第42話 僕達のコミカルフェスが終了する。
二日目、柊介達は買い物をしていた。昨日は売り手側
だが、今日は買い手側なので楽しんでいた。
香澄やめぐみ達はさすがにこれなかったが三人でも
十分に楽しめる。
色々と買い物をして午後、柊介は二人に行きたいところが
あると行って二人を連れて行った。
そこは去年、知り合った成宮さやかのいる会社の
ブースだった。
「柊介、ここってもしかして」
「うん。ゆいさんも好きなN・P社のブースだよ」
「へぇここが二人がいつも言ってる会社」
「うん。えっと」
柊介は周りを見渡した。すると、見た事がある
姿を見つけた。
「あ!成宮さん」
「?あ!キミ、去年来てくれた高校生」
「ハイ。浅倉柊介です」
「そうそう。やっぱり今年も来たんだ」
「ハイ。実は昨日も来てたんですけど、昨日は
販売の方をしてましたから」
「もしかして参加したの?すごいじゃない」
「ハイ。それで、その僕達が作ったゲーム
なんですけど、もらってくれますか?」
「おお自分達で作ったのか。すごいじゃん。じゃぁ
もらっとくね。それと、そちらの二人がもしかして」
「ハイ。えっと、こっちが楠洋子ちゃんです」
「どうも。楠です。二人からいつもこの会社の事
聞かされてました」
「そうなんだ。私は成宮さやか。ここのゲーム
デザイナーをしてるわ。それであなたが」
「朝比奈ゆいです。その柊介の恋人です」
「!?恋人!やるじゃん少年」
「い、いや。その」
「あの、成宮さん。これって今度出る新作
ですよね」
「そうよ。これはデモ版だけどね。今日はこれの
宣伝みたいなものだから」
「み、見ていいですか?」
「いいわよ。なんか目が輝いてるわね」
「あの、成宮さん。ゆいさんこの会社のファンで
ゲームを作るきっかけもここのゲームなんですよ」
「そうなの?じゃぁ彼女がメインで作ったの?」
「そうですね。僕は音楽とかを作ったくらい
ですけど」
「なるほどね。じゃぁ今度うちの会社に
来てみる?東京にいるならこれるし」
「いいんですか?」
「ええ。あとで他の人にも伝えておくから。こんなに
熱心なファンがいるって事もね」
「ありがとうございます。あの、それでですね」
柊介はゆいがデモを魅入っている間に、ゆいの
事の夢を話した。
「それはすごいね。自分の会社を作るなんて!
私はその会社に入っただけで満足したのに」
「そうですね。ゆいさんは本当にゲームが
好きだから、それを作るのが楽しんですよ」
「そうね。楽しいから私もゲームに関わりたいって
思ったからね。よし、じゃぁゆいちゃん」
「ハ、ハイ」
「よかったらうちでバイトしない?今、募集
してるんだ。まぁデバッグっていう仕事なんだけど
ゆいちゃんならわかるかな」
「ハイ。あの、バイトもいいんですけど、私
来年就職しようと思ってるんです」
「来年、じゃぁゆいちゃんは三年生だね。それで
どこに?やっぱ大手のゲーム会社?」
「あの、できればここに」
「うちに?それはうれしいわね。うちって
まだそこまでメジャーじゃないから、中々新入社員
とかってとれないのよね。やっぱり大手に
皆行きたがるから」
「そうですね。でも、私はここに入りたいと
思ってるんです。それで、そこから卒業して
いつか自分のゲーム会社を作るのが夢です」
「いいねそういうの。わかった。それも話しておくよ!
そのうえでさ、バイトもしてもらえると助かるけど」
「ハイ。お願いします」
「よし。じゃぁ連絡先教えておこうか。浅倉くんもね」
「ありがとうございます」
ゆいはうれしそうに成宮と連絡先を交換した。その
後、企業ブースを見て回り、二日目を終えた。
洋子は柊介の部屋に一緒に行く。
「ゆいさんうれしそうだね」
「ええ。だって、好きなゲームも買えたし、それに
その会社の人と知り合えたなんて。でも、柊介も
もっと早く教えてくれてたらな」
「ごめん。それで、バイトはするの?」
「もちろん。そして、そのまま社員になりたいわ!」
「ゆいさんならなれるよ」
「ありがとう。じゃぁ柊介にご褒美あげる」
柊介にキスをして、そのまま朝まで泊まったゆい。
そうしてコミカルフェスも最終日になり、この
日は二人だけだったのでデートになった。
その間、たまに咲夜のファンに見つかって
サインを求められたりもした。同人誌やゲーム
以外でも、コスプレのイベントを見たりした。
去年とはまた違ったフェスを二人は十分に
楽しんだ。
そして今度は柊介自信の最大のイベント
アニフェスライブが近づいていた。
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