第6話 朝を過ごす
白い光に照らされ、目が覚めた。
部屋の外からカラカラと乾いた葉が転がるような音がする
薄ら目を開ければ窓から侵入した彼の頭黒い頭が目の前を遮り光が遮られた
「我がライダーよ。ブランクよ」
まだ微睡みの中にある頭に声が重く響く。
昨夜飲みすぎたりなどしていないはずなのに頭痛がそれをさらに助長させる。
簡素な部屋で音を立てる魔時計の音が甲高く聞こえるほどだった
時計?
時間を確認する。
「寝坊だ……!」
「そうだな。そして便りも読み損ねた」
便り?一体誰が?
彼が回覧板に目を向け、自分の成したミスにため息を吐いた
息が酒臭い。
「さて、ライダー。吉報と凶報どちらから得るか?」
慌てて靴を履く僕に彼は問う
正直今は急ぎたいから聞きたくなどなかったが、彼を相手にしないと間に合わせられはしないだろう
そもそも顔が窓から部屋へ進入して来たところで彼を無視できなくなっているが…
「急ぎの方から」
「正解だ」
彼の鼻が鳴る
「騎士団が来る。あと2刻ほどだ」
「竜騎士と竜術師は?」
「いないが、馬で来る」
「いない……。了解」
ドラゴンがいないということは彼だけに隠れて貰えばいい
せっかく逃げ出したんだ
もう少し逃げたところで変わりはないだろうから逃げのびてやる
僕は彼の鼻先を押して、先に行くように伝える
行き先はいつもの川場だろう
あそこは入り組んでいて調査団も好んで入らないと聞く
僕はその彼を見送って、頭痛をに顔をしかめながら畑へと急いだ
うまくやり過ごせると踏んでいた
ドラゴンさえいなければ騎士団は何の脅威でもないのだから。
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