第25話 僕と学園祭⑤ 皆と学園祭デート!?
翌日、学園祭最終日、柊介達は他のクラスの物を
見わる事にしたが、何かおかしなことになっていた。
それは、皆でという事だったが、何故か今
洋子と二人だけで回っていた。
「本当に皆で回らなくてよかったの?」
「大丈夫、結果的にはそうなるから」
「?」
理解できてないまま洋子と一緒に三十分程
見て回った。
「じゃぁここで待っててね」
「待つって?」
「いいから」
そう言って待っているとやってきたのは
ゆいだった。
「朝比奈先輩!?」
「お待たせ。じゃぁ行こう」
「あの」
「何?」
「他の皆は?」
「ああ、それはいいから。行こう」
「?」
柊介はますますわからないまま、ゆいと一緒に
回った。
そしてまた時間が経ち、ゆいと別れる。
「じゃぁ次だね」
「先輩」
「・・・あはっごめんね浅倉くん。実はね」
ゆいは柊介が困ってる顔を見て話してしまった。
それは、前日、ライブが終わった後、ゆい達は
集まって話し合っていた。
学園祭というイベントでのデートを柊介と
しようと。でも、抜け駆けをしたりするのは
気が引けるので、それなら一人ずつ柊介と
デートしようという事になった。
「そ、そうなんだ」
「まぁそういう事だからじゃぁよろしくね」
ゆいが離れ、次にやってきたのは奥井香澄だった。
「やぁ。すまないね面倒な事をして」
「い、いえ。でも、僕なんかとしていいんですか?」
「ああ。皆キミとしたいからこうしているんだよ!
もちろん私もね」
香澄は大人な感じだと思っていた柊介だが
その香澄は柊介にくっついたり手をつないだりと
積極的に近づいてきた。
「さて、時間だな。本当にすまないな」
「いえ。まだちょっと信じれないですけど」
「そうかもな。でも、私達はキミを好意に
思っている。それは覚えておいてくれ」
「!?」
香澄は柊介の頬にキスをした。柊介にとっては
初めての事だった。
それから咲夜も来てデートをする。
二人は見回り終わると屋上に向かった。そこなら
咲夜も帽子を取ったりできるからだ。
「今日はありがとう浅倉くん」
「いえ、僕なんかでよかったら。でも、なんか
不思議な感じですね。今まで友達もできなかった
僕なのに」
「そうだね、いつ人の人生が変わるかなんて
わからないからね。私も中学までは普通だった
けど、高校に入って、アニメと出会って歌にも
興味が出てきたからね。そこから人生はすごい
変わったよ」
「そうなんですか。じゃぁ僕も変われるかな」
「ええ変われるわよ。もう変わってるしね。今の
浅倉くんカッコイイわよ」
「僕がですか?」
「ええ。もっと自信持ちなさい。私達もそんな
浅倉くんをみたいからね」
「!?」
咲夜も柊介にキスをした。そうして四人と
デートをした後、佐伯や成宮とも合流し
学園祭の終わりを楽しんだ。
夜、柊介がバイトをしているファミレスで
打ち上げの様なモノをした。佐伯もスタッフ
ではなく一緒楽しんだ。
そうして全員家に帰り、柊介も部屋で学園祭の
事を思い出していた。
「こんなに楽しいのは初めてだな。やっぱり
もっと前向きにならないと。でも、調子に
乗るのもよくないだろうからな。難しいな」
そんな事を思いながら柊介は普段はあまり
やらない恋愛ゲームをした。
翌日は学園祭の後片付けをし、早くに
終われたので柊介はバイトに向かった。
今まで少しシフトを減らしていたので
今日からまたいつもの通りにバイトに
入る。その柊介は今までと違ってテキパキと
自分から仕事をするようになっていた。
それを見て他のスタッフも柊介に
驚いていた。
時間になり控室で着替えて、事務所に
入る。すると、店長から話しかけられた。
「お前、だいぶ雰囲気が変わったな。何か
良い事でもあったのか?」
「ハイ。まぁ他の人からみたら普通の事
かもしれないですけど」
「それでもキミにとってはすごい事だからな!
これからも精進しろよ」
「ハイ」
本当に柊介は変わり始めていた。それが
現れるのは次の休日の事だった。
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