枯れればまた咲く 拾


柊「ザキさん声大きすぎ…」

柊は耳を塞ぎながらザキさんに言った

息を切らしながら

ザキさん「あ、あのな、人の事を弄っていいのは弄られる覚悟がある」ツンツン

蒼がまた脇腹を鋭い爪でつつく

ザキさん「はぅんっ?!蒼!もう、お願いしますから猪狩り行こう?折角の夜なんだからね?」

脇腹を抑えながらもタバコは口から落とさない

蒼「はーい、じゃ柊さんまた街の方で会いましょう!いってきまーす。」

ザキさん「柊またな、酒がまずかったら僕は一生ヒキニートしてやる。」

2人は仲良く猪を探しに消えて行く

柊「まるで、嵐だったな…」


イツキ「ここに居たのか。」

柊が歩いてきた方からイツキと殿が居た

柊「あ、あれ?2人共どうして」

殿「どうしても何も貴方の少しは1時間なんですか?心配しましたよ、こんなに手も冷たくなって。」殿が僕の手を握る

いつもひやっと冷たいその手が今はとても温かい


柊「…うん、そうだね。ごめんね2人に心配かけて。」

殿「分かってくれれば私はそれだけで十分。」

乱れた襟を直しながらそう言ってくれた

イツキ「今後このようなことがないと約束出来るなら、俺も許そう。」

柊「分かったよ、晩酌まだ終わってないよね?」

殿「寧ろ貴方が居ないのに始まるわけがないでしょ?」

3人で森を仲良く並んで帰る

いつも帰るのはあの工場廃棄

今日帰るのは温かい街の中である


~妖山~


??「ふん、人間ごっこなんてしやがって。虫唾が走る。」

???「…あんまりそんな事言うなよ。別に悪い事では無いだろう?」

??「街の奴らは誤魔化せても俺は誤魔化せないからな“死神”今に待ってろ。」

???「とりあえずまだ様子見だね、ところで“あの子”はまだなーんもわかってないみたいだね。今までの行動を見てるとさ。」


??「見てて哀れだ、そして醜い。」

2つの紅い光がゆらゆらと妖山から消えていく


妖山では獣人の街に馴染めず

血の気が多い獣人が集まっている

故に、微かに血の匂いが漂うとか…



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