第7話

「偽羅、起きて事件が起きた」

「事件?なんだ」

「学園に立て篭もられた」

「誰に?というか学園長も生徒も居ないのに何が目的なんだ」


偽羅は千里眼を発動して学園を見た。たしかにかなりの数が学園内を彷徨いている。

色んな服の奴がいるな。テロリストだけじゃないのか?


「テロリスト三十名警察二十名自衛隊二十五名だね」

「テロリストと警察や自衛隊って組んで大丈夫なのか?」


テロリストと警察や自衛隊が組むって前代未聞だぞ。どんだけ潰しにきてるんだよ。学習しないなー。たかがこの程度で、怯えて大会出ないとでも思ってるのか?悪いけどお前らなんかの一つなだけであって本当の目的は、大会に勝利して世界から俺の望みを叶える為に権力を頂く事だ。てか、それが出来るあの大会って色々とやばそうだな


「どうする?学園奪還する?」

「放置で良いだろう。被害も出てない、学園を壊そうとしたら近くの自衛隊基地や警察署を攻撃すれば良い」


偽羅は千里眼で近くの自衛隊基地や警察署を探していた。自衛隊基地が二つと警察署が四つぐらいか。かなり多いがテロリストがウロついているって警察は無能か?


「テロリスト達はどうするの?」

「そいつらは放置だ。どうせテロリスト共は殺されるのを恐れてそこに居るだけだろうからな」

「数で威嚇しても意味ないですよね。大軍用武具ロンゴミニヤドがありますし」

「あぁ、でもあれを使う必要は無いな。500人の軍勢を吹き飛ばした武具をあの程度の数じゃあ使うに値しない」


偽羅は千里眼で外を見ながら答えた

戦場を知らない者達が戦場仕込みの殺気を感じればすぐに逃げるだろう。てっ、なんか後ろで殺意が見え隠れしてるけど誰かな?


「戦領学園?またやってるの。それに1週間くらい前のやつもまさか?」

「あぁ、そうらしい、リーラルが戦領学園を監視してたから間違えない。摩耶さんとりあえず落ち着いてくれません?戦領学園は、大会で倒すんですから」

「分かった。落ち着くよ」


摩耶は深呼吸を行なっている

心臓に悪い。なんだ、戦場にいた時より恐ろしい殺意だったんだけど摩耶を怒らせたら死ぬぞこれは、シャレになんねぇーって

偽羅は千里眼を解除して深呼吸を行なった


「偽羅大丈夫?汗が凄いよ」

「あぁ、大丈夫だ。摩耶ってあれほど怖いのか。殺気で殺されると思った」

「怒りは人を変えるんですね。腰が抜けて動けないんですけど」

「それ同意する」


カナンとユカは、座り込んでしまっている

何百と生きている魔女ですら恐怖で腰が抜けるって摩耶何者なんだよ。戦領学園の奴等は殺されないか?俺たちでは止めれないな


「なぁ、お前の姉さんはこれほど怖かったのか?」

「違う。姉さんは怖くなかった。怒っても怖くはなかったよ」

「じゃああれは、あいつ自身の殺意なのか」

「そうだね。って動きがあったよ」


リーラルが学園の状況を説明した

学園では警察や自衛隊などが武器を持ってきて居たようだ。それと何人かが合流しているらしい


「増えたのかよ。どれくらい増えたんだ」

「警察が三十名自衛隊が十名増えた」

「なんで増やすんだ?千里眼で見てみる」


偽羅が千里眼で学園を見る

学園の様子は、まるで戦争でも起こすつもりで銃や魔具などを集めていた。

そこまでする必要が無いはずだろうが何をそんなに恐れている?俺たちだけにこんな数を、いや待て、カナンやユカがこの近くにいる事を知っていたなら学園を拠点にカナン達と俺たちを一緒に叩く事を考えていれば人質が居なくても行動している事が納得できる


「俺たちだけでなく、カナンとユカも狙われているぞ。お前達を殺すのを手伝う代わりに俺たちの始末を頼んだのであればこれほどの数を集めてる事に納得出来る」

「危険分子はまとめて潰してしまえばいいからね」

「だがまぁ、良い。放置しておこう。ちょうど2人もここにいる。ここは結界で許可が無いと入らないからな」

「安全でいてこの場所は快適」

「バレたところで精霊武具全種類がここにあるし全魔導書もあるから人間が勝てる筈が無い」

「魔聖シリーズもあります」

「なぁ、リーラルもしも人が攻めてきたらあの魔具使って良いか?」

「世界でも滅ぼすつもりかな?偽羅」


リーラルは偽羅を魔導書で叩いた。

いっ、たいなー、魔導書で叩いてはいけない筈なんだけど物理的な攻撃をしてはいけない筈なんだけどなぁ

頭を抑えながら偽羅が答えた


「違う。牽制さ,あの魔具の力を知れば人も攻め込んでは来ないだろうから軽く使うだけだ」

「軽くでラグナークの力を使おうとしないでよ」

「攻めてこなければ良いだけだろ。ゆっくりと相手の動きを観察して行動しよう」


偽羅はあくびをしながら答えた

食糧の供給を邪魔するのも良いが下手に動くと勘付かれそうだからな。こちらも下手に動けないから耐久戦だな。相手が我慢出来ずに動き出したら潰しに行こう


「そうだねってあれどれくらい放置しとく?」

「そうだな、2回目の大会前までは放置してて良いと思うけど千里眼で様子見ながら決めるか」

「そうだね。大会までは、学園には誰も登校しないからね」

「分かった。順番で見よう」


リーラルが千里眼を解除して眠りにつく

偽羅はそれを確認してから千里眼を発動する

1週間程度は行動を起こさないだろうな。時間が経てば経つ程相手は、不利になる。どんなに武器を集めようと人を集めようと精霊武具には勝てない

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