あの日から刻は動かず 伍


殿「キルト。って誰、だっけ。でも私あの人に会ったことある?…ううん絶対会ってる。」

殿は走ったおぼつかない足取りで

あの人のもう見えない背中を

…いつか見たキルト。の背中をもう1度見つける為に走った


巴「殿はん、何急いで走ってはるん?」

いつの間にか街の中心まで走ってた

息を切らして巴に話す

殿「あの、巴さん!短髪で帽子被ってて、はぁ和服の羽織りもの羽織った人を…見ませんでしたか?!」

巴「…その人がどうかしたのか?」

殿「私、多分その人知り合いで…で、でもなんか思い出せなくて。」

巴「その人は妖山に住んどる人じゃ。」

殿「妖山…」

妖山には街を出ていき戦いを好む血の気の多い獣人が住まう

女の子1人が行っていい場所ではない

巴「あかんで、あんさん1人が行っていい場所じゃないさかい。妾は行くのは勧められん。」

殿「でも、私…」

なんであの時すぐに追いかけなかったんだろか

殿は歯を強く噛み締める

殿「また会えるよね。きっと。」


~妖山~

キルト。「なんで覚えてないんだ…なんで俺だけこんなに、、こんなに憎い気持ちでいっぱいなのに。」

???「何だか荒れてますなぁ姉さん。」

??「街で何かあったのか?」

キルト。「うるさい今俺に構うな、失せろ。」

紅い瞳で2人を睨む

???「おお~怖い怖いまるで呪い殺されそうだ。なぁ夜緋(よあけ)。」

右手の肘から先が黒い獣の腕、右眼は紅くその上で前髪をピンで止めてポニーテール

猫のような細い尻尾に

右腕にはバイオマークが付いている少年が隣にいる少年を夜緋と呼ぶ

夜緋「本当だよ緋紅(ひぐれ)。」

夜緋と呼ばれた少年は左手の肘から先が黒い獣の腕、左眼は紅く髪の毛は少し長めでぼサッとしていて

狼のような尻尾に左腕にはバイオマークが付いている

2人の服装は入院患者が着るような服だが、所々は汚れ破れている

緋紅「キルト。姉さんは虫の居所が悪いみたいだなぁ?俺らで“散歩”にでも行くか。」

夜緋「そうだね、自分のその案に乗ったよ。」


キルト。はしっしっと

野良猫を追っ払うように2人を外へ追い出した

緋紅「3人で“散歩”の方が楽しくなると思ったけど、あの様子だと俺らが喰われそうだ。」

愉しそうに話す

夜緋「緋紅はそういうの少し控えればキルト。姉さんにもっと相手してもらえると思うけど。」

緋紅は高笑いしながら“散歩”へ緋紅と向かった




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