その手は憎悪に塗れて 玖
キルト。「羽織りを探すにしろまたあの街へ行かなきゃならない、はぁ。」
緋紅「…あ?羽織り?」
夜緋「そう言えばキルト。姉さんいつもの羽織りは?」
キルト。「緋紅に食べられた。」
そう言い放って鹿の肉へと箸を伸ばす
緋紅「んな?!なんで俺があんな羽織りを食べなきゃならないんだ!つ~か食べ物じゃないだろう!」
なにくそとキルトへギャーギャー騒ぎ立てた
キルト。「あ~あ~煩い煩い。口の中にものを入れたまま喋るな汚いから。」
キルトはシッシッと緋紅に近づくなと手を動かす
夜緋「緋紅ダメじゃないかいくらお腹すいたからって姉さんの羽織り食べたら…。」
緋紅「そして夜緋はどこまで本気にしてんだ?あ?」
まぁまぁ落ち着いてと夜緋は緋紅の肩を叩く
キルト。「少し夜緋の冷静さ見習ったらどうだ?」
緋紅「なんで見習わなきゃならないんだよ。」
キルト。「…素直なこの方が護りたくなるからだよ~。」
夜緋「じゃあ俺はキルト。姉さんに護ってもらえるね。」
キルト。「あぁ勿論ちゃんと護って…」
『じゃあ、俺が……を護るから!ずっと一緒に居れるように約束する!』
ズキッ
キルト。「いっつ…!?」突然の頭痛と頭に広がった言葉この声は自分??
突然の出来事と頭痛で持っていた箸を落としてしまった
緋紅「おい、大丈夫かよ!?」
夜緋「大丈夫?!」2人が心配そうに寄ってくる
キルト。「大丈夫…少し部屋戻ってるごめんね、片付け後でやっとくから。」
フラフラと立ち上がった
夜緋「片付けもやっとくから早く寝て?」
緋紅「後で水持ってくからよさっさと寝てくれ後はやってとくから。」
キルト。「ありがとう。」壁に手をかけながら部屋へと歩いていく
夜緋「最近姉さんのああゆうの多いと思わないか?」
緋紅「…疲れてんのかはたまた意図的にやられてんのか。」
キルトが入っていった部屋の入口を見つめる2人
キルト。「…なんだ、昔…の記憶?でもあれは確かに俺の声、誰に向かって…。」
仰向けになりながらボーッと考えてポツリと呟いた
キルト。「…殿。」そんな名前を口にした途端にキルトは目を瞑り
何も無かったかのように眠りに落ちかける
そうだ起きたら新しい羽織りを街で探しに行こう
そんな事を思いながら意識は遠のいていった
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