今は亡き想い 壱


暗く冷たいコンクリートの部屋

本当の兄弟かも分からない

ただずっと俺らは2人で生きてきた

クソみたいな実験台にされ痛みに耐え苦しんでも

俺らが離れることは無かった

多分これは昔の記憶で今はそんなクソな事もなく自由に飛び回ってる

でも、何か足りない痛み憎しみ快楽が足りない

愛(憎悪)が足りない物足りないもっと欲しい

夜緋「緋紅そろそろ帰ろう。」

ぐちゃぐちゃと鹿や猪の内臓を掻き回しては臓器を潰してる緋紅に夜緋が話しかける

緋紅「帰ってもつまんないだろ?でもただの獣をぶっ殺しても、もう面白くないなぁ。」

鹿の頭をぽーんと放り投げる

夜緋「食べないのに無駄殺しはあんま勧められない。」

緋紅の動きがピタッと止まる

緋紅「あぁ?だったらお前が俺の遊び相手してくれんのかよ?」周りの空気がザワザワと動く

夜緋「…緋紅になら別に俺は殺されてもかまわない。」真っ直ぐに緋紅を見つめる

緋紅「はぁお前のそういう所変わんねぇってかペース乱されるってか…勝てねぇわ。」

夜緋「緋紅は本当は優しいから。」

緋紅「うるせぇ優しさなんて何処にもある訳ねぇだろが。」頬についた血を手で拭う

緋紅「折角だしこれ飯に使えばいいんじゃねえの。」

夜緋「そうだねキルト。姉さんにもわけてあげよう。」

緋紅「要らねぇとか言われそうだけどまぁ俺ら拾ってくれたし悪いお方では無いんだろうよ~クソ怖ぇけどさ。」

夜緋「…緋紅はキルト。姉さんが好きなんだね。」

緋紅「巫山戯るな!誰があんな短気な女!」

夜緋「ちゃんと女性って思ってるんじゃないか。」

緋紅「ぐっ…さっさと持って帰んぞ!」

緋紅はそそくさと猪と鹿の1部を剥ぎ取り袋へ詰める

夜緋は微笑みながらその後ろをついていく

今夜の夕食は賑やかになりそうだった


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