第183話 04.アクセル王の出した条件

「もう一つ条件がある、ティアナとの結婚だ。」


「王様!お言葉ですが、エルフの、しかも王家のティアナ様が人間と結婚するなど!


 子供は混血になります!


 それはいかがなものかと!」


「私はそういう考えが嫌いなのだ!


 この事件の発端は何か調べはついているのであろう!


 ディートとマリアンネが結ばれなかった事だ!


 二人が結婚できていれば、こうにはならなかったはずだ!


 もうそういう古いしきたりはうんざりだ!」


 王様は横を向き、気持ちを落ち着かせて、話をつづけた。


「それに、ティアナはお前のことを非常に想っている。


 お前が立ち去ってから、ずいぶんと泣いていたようだ。」




 ティアナとの結婚…。




 一度は恋焦がれたティアナ。


 大好きだったはずなのに、結婚といわれ正直困惑する。


 今は恋愛とか結婚とか毛頭なくて、ただただノーラ王妃を倒すことで頭がいっぱいだ!


 こんな時期に結婚なんて…。




 王様にティアナと結婚といわれ、真っ先にナナちゃんの顔が浮かんだ。


 ナナちゃん、元気にしているかな。


 別れを切り出した僕に、心配する権利なんてないと思うが…。


 世間の目が怖くて、家から出れなくなってしまった自分が情けなくて、かっこ悪すぎた。


 あんなに可愛くて良い子が、僕なんかが彼氏ではない方が良いという思いが強くなった。


 現実世界にいる君に、頑張っている姿を見せられないのが残念だけど、呪いに苦しむ人々を助けたいんだ。



 僕ってバカだな。


 もうナナちゃんとは別れたのに。


 自分自身、なにやってるのか分からなくなってきた。




 僕は、王様の結婚の条件を飲んだ。


 ノーラ王妃を倒すには、ティアナの助けが必要だ。


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