第152話 21. 深夜の森

 どうしよう、壮太君が毒にやらてしまった。


 ドラゴンアイとロータスの実っていう薬草を取ってくるように言われたけど、分かんないよ…。


 

 いったん、壮太君の周りに結界石を置いた。


 これで、コカトリスくらいのモンスターなら、この中に入って来れないから大丈夫。


 

 あぁ、どうしよう、このままじゃ壮太君が死んじゃう!



 あたりを見渡すと、遠くの方で煙が上がっているのが見えた。


 私たちのような旅人が焚き火をしているのだと思う。


 ポイズレス(毒消し)を分けてもらえるかも!


 ポイズレスがなくても、ドラゴンアイとロータスの実の事を知っているかもしれない。


 とりあえず、あそこに向かおう!



●●●


 焚き火の方に向かおうと決めたはいいけど、ここは夜の森。


 昼間よりも強いモンスターがでるし、エンカウント率も高い。


 

 アンフィスバエナが現れた!


 

 さっそくモンスターに遭遇してしまった。


 頭が二つある蛇で、それぞれの頭にするどい角がある。


 俊敏には自信があるのだけど、私なんかよりもずっと速い!


 猫のままだったら倒せるけど、人間に戻ったら対応できる速さじゃない!


 

 

 なんとかギリギリで攻撃をかわせる。


 防御力はあまり強くないみたいで、オステオスペルマムの剣が当たれば、結構あっさり倒すことができた。


 はやく焚き火の場所に到着しなければ。


 もう8時を過ぎていた。


 今日は3か月に一度のシングルムーンの夜。


 そろそろ人間に戻ってしまう!


 お願い!!!まだ猫のままでいさせて!!!


 ここで人間になったら、モンスターを倒せない!



 でも、シングルムーンは冷酷だった。


 私の体は、人間に戻ってしまった。



 モンスターにエンカウントしないように逃げながら、焚き火の方に向かわなきゃ!


 私は全速力で走った。



 

 アンフィスバエナが真正面に現れ目が合ってしまった。


 攻撃の構えをしている!


 あぁ、エンカウントしてしまった!



 アンフィスバエナは攻撃態勢に入っていて、今逃げたら危ない!


 剣を構えて、攻撃に備える。


 

 でも、アンフィスバエナは素早すぎて、攻撃を避けられない!


 人間じゃなくて、猫だったらよけられたのに!


 腕や足に攻撃があたり、血が飛び散る。


 

 くっ!




 オステオスペルマムの剣を振るうけど、全然当たらない。


 も、もうダメ…。



 足元にあった木の根に躓き転んでしまった。


 

 そんな隙をアンフィスバエナは見逃さなかった。


 突進してきて、頭の角を私に突き刺そうとしている!


 も、もう避けられない!!!


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