第3話 ポケモンずかんをかんせいさせるのでござる
「そのかわり、殿にやってもらいたい事があるでござる。」
「何ですか?」
僕にとっては中々嬉しい石装をしてもらったために、脳裏に凄く困難な「やってもらいたい事」とやらが浮かんできた。ゾっとしてきたから考えるのを止めた。
「全てのジュエモンを集めて欲しいのでござる。要するに、ポケモン図鑑完成!みたいな事をやってもらいたいのでござるが... あ、貧乏だからテレビとか見ないしゲームとかやらないでござるか?知らないであろう。すまないでござる。」
なんとも失礼なやつだ。僕だって一年前は普通の生活をしていたし、好きでこうなったのじゃないのに!第一そんなこと言われたって、ジュエモンなんて何種類いるのかわからない。ジュエモンが何種類いるかなんて、人類の永久の課題なのだけど。
それにしても少し奇妙だ。と、いうのもだ。ジュエモンの研究が進まない原因は不思議な生き物というのもあるのだろうが、ジュエモンの研究に関わった人が全員...
「で、いいでござるか?」
つい考え込んでしまった。変な事を考えるのはやめておくが吉だ。そう思って、僕はやはり考えるのを止めた。
「えーと、何種類くらいいるんでしょうか」
「100種類程度でござるよ」
「人間もまだ調べられていないのに、何で知っているんですか?」
「拙者がジュエモンの王であり、ジュエモンを作った神であるからわかるのでござる。今までにジュエモンの研究をしようとした人間を全員殺したのも拙者。ジュエモンの事をあまり知られたくないのでござる。でも殿は殺さないでござる。」
背筋が凍った。こういうサイコパスからは... うーん、逃げよう!w
そうして全速力でジュエリンクとは反対方向にがむしゃらに走ったが、例の超能力的なもので連れ戻された。ヤバいな、殺されるかな、息の根を止められるかな、脳天をかち割られるかな。
「こらこら、逃げられては困るでござる。人を殺したのも反省しているでござるよ。とりあえず殿には旅に出てもらうでござる!!」
殺されないでホッとしたが、こいつは僕の境遇を見て分からないのか。旅に出るお金なんて全く無い!
すると、ジュエリンクはそれを感じっとったようで
「お金がなくても大丈夫でござる。衣食住、全て拙者が用意するでござる。旅に出れば、の話でござるが。」
「あ、なら行きます」
それならいった方がいい。ここで暮らしていても、衣食住なんてクソほどしか揃わない。
「ありがとうでござる。では、そのみずぼらしい服を冒険服に変えるでござる。」
そういって僕に光線を当てると、確かにちゃんとした服に変わった。
「どうも」
「ほら、さっさと出発するでござる!」
服をじっくり見る暇もなく、超能力ではるか遠くの草原に飛ばされた。
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