「僕が何故こんなことを頼むのか」


少年はとても少年とは思えないような、

狂気ともいえる笑みを浮かべ話しました。


「僕は魔女に、世界で一番冷酷だと言われる魔女になりたいのです。」


そんなことを言われた女性はどう返したらいいのかわからず、戸惑ってしまいました。


「僕は人の気持ちがわからない。わかろうと努力しても、それが実ることはありませんでした。ある程度パターンを理解はしました。しかし、何を考えているのか、どう思っているのかは全くわからないのです。ましてや自分が何を考えているのかすらわからない。」



だったらいっそ誰も近づかない、人の心などわからなくていい魔女になればいい。



そう言った少年の顔は何も映していませんでした。

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