合唱サークルのイベント(前編)

今月の15日に、公民館のイベントがあって、シニアの方々に歌声を聞かせておりました。

非常に、感動しました。

みんなで一緒に歌うのが、こんなに楽しくて崇高なことだったなんて!

なにより、みんなの顔がかがやいている。


12:30に集まって練習、という話だったので、少し早めに着いて会場を見ると、すでにソプラノの重鎮Dさんが着替えていました。

 本番は13:30から。1時間まえから本番用の舞台服に着替えてるんだから、張り切ってる。ちょうど12時頃に終わるお琴のサークル会員から、『その衣装いいから写真に撮らせて』とガラケーを差し出されて、Dさん、恥ずかしそうに撮されていました。


 着替えがはじまり、お互いの服のチェックをしたあとに、本番さながらの練習をひととおりします。

 30分ばかり練習した後、ナレーションの変更や、先生の最後の歌への注意とかが入ります。

 そしていよいよ13:30。

 本番がはじまりました。

 まずは、公民館の館長からご挨拶があり、このイベントがポイント事業に含まれていることを話します。

 それから、うちのサークルの会長から、うちのサークルの歴史と指導の先生である湯山先生の経歴や実績などを紹介します。


 湯山先生が、東日本大震災のチャリティーをしていたとは知らなかった。

 それに、イタリアでもチャリティーをして、白十字から盾をもらってるというのも知らなかったなぁ。

 あと、難聴者のためのボランティアもしているらしい。

 かなり忙しいひとみたいですね。そんなエネルギーがどこから出てくるのやら。


 イベント内容は、シニアの会からリクエストのあった、13~14曲の歌謡曲・演歌・童謡などを選んで、50名ばかりのシニアさんと歌う、というもので、歌が大好きなひとが集まっています(でも音がはずれまくってるひともいたけど……)


 なかには、公民館のゆるキャラ(全国で戦ったあと、人気第四位を獲得した愛らしいキャラクター、らしい)のキャラクターデザインをしたひとも参加しておりました。このかたは知的障害を持っていて、すこしばかりひととは違っていました。才能のあるひとは、やはりどこか違うのです。


 それはそれとして、前半6曲を歌い終えると1時間経ってしまい、10分休憩の後、うちのサークルのミニミニ・コンサートを実行したのでした。


 本番直前まで厳しく指導されていたおかげで、本番ではドラマチックに、かつ繊細に、ひとを飽きさせない歌が歌えたと思います。

 聞いているひとたちが、いつのまにか一緒に歌い出してきて、それが部屋中を、まるで歌の生き物のように息づきます。キラキラ輝く瞳と、大きな口。ほほが真っ赤になっていて、夢中になってる。


 わたしは、いつしか、なみだが出てくるのを感じました。歌を通してひとと交流するのは、これが初めてってわけでもないのですが、こんなにダイレクトに反応が返ってくるのが不思議だったし、少し怖かったし、それに誇らしくもあったんです。

 このサークルで、いちばん若いために、いろいろからかわれたり甘く見られて泣いたこともありますが、やっててよかったと実感しました。


 最後の曲が終わり、みんなで一緒に歌う残りの数曲も終わると、

「是非お願いします」

 公民館のひとに頼まれて、湯山先生が独唱します。

 さすがプロ!

 声量が違うし、美しい声でした。 

「調子が悪い」

 とか言ってたけど、毛ほどに感じさせません。

 歌った曲は、「フニクリフニクラ」と、「オーソレミオ」でした。


 すべてが終わってみると、夢のようでした。

 長いサークル活動で、いちばんよかったですね。

 明日は、このイベントのシニアたちの反応と、新しいイベントの話です。

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