四手目・将棋をこれから始める大人へ
ここの所、将棋の難しさばかり書きなぐってしまった気がする。たまには将棋の普及もしようかと思う。そしてターゲットはズバリ、子どもではなく、大人だ。筆者はアラサーなのだが最近まとまって将棋をする機会に恵まれて、将棋との向き合い方や将棋から得る物も随分変わった。
私は高校生のころに将棋愛好会に入って将棋のドツボにはまっていった口なのだが、当時は十代ということもあって「強くなりたい」という野心は大いにあったし、そのスタンスは大学に入ってからも大差なかったように思う。こういうスタンスを持ってる人は大いに結構だし、奨励すべきことだ。しかし大人になってから将棋を始めると聡い人ほどわかっていると思う、子どものころから情熱を持って取り組んだ人にはかなわないし、将棋は孤独な競技という側面もある。人とつながるだけならもっと別のことをやったほうが良いかもしれない、と。
しかし僕はそれでも将棋傍らにあることは価値あることだと感じるようになった。プロでもないし、お金にもならないがそれでもいいじゃないかと。というのも将棋の実力は違えど、真剣さという意味では初心者でも有段者でもプロでも大人でも子どもでも変わらない。相手を間違えてなければ(実力が違いすぎると何も感じない。しかしネットで丁度いい相手を見つけることができる)、結果として残るのはルールで定められた確かな勝利か、健全な敗北だ。それは誰のせいでもなく、すべてが自分の責任と判断のもとの結果が返ってくる。
つまり私はどんな人でも結果に一喜一憂できる真剣さを持ち込んでいれば手にできるものがあると考えている。それは愛や友情と同じぐらいありふれていて、感じ続けていたいと思ったり、気持ちを注ぐに値するものになりうると思う(同じぐらい他人から見ると無駄に見えるが)。この手の物に子どももそうだが、大人も同じかそれ以上に飢えているのは見聞きするし、かつどうすればいいかわからないでいる気がする。将棋、お試しあれ。
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