枯れればまた咲く 弍


イツキ「お前、また軽くなったか?ちゃんと食ってるのか?」


僕を背中に乗せながらのそのそと歩くイツキが僕に話しかける

柊「失敬な!食べておりますとも、こう見えて沢山食べるの知ってるでしょ~」

イツキの毛をふわふわと触りながら僕はそう答えた


イツキ「ふっ…まぁそうだな、俺が一番それを見てるからなよく知ってるさ。」

柊「昨日のカエルの鍋美味しかったなぁ、又食べたいなぁ~」


僕はわざとイツキの耳元で叫ぶ

イツキは耳をピクピクと動かしながら

イツキ「んぁああ!うるさい!耳元で叫ぶな…カエルくらいまた獲れる今度な。」


柊「カエル獲るのも楽しかった!また行こうねカエル獲り。」


イツキ「…おい、流石にカエルばっかりは俺が嫌だぞ。」

柊「え、ダメ?」

イツキ「当たり前だろ…」


ゴウッと音を立て一瞬強い風が2人に吹く

暖かい風だ

柊「ちぇっ…って言うのは嘘~お鍋だと脚先も温まるから助かるだけだよ。」

そう言いながら自分の脚をみる


僕の奇形は脚が狼の形になってる事

もっと詳しく言えば膝から下が狼

袴からチラッと見えるこの脚が僕の奇形の証拠


イツキ「そうだな、お前の冷え性は1年中続くのが困るな。」

柊「好きでこうなったんじゃないんだよなぁ」


脚をさすりながら

呟く、もうすぐ2人は〝奇形の獣人〟が集まる街へつく

余りここには来ないが生きる為の行動

街の人に飼われてる牛が僕らを見つめながら一声鳴いた


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