第24話 僕と学園祭④ 学園祭が始まり柊介達のライブも始まる
柊介も元気を戻し、練習はスムーズに行われ
いよいよ学園祭が始まる。
私立聖華学園祭。近隣はもとより、遠くからも
多くの客がやってくる学園祭。
二日行われるが、どっちも人であふれる。
柊介達のクラスは初日の午後から始まるので
それまでは他の教室を見て回ったりする。
定番の店や変わった店も中にはある。柊介は
校門の前で待ち合わせをしていた。
「おはよう浅倉くん」
「あ!おはようございます佐伯さん」
やってきたのはめぐみだ。柊介が誘って
来てもらっていた。
「じゃぁ行こう」
「ちょっと待ってもらっていいですか?まだ
他にも来るので」
「そうなの。浅倉くんも意外と交流が多いのね」
「え、ええ。色々ありまして」
そうしていると柊介達の所にまた誰かがやってきた。
「浅倉くん久しぶり」
「咲夜さん。それに高山さんも」
「ああ、呼んでくれてありがとう。なんとか
今日は休みにできてたよ」
「それはよかったです」
「それより、浅倉くんだいぶ見た目も変わったね」
「ええ、まぁ髪切っただけですけど」
「それだけじゃないと思うが」
「そうですね」
昨夜と高山は久しぶりに見る柊介が内面も
変わっているのに気づいていた。
「浅倉くんまだ誰か来るの?」
「あ、ハイ、あと一人です」
とそこに走ってくる人が来た。
「やっほ浅倉くん。遅れた?」
「大丈夫ですよ成宮さん」
呼んだのは成宮だった。それから咲夜達は
それぞれあいさつをし校内に入った。
色々な店を見て回る。柊介達は最初に
ゆいのいる教室に向かった。それから香澄の
教室と周る。そこでも佐伯や成宮とあいさつを
かわすゆい達だが、また別の女性が増えているのに
少し驚いていた。
お昼になり、ゆい達も合流して食堂で
柊介達は昼食をとる。
「なつかしいな学園祭って」
「そうですね。私ももうずいぶん前の様に
感じますよ」
「そうだな。私は呼ばれる事はあるが、その度に
学生の時を思い出すよ」
そう話しているのは大人組の佐伯、成宮
高山だ。ちなみにこの中で一番上は高山で
次に成宮、佐伯の順番だ。
「それで、浅倉くんのクラスはいつ始まるの?」
「もうすぐです。午後2時からなので、食事が
終わったら僕一度教室に戻るね」
「わかった。楽しみにしているよ」
「うん。また浅倉くんの演奏を聞けるのを
楽しみにしてるよ」
「ハイ。頑張ります」
「やはり、だいぶ変わったな彼」
「そうですね。今の浅倉くんも悪くないですね」
皆と話し合った後、柊介は教室に戻った。そこで
衣装に着替える。
そこまで派手ではないが、やはりライブをするので
少しは目立ったものにした方がいいと作られた。
「よし、やろうぜ皆」
進藤が気合を入れる。クラス全員体育館に
向かう。そこでは違うクラスもライブを
していた。普通にコーラスをやったり、柊介達と
同じようなバンドをしたりとあって、館内は
盛り上がっていた。
それもそうだ。オリエンテーションの時と
違うのは、学生以外の一般の人達もいるからだ。
そうして次が柊介達の番になる。ゆい達は
全員前の方で柊介達を見る。
ステージ横で準備をする柊介。
「落ち着いてるね柊介くん」
「うん。二回目だからかな。それに、洋子ちゃんも
いるし、進藤くんもいるからね」
「頼もしいな。まぁ練習はきつかったがそれは
全部この時の為だからな」
「うん。聞いてもらんだから、しっかり演奏
しないと」
「そうだな。じゃぁ行こうぜチームトリプルS」
「おう」
前のクラスが終わり、一度、明かりが消え
静まり返る館内。
それから明りがつき、放送部の案内で
柊介達のクラスが呼ばれる。館内はもう満員
状態だ。しかも、柊介のクラスはちょっとした
学園の人気クラスになっていたので余計に
人が増えていた。
最初は柊介のチーム以外のクラスメイト達が
演奏をする。皆、練習をしたので失敗する
事無く演奏していた。しかも今回は有名な曲を
コピーしてるので一般の人も盛り上がれていた。
そうあの時柊介は皆、自分が好きな曲を
アンケートで聞いて、それを練習させていたのだ。
クラスの持ち時間は一時間で、柊介達はその
クラスの最後に演奏する。
そして、その時が来た。放送での紹介で
最初に名前を呼ばれる。
「それではこのクラスの最後のユニットです!
チームトリプルS、メンバーはヴォーカルで
ベースの楠さん。ギターの進藤くん。そして
キーボードの浅倉くんの三人です。それでは
演奏してもらいましょう」
その合図と同時に柊介が演奏に入る。柊介は
キーボードの前ではなくピアノの席にいた。
静かに演奏をする柊介。バラードの様な感じの
音が流れる。それが一分程したあと、柊介は
立ち上がり、バンッ!とピアノで激しい音を
出す。そこからすぐに洋子が歌い出し、バラード
から一変して激しいロック系の音が鳴る。
それに合わせて客客達も盛り上がる。
一曲目が終わり、続いて二曲目の入る。その二曲目は
進藤がメインで歌う。本当にプロのライブの様な
完成度曲が続く。
それを聞いて高山と咲夜は思った。
「やはり、彼の演奏はすごいね」
「ハイ。あれだけできればすぐにプロに
なれますよ」
「そうだな。あれを使わないのはもったいないな」
そう話してる中、進藤の曲も終わった。一度
音が止まり、静かになる。
少しするとまたピアノの音が流れ始めた。
柊介がピアノを生演奏し、さらに歌も
歌ったのだ。その歌は有名な曲でそれを
柊介はアレンジして歌っていた。
名曲のバラードで、この盛り上がる雰囲気の
中でする感じではないのだが、柊介の演奏に
全員が静かに聞きよっていた
そして、曲が終わると一瞬の静寂から
拍手喝采が起こった。
それから最後に他のクラスメイト達も出て来て
全員で一曲熱唱し、また会場を盛り上げた。
そうして柊介達のライブは大成功に終わった。
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