第9話 僕達の打ち上げオリエンテーション!?
成功に終わったオリエンテーションの翌日、学校は休校に
なっていた。
柊介は当然、部屋に引きこもっている。前は秋葉に
行ったが、今回は引きこもろうとしていた。
それは、今柊介がプレイしているオンラインゲームを
やる為だった。
それはソロでも大勢でも楽しめる人気RPGで
柊介はそれをすでにクリアしているが、やりこみ要素
があるので、クリアしてからも遊んでいた。
そのゲームの中でも柊介はソロで遊んでいたが
最近になって一人のフレンドができた。そのフレンドと
はゲームのチャットなどを使ってしたしくしていた。
そのフレンドとやりとをし終わった後、誰かから
連絡があった。
「?咲夜さんだ」
それは今から会えないかと言う連絡だった。今日は
外に出ないようにしようとしていたが、せっかく
誘われたのだから行こうと柊介は返事をした。
着替えて出かけようとすると姉の泉が呼び止めた。
「お!出かけるのか?」
「うん、一応ね」
「そうか。最近出かける様になったな。中学の時は
まったく外に出てなかったのに」
「・・・・・・行ってくる」
「気をつけろよ」
振り向かずにそのまま家を出た。柊介は中学時代の
事は話したくないので、泉の話を切り上げたのだ。
それから咲夜に呼び出された場所に向かう。
そこは街中にある公園で、川のそばだ。公園の
中に入ると、咲夜が居た。そこには咲夜だけではなく
ゆい、香澄、洋子と進藤の姿もあった。
「あ!来た!浅倉くん」
「すいません。遅くなりました」
「大丈夫。皆今集まったところだから」
「皆って、奥井先輩まで」
「ああ。実はなまぁオリエンテーションの打ち上げみたいな
事をしようと黒川さんから言われてな」
「そうなんだ」
「ええ。それで私がオフな今日に集まって
もらったんだ」
「お前が来てくれてよかったぜ浅倉。じゃなきゃ
男は俺だけだったからな」
「進藤くんなら一人でも平気じゃ」
「普通にならできるが、この美少女軍団の中で
さらに声優の黒川咲夜さんまでいるんだ。これで
緊張しない男はいないぞ」
「た、確かにそうだね」
「まぁまぁここで話してるのもなんだからさっそく
行きましょう」
「どこに行くんですか?」
「それはね」
柊介達は移動した。そこは色んなゲームや
カラオケが入ってるアミューズメント施設だ。
学校は休みだが、平日なのでお客も少なく
咲夜的には動きやすかった。
店に入り、何から始めるかを話し合った。
「浅倉くんは運動とかは、苦手そうだね」
「うん。まったくできない。でも、ゲーム系
ならなんとかなるとは思うけど」
「なら、普通にボウリングにしてみようぜ」
「そうね。でも、男子二人、女子四人だから
どうわけようか」
「じゃぁ浅倉くんに決めてもらおう」
「ぼ、僕がですか?」
「ああ。私達がやると普通に進むからな。まぁ
キミがもっとこういう場面で前に出れる様に
なってもらいたいからな」
「奥井先輩。えっと、じゃぁ」
柊介が決めた組み合わせは、Aチームに
自分と楠に奥井のメンバーで、Bチームに朝比奈
黒川、進藤というチーム分けをした。
当然だが、柊介自身はほぼ戦力にならないので
香澄と洋子に頼るだけになる。一方、進藤は
もちろんだが、ゆいも咲夜も運動ができるので
戦力的には向こうが上に見えるが、ゲームは
何が起こるかわからないという概念でこの
組み合わせになった。
試合が始まり、順調に投げていく一同だが
やはり柊介は外しまくる。
後半戦に入りやはり進藤チームのスコアが
上になっていた。まぁ試合ではあるが勝ち負けは
二の次なので、そこまで誰も気にしてはいないが
柊介は未だに一つも倒してないので、少し
落ち込んでいた。
その柊介の番になると、香澄が近づいて来て
柊介に密着する感じで教えていた。
「こう持って投げれば曲がらなくてすむぞ」
「は、はい」
香澄の胸が背中に当たり、それが気になる
柊介。それは柊介だけでなく、後ろにいる
咲夜達も少しにらみつける様にみていた。
香澄が離れ、教えられた通りに投げる。すると
まっすぐ球が向かい、なんとストライクを取った。
「取れた!」
「やったな浅倉くん」
「おめでとう」
「ありがとう」
香澄と洋子に初めてハイタッチをした。それから
柊介もうまくなってきたが、最初の差が大きく
試合は進藤達が勝利した。
それから休憩所で休んでから午後はカラオケに
入った。
当然ここで活躍するのは声優であり、歌手も
している咲夜だ。皆も咲夜の歌をリクエストした。
「では、リクエストに応えて、この曲を歌おう!
私のデビュー曲だ」
ゆい達が拍手をする。そして、咲夜が歌い出す。当然
本人の歌なので、踊りながら歌う。
柊介もこういう場所は初めてだが、ファンでも
ある咲夜の生ライブに盛り上がる。まぁ手拍子を
する程度だが。そうして他の皆も歌い、やはり柊介の
番がくる。
「浅倉くん。一緒に歌わない?」
「朝比奈先輩。でも、僕下手ですよ」
「こういう時は下手とかより、楽しめるか
どうかだよ」
「そ、そうですけど」
「大丈夫。浅倉くんの好きな曲にするから」
「じゃぁこれで」
選んだ曲は少し前に流行ったアニメのデュエット
ソングで、当然ゆいも知っている。
さっき香澄がした事を今度はゆいがする。
柊介の手を握り、皆の前に出る。手は握った
まんまだ。
「朝比奈先輩」
「この方が落ち着くでしょ。それとも私じゃダメ
かな?」
「そ、そんな事はないです」
「ありがとう。じゃぁ歌おう」
二人は歌うが、咲夜達は少し手の方を見ながら
手拍子をした。
ちなみに柊介の歌はそれほど下手ではなく
むしろうまい方だった。それも、楽器を演奏
できるから音程は抜群だった。ただ、人前で
歌うのが恥ずかしいからだった。
それから数時間歌い、他のゲームも遊んだ。
その間に彼女達は悟った。ここにいる全員が
柊介に気があるのだと。
それからファミレスで食事をして夜になり
最初に集まった公園で解散する事にした。
「じゃぁ今日はこれでお開きだね。集まって
くれてありがとう。私も久しぶりに普通に
遊ぶ事ができたよ」
「やっぱり忙しいと遊べないんですか?」
「まぁね。今は歌手もやってるから、歌の練習も
したり踊りもやったり、それで本職の声優の
方のしっかりやらないといけないからね」
「たいへんですね。でも、応援してますよ」
「ありがとう洋子ちゃん。じゃぁ今度は私の
単独ライブに招待するね。それじゃっと
浅倉くん。またね」
「あ!?」
咲夜は帰り際に、柊介の頬にキスをした。ゆい
達はやられたと心の中で思った。
それから全員解散したが、実はゆいと香澄
それに洋子は少したら公園に戻って来ていた。
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