第44話 僕と咲夜の最大ライブデビュー!

 ここはアリーナ会場。役三万という人がこのアニフェスを

見に来ていた。

 そして、出演者は超有名な声優からこれが初めてと

いう新人まで様々で、その中の一人に柊介が居た。


 咲夜と一緒に出るのは後半だ。大人数でのライブな

為、時間は五時間を超える。

 その折り返しの大事な所で二人の出番が来る。


 ライブ開始から二時間程が経過し、もうすぐ

柊介達の出番になる。

 控室にいる二人。あと三組後なので準備をする。


「じゃぁ行こう柊介」

「ハイ。なんとか頑張ります」


 二人は同じ衣装を着ている。ユニットの名前も

決まっていてそれをこの場で発表する。

 つまり、今回のライブで一番のサプライズに

なるのだ。

 そして、二人の前の組、高山がステージを

終えて二人に近づいてきた。


「じゃぁ後よろしく。浅倉くん頑張りなさい」

「あ、ありがとうございます」


 二人はステージに上がる階段の前に立った。そして

曲が流れ、ステージに上がる。

 ステージ上のライトが咲夜を照らし、周りを

暗くする。

 そこから一度音が止まり、咲夜が歌う。サビを

歌い終わり、そこからまた音が流れ、柊介の

姿も映し出された。

 それをゆい達は客席の方で見ていた。


「本当にステージに立ってる」

「ああ。まさかこんなにすごい事をするとわな」

「本当ね。最初会った時はすごく地味で

大人しかったのに」


 香澄達は柊介と会った頃を思い出していた。その

間も曲は進み、今の曲は咲夜の代表曲だ。

 会場内はテンションがマックスだ。そこから

咲夜の曲が二曲続いた。そして、その歌も終わり

一度静まり返る。

 ライトが再びつき、咲夜がトークをする。


「さて、大いに盛り上がっているな。ここからは

今日の後半が始まるがみなは疲れてはないな?」


 咲夜の声に反応するファン達。


「よろしい。それでは次の出演者だが、柊介前に」


 と、呼ばれた柊介は緊張しながら咲夜の

隣に向かう。その間、会場がどよめいていた。

 ここには当然咲夜のファンも多く、柊介の事を

知っている人達も居た。

 後ろの巨大モニターに柊介が映し出される。


「それでは紹介しよう。我々、クロスソウルを」

 

 ユニット名が告げられると会場はさらに

どよめく。


「この度、私咲夜と、そして、私のファンの

間では知っている者は多いな。私の後ろで

演奏をしていてくれた彼、柊介と二人で

ユニットを組み、デビューする事が決まった!

つまり、彼はこれが初デビューにして最大の

ライブステージだ。それでは柊介あいさつを」


 咲夜の前に出る柊介。去年までの自分からは

考えられない光景に当然動揺はしているが

それと同時に責任感もわかっている。

 緊張しながらも柊介は話し出した。


「初めまして。クロスソウルのキーボード

柊介です。この度こんな大舞台でデビュー

する事が決まり、うれしく思ってます!」


 柊介が話している間会場は静まり返っていた。


「という事で、こんな僕ですが、これから

よろしくお願いします。それではその二人の

デビュー曲を皆に聞いてもらいたいと

思います」


 そう言って柊介はキーボードの前に戻り

演奏を始めた。生演奏に会場はまだ

静かだが、柊介が鍵盤をバンっと大きく

音を出し叩いた。

 そして、スピード感があふれる音が

流れると会場はそれに合わせてまた

盛り上がった。

 そこから咲夜が歌い出す。


 どうやら二人のユニットは受け入れられて

くれた様だ。

 そうして、曲が終わりを迎える。ライブ

特有の何度も繰り返すサビのインストを

流し、そして、その曲が終わった。

 二人は手を振りながらステージを下りた。


 ステージ裏で柊介は咲夜に抱き着いていた。


「緊張した」

「お疲れ柊介。よかったね受け入れてくれて」

「うん。やってよかったよ。こんなに

緊張したけど楽しかったし」

「よかった。でも、これからは楽しいだけ

じゃないけどね。色々あるけど最後まで

二人で頑張りましょう」

「ハイ。ありがとう咲夜さん」


 そうして二人のライブは終わった。柊介は

ライブ後、咲夜も一緒にゆい達と打ち上げを

した。もちろん普通のファミレスでだ。

 その翌日、柊介達の事がテレビでも

とりあげれら、柊介は本格的に有名人に

なって行った。


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