第10話 朝比奈ゆいの気持ち
香澄、ゆい、洋子は公園に戻っていて、互いにわかって
いるのかを確認した。
「じゃぁそういう事でいいんだな」
「そうだね。私もたぶんそうなってる」
「私も。まだはっきりはしてないけどね」
「そうだな。でも、そういう気持ちになってるなら
無駄にはしたくないな」
「そうね。じゃぁこれからはライバルって事かな」
「そうなるな」
「うん」
三人は確認した。そして、今からはライバルでも
ある事を認識した。
――
ここはゆいの部屋。女の子らしい部屋にいくつもある
ゲーム機。ゆいはゲーマーだ。もちろん普通に
勉強もできる。
そのゆいは今、柊介に気を持っている。同じ
ゲーム好きで気軽に話せる。まぁ容姿については
あまり気にしはしない。
「今日はこれをやろうかな」
ゆいは宿題と勉強を終えてからゲームをする。今
やるゲームは柊介がおすすめしていたシューティング
だ。ゆいはどのジャンルのゲームもするのですぐに
これを攻略した。
「やっぱり一人だとつまらないな。明日も
浅倉くんとゲームしよう。二人で楽しめるのは
どれかな」
ゆいはソフトを選んでいた。それからお風呂に
入り、眠った。
朝、ゆいは早くに起き、したくする。それから
少し勉強しゲームをする。朝食を取り学校へ
向かう。
家から一時間ほどでつき、教室に入る。ゆいは
二年で、クラスでも人気者だ。でも、そのクラス
ではゲームをする者はおらず、皆真面目だった。
ゆいも真面目ではあるがやはりゲームをする方が
好きで、将来もゲーム会社を作るという夢も
ある。だから勉強もしているが、一人くらいそういった
友達がいてもいいと思っていた。
そんな時に校内を見まわたしていたら一年の
クラスで柊介を見つけた。
廊下からだがゲームを楽しくしやっている
柊介を見て、いつか話そうと思った。
そして、あの時柊介に声をかけ今にいたる。
休み時間、柊介に会いに行った。やはり
ゲームをしている柊介。
「浅倉くん、行こう」
「はい」
二人は教室を出て屋上に向かった。そこでベンチに
座り、ゲームをする。
教室だとゆいは目立ってしまうので人が
来ないこの屋上でする事にした。
休み時間は短いので、対戦系のゲームをする。
「私の勝ち」
「負けた。やっぱりすごいですね先輩」
「まぁ浅倉くんも強い方だと思うよ。ただ
ゲームでは私負けたくないからね」
「それは僕も同じです。やっぱり楽しいですからね」
「うん。私も今すごく楽しいよ。いつもは家だと
一人でやってるからさ。それでも楽しいけど
やっぱり誰かと一緒の方が面白いからね」
「そうですね。僕もずっと一人でプレイしてました
から。こうやって誰かと一緒に遊べるなんて
思ってもいませんでした。先輩ありがとうございます」
「う、うん。私も浅倉くんがいてくれてよかったよ」
そうしてるとチャイムが鳴り、二人は教室に
戻る。昼休みは二人で食堂に行き、それから
ゲームをする。
放課後、ゆいが帰ろうとするとクラスメイトが
誘って来た。
「朝比奈さん、これから遊びにいかない?」
「どこに行くの?」
「やっぱりカラオケかな」
「そうそう、男子達と行くんだけど」
「えっと、ごめんなさい。先に他の人と行く
約束があるの」
「そうなんだ」
「それって彼氏ですか?」
「か、彼氏とかじゃないよ。じゃ、じゃぁまたね」
ゆいは慌てて教室を出た。そうゆいはもう
そういう風に意識をしていたので、動揺した。
柊介と合流し、ゲーセンに向かう。一通り
プレイして二人は駅に向かう。電車に乗り
途中までは一緒に帰る。
その途中ゆいは柊介を意識する。今まで
ゆいは告白された事は何度かあるが、自分から
そんな気持ちになった事はなかった。だから
どうしていいかわからなかった。
そんな中でやはりゲームでの事なら話しやすい
からその話題だけになってしまう。
本当はそれ以外の事も聞きたいが中々聞けずに
いた。
そうしてると柊介が下りる駅についた。
「じゃぁ先輩、また明日」
「え、ええ。明日ね。浅倉くん」
「はい」
柊介が下りる、見えなくなるまで柊介を見て
見えなくなったらゲームをする。
家に戻り、いつもの一人行動をする。お風呂に
入っていても柊介の事を考える。
それが今のゆいの気持ちだった。
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