あの日から刻は動かず 質


柊「いっ……」ボタボタと左眼から赤い液体が垂れてくる

左眼をやられた眼球までは届いてないが柊の左瞼には2本の爪痕が残された

イツキ「柊、しっかりしろ…眼がやられたな。」

柊「見えないや困ったな。」拭いても拭いても止まらない

緋紅「ちぇっ抉るつもりがカスっただけだったや、つまんないの。」尻尾をぶんぶんさせている

夜緋「今のよく痛いで済んだな、死神と居るとそいつまで死神になるのか?」

イツキ「お前ら。」

柊「イツキ落ち着こう?のせられたら相手の思うつぼだよ。」左眼を押さえながらイツキに寄りかかる

緋紅「楽しもうよ折角2匹と2匹で遊べるんだからさ。」


???「何処が2匹と2匹だって?」

全員が声のするほうを向くそこには

ザキさん「うわぁ、なんかめんどくさそうな事に頭突っ込んじゃってる感じが凄い。」

口から煙を吐きながらザキさんが歩いてくる

蒼「めんどくさいって…ザキさんが行こうって言ったんじゃないか。」

横には蒼までいた

ザキさん「シー!そういうのわざわざ言わなくていいから!」

緋紅「何だこいつら。」夜緋「仲間を呼んだのか。」

ザキさん「あ~勘違いやめてね?僕は猪を狩りに妖山に向かってたら変なのが2匹こっちに向かってるの見て美味しそうなご飯を柊にとられちゃう~と思って…」

蒼「心配だから行こうって来たんじゃないか。」

ザキさん「……。」

柊「…ザキさん。」ザキさん「…という訳で来たわ。」

イツキ「どういう訳なんだ。」

蒼「4匹と、2匹だね?どうするそちらのお2人さん。」

夜緋「緋紅。」緋紅「はぁ~ついてないついてない流石に分が悪いから今日はいい子にして帰ろっかな~っと!」拾った石をザキさんへと勢いよく投げる

ザキさん「遅い。」パシっとザキさんは腕だけを動かし石を軽々とキャッチする

ザキさん「今は夜だ、いいか僕の目をあんまり馬鹿にしない方が痛い目見ないぞ。」

鋭い目付きで2人を睨みつける

夜緋「行こう緋紅。」緋紅「つまんな、またね柊くん☆あと死神おじいちゃんもね~」

瞬く間に2人は森へと消えていった

柊「ごめん、ありがとう2人共。」

ザキさん「柊、その眼はアイツらにやられたのか。」

イツキ「俺が付いていながら…すまない。」

イツキは申し訳なさそうに僕に鼻を擦り寄せてきた

蒼「応急処置だけになるけど、薬草採ってくるね。」

ザキさん「鈍臭いな、柊。」

蒼「ザキさんよりは鈍臭くないと思うよ?」

ザキさん「うるへぇ!」口にタバコを咥えて火をつけながら薬草を探しに走って行く蒼へ反論するザキさん

イツキ「2人には感謝する、ありがとう。」


ザキさん「けどまぁ大狼だったとはね。君昼間のイケメンでしょ?死神が柊となんで居るかは…まぁ探らないでおくけど。」

柊「イツキが大狼ってのは内緒にしていて欲しい。」

ザキさん「言うわけないし言えるわけないだろ。君が人に頼み事するくらい大事な事なんだろ誰にも言わないし蒼も分かってる。」


今日のザキさんのタバコを吸ってる姿はなんだかかっこよく見えた


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