が住む村はおそらくこの世界で一番規模が大きい。私の家は村では1番大きく、また裕福である。父と母それに私の三人家族だ。家族の仲は良く、父は村長で私を厳しくも優しく育ててく

れている。母は私の成長を見守ってくれている。私はこの二人が大事で、とても尊敬している。私はこの家に生まれたことを、神に感謝したいぐらいだ。

 私も二人の様に立派な人になることが目標である。

 書いていて恥ずかしくなった。

今日はここまでだ。


日記

今日は自分のこと以外も書きたいと思う。

 この世界は「夢幻のまち」呼ばれ、妖怪や超常現象などが存在する。

 天狗は風を操り、鬼はとてつもない力を持つ、その他のやつも力を持つ。超能力もある。・・・書いて思ったがやはり怖い。もしかしたらそれ以上の力をもった者が現れるかもしれない。この世界は常識外なのだから。


 力とは制限が無いものである。もし圧倒的な力を持つ者が悪ならば、世界の終わりである。もし現れたのなら人妖怪一丸となってそれに向かわなければならない。しかし今現在、人間と妖怪、力を持つ者同士、どこか歩調が合ってない … どこかでまとまらなければならない。

 もし今、圧倒的な力を持つ者が現れたのなら…混乱が起き家族のとの歴史や日常が消えてしまうかもしれない。


気分が悪くなった。今後日記は何かあったことを書く。


日記

 父が病気になった。村長としての仕事は、代わりに私が行っている。父は私のことを心配したが、大丈夫だ。そんなことより、父の病気の方が心配である。

 早く治ってほしい。


日記

 父の病状が日に日に悪化していく、薬も祈祷も役にたたない。不安だ…。


日記

 父が死んだ … 葬儀は身内だけでやった。 墓は自宅の庭に作った。私も母も泣いた。

どうしてこんなこと


日記

 父が死んだ事で母にストレスがたまり、床に伏せっている。私が何とかしなければ…

私が父の跡を継ぎ、村長となった。


日記

 母が死んだ、事故によるものだ。

私の体を気遣い神社に祈りに行った帰り、階段から落ちた。母の遺体は父の墓の隣に埋葬した。

何も考えたくない。


日記

 何とか気を紛らわすため、この世界の問題について書くことにした。

この世界は人村がバラバラになっている。しかし厳しいこの世界をより良く生きるにあたって一番大きい私の村を中心に里としてまとめるべきである。それにより、いざとなった時に対応がしやすい。 

今日はここまでだ



日記

 私は恐ろしい体験をした。

 今日、私にあとじと名乗る女性が訪ねてきた。村の者でないあとじに不審を抱きながらも、家に入れた。あとじは「エルカード」なる道具を私に見せた。一見してただの紙切れなのだが、恐るべき力を秘めていた。時を操る力。空間を操る力、妖怪に変化する力。私はそれを見て言葉を失った。

 彼女はそんな私をみて、また会いましょうといい、その場から煙のように消えた。私はただ圧倒され、茫然とした。圧倒的な力を持つ者の出現 … 私が恐れていたことが現実になった。



日記

  再びあとじは私の家に現れた。私は彼女にいくつかの質問をした。

「どういった存在か」

 あとじ「この世界における無限の代行者で力を与える者、可能性の具現化、神ではなく

この世界の歯車の様な存在」


「何をするものか」

 あとじ「この世界は捨てられた者、行き場のない者、不要となった者が来る場所、そういっ

た者たちにエルカードをもとい力を授け、チャンスを与えるもの。それが役目であり存在理由です」


「与える基準は?」

 あとじ「前に進もうとするもの 生きようとするもの、善悪関係なく」


「カードを渡し何を望む」

 あとじ「面白いことが起きることを」


「カードは誰かに渡したか」

 あとじ「まだ誰にも」


「私が欲しいと言ったら」

 あとじ「あげましょう」


「お前みたいな奴は他にいるのか」

 あとじ「ええいます 終わりを与える者が」


「そいつもこの世界に来るのか」

 あとじ「来ますよ」

 今日はこんな事を話し終わった。そして彼女は音もなく消えていた。私が呼べば来るとのことだ。私の前の考えはやはり正しかった。圧倒的な力を持つ者がいたのだ、それも複数人も。

 そしてあとじは善悪関係なく力を無差別に与える。なんとかしなければ。力を持った奴に世界が滅ぼされてしまうかも知れない。そのせいで、私と家族の日々の歴史が無くなるのは、絶対に阻止しなければならない。


日記

 人間を一人保護した。そいつの名前は「アカネ」という。どうやら人間世界から迷い込んできたらしい。行き場もなく腹を空かして倒れている所を私が発見した。

 幸い私の家は大きく空き部屋もあったため、そこで生活をすすめたら喜んで受け入れてくれた。私に恩義を感じた様だ。アカネが持つ物は私が理解できない物が多く人間世界の技術に驚かされた。とくにスマホと言う物に驚いた。

 アカネから人間世界の歴史について大まかではあるが、教えてもらった。特に興味を引いたのは、原子爆弾の存在である。その力があれば、世界をまとめることができるかもしれない

 私は計画を立てた… アカネの存在も役立つ。


日記

 あとじを呼び、エルカードを貰う。

「クリエイト」「サイエンス」「アトム」「パラレル」の4枚。この力があれば、私の願いが叶う。

そして、私が世界を守りたい事をアカネに話した。勿論全てを話したわけではないが。アカネは私を信頼し手伝ってくれる様だ。

ありがたい。


日記

 私は「クリエイト」「サイエンス」「アトム」のカードをアカネに渡しこの世界に科学を与えに来た「先道師」と偽って生きてほしいと頼んだ。アカネは、世界のため、私のためならと、快諾してくれた。アカネ自身も力を手に入れたことを喜んでいた。

 どういうわけか彼女は異世界に来たことには驚いていたが、素直に現実を受け入れた。彼女は異世界転生だとか言っていた。よくある事なのか、人間世界から異世界にいくことは?。

 その後、アカネと私は人間世界にもないオーバーテクノロジーを作くり出した。もちろん私とアカネの関係をかくしながら。

先道師アカネの存在は突如現れたことにしている。


日記

 カードの力で、パワードスーツ(機械鎧)を七つ作り出した。私が一つ使い妖怪退治に使用した所、妖怪を圧倒し退治することができた。科学の武器であるパワードスーツの力が妖怪に知れ渡り私の村に妖怪は来なくなった。移動用にバイクなる物も作り出した。

 そして、それらを作り出した先道師アカネの存在は妖怪が恐れるようになった。

 ちなみにパワードスーツが七つなのは縁起がいいからである。


日記

 私はカードの力を使い、自身の細胞を操る技術を手にしたそして、自分の体に使用した。これで私は人であり、人を超えた。他生物の力を得たのだ。

 … 最近何者かが私をつけている気配がする。


日記

 人間と妖怪の争いが起きている。

 先道師アカネと科学の力によって自己の存在の消滅を恐れた一部の妖怪が人々を襲い始めた。かなりの被害がでたらしい。人々もそれに対抗し、妖怪を退治する「封魔」なるものが人々の間で、出来たらしい。

 私の村はアカネがいるため被害が出てない。そのため詳しい詳細はつかめていない。この組織のおかげで争いは長引きそうだ。しかし、私にとって好都合な出来事でもある。

世界をまとめる計画には…


日記

 先道師アカネの力の存在は夢幻のまち全体に知られるようになった。

計画成功の日は近い


日記

 どうやら私のことをつけていたのは、菫という少女であった。どうやら新聞記者らしい。どこの出版社に所属しているか調べたら、どこにも所属しておらず、独自で活動しているみたいだ。私とアカネの存在、関係を怪しく思い調べていたらしい。

計画が成功前に真実を知り、事を荒立てるのであれば始末するしかない。


日記

今日、小型原子爆弾と放射能及び放射線除去装置を作り出した。

 アカネは爆弾作る事に反対したので、カードを取り返し作成した。その後、不満を漏らすアカネに仲直りするための食事会を開いた。そこで私はアカネを毒殺し殺害。ゴミと一緒に遺体は燃やした。

 初めて人を殺したがどおってことはない。

 私と私の家族以外なんてものはどうだっていい。次の日に計画を決行する。


日記

 今日、原子爆弾を私の村以外の村で村同士の距離が近い場所にあり、妖怪のテリトリーの間に使用した。もちろん、私の村に被害が出ないように。持ち運びはパワードスーツとバイクを使用した。人と妖怪は突然の光と力に驚き大変な被害がでた。


 結果、人村は私の村だけになった。そして、私は流れ込んできた被害から免れた人、妖怪を財を持って助けた。多くの者が私に感謝した。

 人と妖怪ともに傷つき、力を落とした。両者助け合わなければ生きていけないため、歩み寄りの方向へ向かうだろう。今回の事は「大災害」と名づけられた。


 私の村に多くの人が来たため、それにともない人村でなく人里になった。私は里を管理するため 世界を守るための管理所を設立。人、妖怪を助けた私の行動を皆、喜んで受け入れた。管理所は大災害を起こしたものはアカネであると発表した。アカネは大災害と共に姿を暗ましたとして、大災害を起こした者としてやり玉に挙げることにした。多くの者が、元よりアカネが大災害を起こしたと噂していたためか、これをすんなり信じていた。


 これで人々はアカネの存在がなければ「大災害が起きない」と信じ安心した。更に私は人々に外的な力の存在に対する危機感を高めた。

 菫はこの「大災害」を私が起こしたものと知ったが、言った所でどうしようもない事に気づき、諦め絶望した。そして私の下に就き、犠牲の上で成り立った世界を守るため働く事になった。本心は何か考えているか分からんが、命令を聞いてるうちは…命は見逃してやろう。菫はパワードスーツをうまく使いこなせたため、一部のスーツの使用を認めた。


日記

 あとじが現れた。そして私の反対を無視し「クリエイト」「サイエンス」「アトム」のカード奪った。理由は私が色々な可能性を潰したからである。

 しかし「パラレル」のカードは私に残してくれた。理由は私にも可能性があり、それを考慮してのことらしい。

 あとじは何時かまた会いましょうと私に告げ、煙の様に消えた。



日記

「封魔」とやらが解散したらしい。ありがたい。厄介なものが消えた。

少数は人里で暮らすのこと。

 一部の人間が解散に反対していたらしいが、そいつの監視でもしてみようか。


日記

 妖怪たちで里を作ったらしい。私の真似事だな、だがこれを機に多くの妖怪が社会性を学ぶだろう。

一度どんな所か行ってみなければならない。


日記

 事件が起きた、エルカードによるものである。とうとう、あとじは私のほかにカードを渡し始めたらしい。

 その事件を収めたのが、了という謎の少女である。どことなくあとじに似た気配がする。了もエルカードを持ち、それで事件を何とかした、らしい。了は自分が何者であるか知らない様である。これはおそらく嘘である。

 おそらくはあとじ同様に何らかの役目がありそしてそれを悟られない為の嘘。しかしカードを使う術は長けており、管理所が身を保護することにした。


 もしかしたら此奴があとじが言っていた終わりを与える者かもしれない。性格は無感情に近い。もしかすると管理することで良き方向へ導けるかもしれない、都合が良い方に。作り出す性格は善人の方がいいだろう。

 今後事件が起きたらこいつを使うとする。何か分かるかもしれない。今後回収したエルカードは私や了が持つ方に検討する。エルカードに何か関わりがある者が持つのが良いだろう。あとじにも会えるかもしれない。


 夢幻のまちにエルカードの存在を発表し、管理所に届けた者に褒美を与えることにした。



日記

 暗闇の森に昔から人狼がいるとの情報があり調査したところ、ただの人間であり超能力者そして、エルカードを有していた。そのため、あとじとの接点及び超能力者であるため利用価値がある故に殺害まだせず、しばらくの間様子を見る。



日記

 ひさしぶりにつける。最近起きた事件は、青月事件、嫦娥事件、妖怪人里強襲詐欺、封魔辻切及び殺人事件である。

 嫦娥事件においてカードを1枚渡したが、月の民の存在、情報、技術が手に入る。問題はない。スーツの方は時間がかかるが自動で修復していく。

 それ以外は平和であるが今後どうなるか分からない。私は家族と暮らした日々の歴史を守るだけである。

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