第2話 星の下の話
切り立った崖の上から見る夜空
輝く星が月が暗すぎない闇を作り出す。
眼下には村の明かりが見えて、時折辺りに住まう生命が息をする
「星ってどんな風になってるんだろうね……」
僕が彼に声をかけると、辺りを支配していた闇が震えた
僕の赤い夕陽のようなオレンジの髪も震える
「見えるだろう?」
「見ないよ」
僕と同じ紫の、けれど違う闇夜に光る紫色の瞳が開く
「君と契約してドラゴン・アイを使って見たくないんだ」
彼の目を手で覆った
「なるほど相変わらずお前は変わり者だ」
パートナーだと嘯いて、契約はせず絆で力を補完しあい、力を使わないなどと言ったり
彼の声が僕を笑い、僕はそれをくすぐったく思った
「君の力は本当に必要な時しか借りないさ」
「それは結構。だが、それは何時だ?」
目隠ししていた頭がスルリと抜けて、僕を見下ろす
「新名を得た者。我がライダー、ブランク……お前は何を恐れている?」
「君が僕から離れること」
「お前は何者だ?」
「君のライダー」
僕は彼の目を真正面から受け止めた
彼の口が開かれ、生暖かい空気が揺れた
頭にはいつもの低く地を這うような声が響いた
「お前は私と共に生きる道を探すのだろう?」
けれどそれは古から続くものではなくて
もっと違う、共に生きると言う事
だからドラゴンライダーの掟も何もないここまできた。
帝国の支配が薄いこの地へ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます