第46話 僕の学園祭はやっぱりライブ?いや、今回は違う事をしたいです

 浅倉柊介の居る二年三組。そこでは放課後、学園祭で

する催し物を何にするかを考案中だったが

ほぼ全員やる事は決まっていた。

 そう、本物のプロのミュージシャンの柊介の

ライブだ。


 去年も同じだったが、今年のはプロという

本物が演奏する。

 それだけで他には何もいらなかった。


「じゃぁこれでいいのか?」


 先生が決断しようとした時だった。本人の

柊介が待ったをする。


「あの、他にやる事は」

「ないよ」

「ああ、ないな」


 クラスの大半がうなずく。すると神崎が

わってきた。


「ねぇそんなお決まりの事やっても

つまらないんじゃない」

「でも、浅倉はプロだぞ」

「だから無理なんでしょう。プロに演奏

してもうらうならお金が発生するわよ」

「あ!?」

「いくら学校の事でもそこはきっちり

しているだろうしね」

「でも、せっかくミュージシャンが

いるのに」

「ああ、もったいないよな」

「だったら、そのミュージシャンが

音楽以外の事をしている姿をみたいって

おもわない?」

「た、確かに」

「そういうのもありなのかな?」

「まぁあとは本人しだいだけどね」


 神崎が柊介を見る。


「・・・えっと、僕はライブ以外の事を

やりたいです。何をするかまでは

考えてないですけど」

「だったら、お決まりの喫茶店とかに

する?それとも他の事?」

「ちょっと考えさせてほしい」


 その日は結局決まらなかった。柊介は

ゆいに何をやればいいかを柊介の家の

お風呂の中で一緒に考えた。


「そうね。私は柊介がいればなんでもいいけど

やっぱり、ライブもみたいからね。まぁ

あとはファンの子達が何を見たいかって

事かな」

「そうだね。自分が何をしたいかも考えて

決めなきゃいけないし」

「まぁ柊介が決めた事なら私は何も

文句はないからね。それより上がろっか!

部屋でエッチしよ」


 二人は部屋に戻り、遅くまでエッチした。

 翌朝、柊介はあまり眠れなかったが

ふとやりたい事が思いついた。

 それを、昼休みの時間、クラスの皆に

話った。


「あの、僕ファミレスをやりたいです」

「ファミレス!?それって結局普通の

喫茶店ってこと?」

「そうかもしれない。教室とかじゃ出せる

メニューは少ないだろうけど、でも

ただの喫茶店じゃなくて少し本格的に

やったら他のクラスとかとは違うと思うんだ」

「確かに、本格的にならそうだけど」

「ああ、うちらでできるのか?」

「それなら考えがあるから大丈夫だけど

あとは皆が賛成してくれるかだから」


 クラスメイト達は沈黙した。そこに

神崎が割り込む。


「いいんじゃない。でも、準備とかも

大変だけど、仕事と一緒にあなたは

できるの?考案者が一番動かなきゃ

いけないのよ?」

「わかってる。そこはちゃんと調整する

から。どうかな」

「まぁ浅倉がそれでいいなら」

「そうね、あ、ねぇ浅倉くんは料理できるの?」

「い、一応ね。まだファミレスでバイトも

しているし、家でもするようになったから」

「そうなんだ。ならいいかも」

「うん。ファンの人に料理を作って

もらうなんていいじゃん」

「じゃぁそれでやろうよ」


 こうして柊介のクラスは本格的

ファミレス風をやる事になった。

 柊介が考えがあると言ったのは当然

自分の働き場所であるガストレアだ。

 柊介はその事を佐伯と店長に相談した。


「面白そうね。店長、やらせてあげましょう」

「そうだな。うちの宣伝にもなるか。まぁ

いいだろう。制服とか色々かしてやるよ」

「ありがとうございます。あと、めぐみさん

にはうちにきてもらって料理の方を皆に

教えてもらえるとうれしんですけど」

「私でいいの?厨房の人達じゃなくて」

「ハイ。お願いできますか?」

「わかったわ。あなたの頼みだもの。ちゃんと

引き受けます。いいですよね店長」

「ああ、教えて来い。そんでちゃんと

店のアピールもしてこい」

「わかりました」

 

 そうして柊介ガストレアに協力してもら

得る事になった。

 それから放課後に、佐伯が柊介のクラスに

やってきて、実際に店で出しているメニューの

作り方や、接客の方も教えた。さらに、柊介には

もう一つ、サプライズでやってみようと

思っている事もあるようだ。

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