あの日から刻は動かず 壱


ひたすら歩くこの

彼岸花が咲いたどこまでも続く荒地を

彼岸花以外何もなく誰もいなく風もない

でも何だか懐かしい

もうこのまま自分も花の1部になってしまいたいくらい…

地面に寝っ転がり空へと手を伸ばす

雲ひとつない空

それは青空ではなく紫色をした不思議な空


今まで見た事無いはずの色なのに何故か

見たことあるような

何でかな、この彼岸花いつから咲いてるのかな

僕はいつからここに居るのかな


僕は…僕のいつからお母さんはいつから居ないのかな……


目尻から熱い熱い何かが流れ落ちる

お母さんって、何だろ


???「オ前ハ、オ母サン二捨テラレタンダヨ。」

イツキ「柊!」はっと目を覚ます

身体中に滲んだ嫌な汗あれは夢?

イツキ「お前うなされてたぞ、大丈夫か。」

額の汗を手で拭く

柊「うん大丈夫なんか、変な夢を見てただけだから…」

イツキ「なんかあったのか?」

イツキが珍しく心配そうな顔をしているそんなひどい顔を今はしてるのかと感じた

柊「何もないけど、少し経てば良くなるよきっとお酒の飲飲みすぎだねこれ。」

周りを見ると異常な数の空になった瓶

獣人とはいえ人間と同じようお酒の強さも様々

殿はというとすやすやと寝ている

イツキ「1番最初に寝ていたよ殿。」

柊「イツキは変わらず1番最後か。」

イツキ「あぁ、そうだな。」頭をわしゃわしゃされる

柊「子供じゃないんだからそーゆーのはいいよー。」

イツキ「俺からしたら子供だ。」


殿が寝ている間にあの人の所へいこう

あれを届けなきゃね




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