第10話 特別であるためには
答えを返されればゲームセンターから恭二が立ち去るのを神奈は微笑して見送った。
「……少しは骨があると思ったんだがな。こんなもんか」
ホワイトファントムが様子を見に来るといや、と神奈は首を横に振った。
「まだ、分かりませんよ」
「だがこれまでこの壁を越えたやつはいないだろ?」
「これまでの話ですから、これからは分かりませんよ」
そうであってほしい、という願いももちろん、神奈の中にはあった。
だが、戻ってくるように神奈には感じられたのだ。
これまで挑んできたものは皆、どこか遊び半分だった。神奈目当てで来るのは論外として、ゲームであるから当然の反応だ。
だが、恭二は理由は分からないが彼らと違って本気でゲームに臨んでいたように神奈には見えた。
「いつもどおり放置か?」
「ええ、自分の意思で戻らなくては意味がありませんし、声をかけてもどったところで強さの底は見えます」
「そんなもんか、まあ、なんだ、戻ってくるといいな」
「ええ」
そう返して、神奈はゲームセンターの中へと戻っていった。
先ほど返された言葉はやめるでも、戦うでもなく"待っててください"というものだ。
その言葉を信じて今は待つしかない。
そう分かってはいるが、何とかしてこちら側に来てもらえないかと動きたくなる衝動を抑えてアバターギアの筺体へと並んだ。
土曜の朝の公園。
早朝という時間もあってか人は少ない。そんな中唯一のバスケットコートを使用する男子が二人。
恭二と勇介だ。二人は中学校で使っていたジャージに身を包み向き合っている。
リズムよくバスケットボールが跳ねる音が恭二の側から響く。
1ON1だ。
恭二が後ろへとドリブルをすると距離を詰めるようにして勇介が僅かに出てくる。
恭二のバスケでのポジションはガードだ。
全体を見て、パスやロングシュートを狙うというよりは機を作って点をかすめとるようなプレイスタイルだ。
体の動き、声、視線 音、使えるものはルールの範囲内で使い、相手を引っ掛けていく。
アバターギアと同じ戦い方だ。
対して勇助はセンスと勢いに任せ、ゴールとボールをただただ狙っていく動き。分かりやすい動きだが、鋭さと身のこなしが軽さが尋常でない。常に気を張っていく必要がある。
そのためにまず、距離を取って考える間を作ろうとするが。
――距離を稼げない。
舌打ちを一つ、恭二はした。
考える間を作らないように、勇介は距離を詰めてボールを奪おうとしていくことで考える間を潰す。
視線でけん制しつつボールを取られないことに集中する。
「そうそう簡単に元チームメイトの得意の距離にはもちこませねえって」
「なるほどな」
言いながら恭二は前へと出る。
脳裏を過ぎる昨日の敗北の記憶が過ぎって以前の様な動きの鋭さはない。
それでも、と恭二は前へと進む。
左からの加速、停止、そこから勇介の脇を抜こうと試みる。
強引な方法だ。
「相変わらずやることがせこいんだよ」
勇介の悪態を聞き流して、恭二は急停止するが勇介は動きを止めない、ゴール前を守るためにそのまま動く、恭二は舌を打って強引に走ってゴールを目指す。
狙うのは走り込んでからのディフェンスの上からのシュートだ。
いわゆる、スクープショットと言われる技だ。まず、入る事のないシュート、それでも狙う。
半ばでたらめとも言えるそのシュートは淡く弧を描きリングにぶつかった。
それを見れば勇介は小さなガッツポーズを、恭二はやれやれと肩をすくめて。
「あれを狙おうとするのはすごいと思うぞ」
「試合じゃ、滅多にやれないけどな。その前に止められるし外すし」
ゴールの裏手にあるベンチへと腰かける。公園の時計は勝負を始めてから30分の時を刻んでいた。
「っで、どういう風の吹きまわしだ? いきなり土曜の午前から1ON1なんて」
「色々考える事があってちょっと原点に立ち帰ろうと思ってな」
先日の神奈の問いに恭二は答えを出す事が出来なかった。
――勝つためにはどうすればいいのか。
改めて自分は凡人であるという事が思い知らされた。
どんなに劇的な出会いであったとしても、内容がたかがゲームであっても自分の能力は平平凡凡だった。
――自分が特別な人間である。
そんなことはないと悟っていつつもやはりは期待はしてしまった。結果は昨日の通りだ。結局、物語の主人公のように特別な才能がなかった。
昨夜はどうするべきかと言う事を考えたが答えが出ずにこうして勇介に手伝ってもらっている。
「難しい事は分からないけど、聞く事はできるぞ」
「その気持ちだけで十分だよ」
置いておいたスポーツドリンクを恭二は口に含む。
――俺は、何がしたいんだろうな。
何かが出来ると思ってあの世界へと考えなしに跳び込んで、けど、何もできなくて。逃げるようにここに来て、勇介に答えを求めた。
「自分が何したいのか分かんなくなってきてな」
胸中を勇介へと話してみるとむうと勇介は唸って首をかしげ。
「なんともまあ若者らしい悩みで……フィギュアいるか?」
「お前じゃないんだからそれでどうにか出来れば苦労しない」
「フィギュア一体あるだけある程度悩みは解決できるぞ、心に潤いを。その子に相応しい人間であろうと活力をくれるんだぜ?」
「そこまで器用じゃない」
「じゃあ、したいことすればいいんじゃないか? まだ高一だろ」
「したいこと、ゲームに全力投球な女の子に追いつきたいってどうよ? ぶっちゃけて」
その言葉に勇介はきょとんとした顔をした。
「それが何かおかしいのか?」
「……端から見たら馬鹿馬鹿しくないか? それで本気になろうってのは」
きょとんとしたまま勇介は首をかしげて。
「そこで悩むのがよく分からないぞ。端から見たらなんでもかんでもそりゃあ本気なものは違うだろうよ……俺がやってるバスケにしたってゲームにしたって見る人が見れば馬鹿馬鹿しいって思うだろ? 別にバスケやらなくたって死にはしないし、勉強してた方がよっぽど有意義ってやつもいるだろうさ」
「そりゃあそうだろうけども」
「何が大事か、何したいかなんて別に犯罪じゃなきゃ何でもいいと思うぞ?」
ふああ、と勇介はあくびを一つ。
彼にとってはそれぐらい当たり前の事ということだ。
「お前は、何がしたいよ?」
「俺はあの場にいたいでもって一人のあの人をどうにかしたい」
「なら、いけばいいだろ。けど、とか、だからって思うけどもそこにはいたいんだろ?」
「いや、そんな簡単に――」
「ゲームだぜ? やりたいと思ったらやる、楽しければ尚の事、それ以上に理由はいらないだろ」
恭二の言葉を遮って勇介は言葉を続ける。
「……俺も考えなしでいってるけど。なんつーかそれだけ気になるなら、もう少し続けてみたらいいんじゃないかって思うけどな」
「だが、あの場にいるのは力不足なんだよな」
「なら強くなるしかないな……ああそういえばあの先輩についての話し、先輩に聞いてみたぜ」
そういえば先日聞いてみると言っていたなと思いながら恭二は話の続きを促した。
「神奈先輩は春海じゃ。影の有名人でな」
影なのか有名なのかどっちだよ、と思うが恭二は半目で聞き流した。
「めちゃくちゃ勉強も運動も出来てそこそこにもてる、文武両道のお嬢様。だけどもよく三年の先輩達とつるんでよくゲーセンに足を運んでいたんだと」
「それはまたなんでだ?」
「先輩の誰かが好きだった、とか。噂はあったけどプライベートで付き合ったりってことはなかったみたいだぜ……しばらくして先輩達は卒業、日野先輩は一人になったわけだ」
一人で戦い。そして相手がいなくなって一人になった。
昨日話した通りの事だ。
――最強であり孤独。それはどんな気分か。
恐らくは悲しいよりは、つまらないといった気分だろうと推測する。
だから、相手を求める。
「そして、どうやら先輩は今月末には海外に行っちまうらしい。ちょっとはやる気でたか?」
「ああ」
やはり、放ってはおけない。
その思いが恭二の頭をよぎった。
出会ったのは最近の事で。ゲームに熱中していて。正直、お節介かもしれないし馬鹿な事だというのは百も承知の上だ。
「……やっぱ、独りの女子が相手を求めてるのに放ってはおけない」
「ま、それが男子ってやつだな」
うんうん、勇介は感慨深げに頷く。なんとも、いい雰囲気だ。
--だがやることはゲームで女先輩をぶちのめす算段だ。
「何か手伝えることはあるか?」
「強くなるための方法……イメージが重要だって言ってた。己の強いイメージが力になるって」
「なんともアニメ的な精神論だな」
「俺も言っててそう思う」
どん、と自らの胸を勇介を叩いて。
「だが、任せろよ。ここにいるのはオタクでお前の親友。何とかして見せるぜ」
ニッと勇介は歯を見せて笑む、それは恭二にとって心強い感じさせるには十分なものだ。
ファミリーレストラン、ファミレスへと神奈は足を運んでいた、待ち合わせのためだ。
この特別区であってもファミレスの形は前時代から大きく変わる事はない。
せいぜい注文の形式がタッチパネルによるものが増えたことぐらいだろう。
目当ての席を見つければ席へと着いた。周囲はまだ昼前ということもあって人の入りもまばら、こういった話をするにはちょうど良い時間だ。
その席にはホワイトファントム、ダンデライオンをはじめとするゲームセンターの常連ら6人らが既に揃っていた。各々適当な飲み物を置いている。
金髪ピアスの男に、恰幅のよい二重あごの男、スタイルの良いボブカットの女子など一見して何の集まりか分からない異様な空間が出来上がっていた。
アバターギアのプレイヤーたちは群れる事はほとんどない。リアルはリアル、ゲームはゲームと割り切った関係だ。
こうして皆が揃って話し合うのはボードウォーの時ぐらいのものだ。
「急に呼び出してすまなかったね、エンプレス」
「エセ騎士、武蔵台側から宣戦布告というのは本当ですか?」
席に着きながら神奈が問いかける相手は先日、武蔵台の動きについて話してくれた痩躯にメガネの男、エセ騎士とこのゲームでは呼ばれている者だ。
「ああ、あの夜に連絡したみたいだね。さっき店長から連絡があった……二日後にはボードズウォーがはじまる」
ボードウォー。それはアバターギアのプレイヤー達がいつしかはじめた遊び方だ。
その日は指定された区内はゲーム盤に見たてられアバターギアの筺体は貸し切りとなり事前にゲームセンター側に登録されたプレイヤー以外はプレイできない。
他の地域のプレイヤーらと闘い最後に勝ち残った者達の数で勝敗を決する。
己の力を示すための遊びだ。
勝った者には強者として認められるだけのイベント。
昔は全国で一斉に行い最強を競い合っていたが、今ではプレイヤーの減少に伴い現在では一部の区内にあるチーム同士の戦いとなっていた。
「誰がどの店にいくか、だな。指定された場所は三軒、数は9だったか?」
「それであってるよ……こっちが現状動けるのが7人か」
いや、と神奈は口を挟む。
「後二人。動ける者を知っている。そうすれば三人ずつの配置でいいだろう」
「ノワールと赤狼か? 前者は信用できるけども後者は経験不足じゃないの?」
ボブカットの女子、秋姫が怪訝な視線を向けてくるが神奈は気にしない。
「来なければこないでいいだろう。どっちみちそれ以上の戦力がいるか?」
その言葉に対して返す言葉は無言、それは肯定の意だ。
「エセ騎士、配置を。二人には私が連絡しておきます」
「分かった分かった。二人のことも考えた上で配置をさせてもらう。その前に相手の戦力について伝えないとね」
春、それは出会いと別れの季節だ。
この戦いに置いても影響は受ける。
入学、引っ越し、引退。
それらの影響を受けて戦力の内容は変化する。
「相手の構成はクイーンが一体、ナイトが三体、バンデット一体、ガーディアンが三体、ソルジャーが二体。うちバンデットとガーディアンにルーキーがいるね」
「随分な変化だな、ナイトの一体は『御前』か?」
ホワイトファントムの言葉に確実に、とエセ騎士が頷いた。
――御前、か。
出された名前に神奈は思い出す、いくたびも刃を交えたクレイモアとは別のもう一人のライバルとも言える相手を。
戦いのたびに心が躍るそんな相手だ。
「……よほどやり合いたいみたいだね。エンプレス」
「当り前だろう、私と勝負できる相手は少ないのだから」
秋姫の呆れの混じった言葉に揚々と神奈は返した。
「彼女もやる気満々みたいだよ。……きつい相手だけど頼むよ、エンプレス」
「望むところだ」
言って、神奈は自らのカップを手にして口に運ぼうとする。
「赤狼への連絡を任せてもいいかな?」
その手を止めた。
――彼は戦いの場に戻って来れるのか?
「……分かった」
ただ、信じるしかない、彼が戻る事を。
「どうかしているよな。お前」
そう、恭二は勇介を呆れの表情を加えて評した。
「何がだ?」
「思いだけで本当にどうかしてしまうんだから」
「けど結果的にはなんとかなっただろ?」
「……そうだけども」
恭二達がいるのは春野台から少し離れた武蔵台のゲームセンター、そこに置いてあるアバターギアの筺体前だ。
武蔵台のゲームセンターと違い地下にあるため若干アンダーグラウンドな雰囲気がそこにはあった。
つい先ほどまで勇介の家で話しをし、考えた事をまとめた、対エンプレスへの戦略を試すためにこうして離れた場所へ来たという訳だ。
「これでいけそうか?」
「確実、とはまだ言えないがこの間よりはいい勝負が出来るはずだ」
即興にしては上出来という手応えを恭二は得ていた。
勇介と考えた策を用いた結果、アーケードモードをあっさりクリアしたのがその結果だ。
その手応えを忘れないうちに再びゲームに戻ろうとすると。
「恭二に、勇介……なんでここに?」
不意に聞こえた声に恭二と勇介は顔を向けた。
そこにはショートの黒髪に白のブラウスに明るい茶色のスカートの小柄な女子だ。
この場にいるのは似つかわしくないそんな印象を彼女を知らない人間ならそう思うだろう。
だが、恭二達は彼女の事を知っている。
「奏じゃないか。お前こそなんでここに?」
「何って……ゲームをやりに」
「まあ。それ以外ないわな」
「何のゲームを?」
恭二の言葉に奏は罰の悪そうな表情で視線を背けた。
「アバターギア」
ぽつりと答えた。
彼女は城川奏。恭二達の中学時代の悪友であり、ネットでは名前の読みを変えた”SOU”として、そこそこに人気のあるイラストレーターである。
そして、かつて、恭二が告白した相手だった。
「付き合ってる時間がないってこのことか?」
「お恥ずかしながら……」
「まさかお前もプレイヤーだったとはな。なんで隠してたんだ?」
やれやれと奏は肩をすくめて。
「女子で噂になると面倒だから、君達に話すとすぐ噂になりそうだしね」
今でもネット上の学校裏サイトなるものは存在はしている。学校側も
「そんな話さないってよ、せいぜい話したのは胸のサイズと寝相の悪さと――」
言葉を遮って、奏の右フックが勇介の脇腹へと突き刺さった。
相変わらず見事な急所への攻撃だ。呼吸がままならず、勇介は膝を突いた。
「てっきり二人で部活を続けていくものかと思ったけど、今日は休み?」
「まあ色々あってな……その、プレイヤーだってなら一勝負するか?」
うずくまる勇介を無視して恭二は話を続けた。奏は首を横に振って。
「ごめんね、今日はもう帰るから……誰にこのゲーム教えてもらったの? 勇介?」
「日野先輩つっても分からないか、エンプレスってんだけど分かるか?」
エンプレスの名を出すと片眉を僅かに奏は上げた。
「ええ、良く知っているわ。というよりこの近辺のプレイヤーで知らない人はいないんじゃない?」
「そんなにすごいのか。まあその人と色々あってプレイしている」
「そう、それならまたいずれ会うかもしれないわね、相手になれば、だけど」
「自信アリ、だな」
「私はそれなりの腕前だと思ってるから。またね」
そういって、奏はその場を後にした。
恭二はそれを見送って一息。
――まさか振られた相手にこんな形で会うとは。
「たそがれてどうしたよ?」
「いや世の中狭いもんだな、って思ってな」
「学生の世界の広さなんてたかが知れてるだろ」
いやいや、と笑う勇介に確かに、と恭二は返す。そこでGパンのポケットに入っているスマートフォンが着信を伝えるバイブレーションが響く。
差出人を見てみると神奈からだ。ゲームセンターの中から出て通話ボタンを押した。
「もしもし」
『突然の電話すまないな……明日は空いているか?』
なんとなく、雰囲気が違う事に首をかしげる。
「ええ、暇ですが」
『もし、君にその気があるのであれば。明日からのアバターギアの試合の様なものに参加してもらいたい』
「試合?」
電話越しに首をかしげると。神奈が説明してくれる。
概要としてはこうだ。三つの指定された店舗にて三体三の勝負。そこで所属チームが最後まで勝ち残った者の数で競う。
――面白そうだ。
「俺でいいんですか? 未だ、俺はそっち側の人間には至っていないと思いませんが」
『君には可能性がある。と私は見ている……もちろん応えるかどうかは君次第だが』
その問いかけにしばらくの沈黙が生まれる。
壁を感じたあの時がどうしても頭から離れない。
「正直、俺、どうしようって未だに考えています。ゲームにかまけてて本当にそれでいいのか? って、頼まれてのゲームなんてそれこそ必死にやるものじゃないって」
「否定はしない」
「けど先輩たち見てるとそれだけじゃないって思えて来て――」
自分でも何を言ってるのかわからなくなってきている。ただ意思は伝えたい。
「この先、何があるのか知るためにも、今後もやらせてもらいます、それとお願いがあるんですが――」
「分かった、いいだろう。空けておく」
それじゃあ、と神奈は通話を切った。
神奈がいるのは公園のベンチだ。
その表情は晴れやかなものだ。恭二が先日の挫折を乗り越えたことと、これから実力をつけていくであろうこと。
そしてボードウォーだ。
「楽しい事が続くな」
続けて彰のスマートフォンへと通話をかければ2コールして繋がる。
「私だ」
『その電話の言い方はどうにかならないものかな……何の用?』
「明日は予定空いていたな? ボードウォーがあるとだけ言えば分かるだろう?」
『参加しろってことだね……まあいいよ。俺も少し慣らしておきたい」
「思いのほか、あっさりと引き受けるのだな」
『少し思うところがあってね』
彰のふくみのあるような言い方に小首をかしげるが追及はしない。
「場所はエセ騎士が考えているところだ決まったら改めて連絡する」
『了解……久々だから戦果は期待しないでくれよ?』
「何、平気さ。かつて私達と一緒にいて競い合う仲だったお前なら並の相手なら敵ではない」
『だといいけどもね。それじゃあ、また』
通話を終えた。
後に残るのは公園の静寂のみだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます