第8話 僕とそして人気声優の初ステージ!
音楽室に柊介達は集まった香澄と洋子、進藤に
ゆいもいる。柊介はさらにもう一人呼んでいたが
少し遅れているようだ。
「浅倉くん誰が来るんだ?」
「えっと、それは」
そんな風に話しているとドアが開いた。
「やほっ!遅れてごめん」
「あ、咲夜さん」
「悪いね。何着てこうか迷っててさ。さすがに
学校にあれを着てくるのはね」
「た、確かにそうだね」
と話しているが、ゆいがそこに割って入る。
「あ、浅倉くん。その人もしかして」
「ああ、えっと、紹介するね。声優の黒川咲夜さん」
「ほ、本物!?」
「もちろん。私が黒川咲夜よ。その様子だと私を
知ってるみたいね」
「はい。私もゲーム好きですから。咲夜さんの
出てるゲームも持ってます」
「お、俺もです」
「わ、私も」
進藤も洋子も知っていた。知らないのは部長の
香澄だけだった。
その香澄に柊介が説明する。
「なるほど、声優か。でも、いいのか?そんな
有名人がここにいて」
「ええ。今日はオフだからね。ここに遊びに
来たようなものだからね。それで、さっそくだけど
聞かせてくれるかしら浅倉くん」
「は、はい。えっと、やろうか」
「ああ、そうしたいが今度は俺達が緊張してきたな」
「そうね。うまくできるかしら」
二人も緊張し始めたが、とりあえず演奏を
する事にした。
三人は一曲弾き終えた。それに咲夜が答える。
「うん。悪くないね。まぁ緊張してる感は
すごいしてきたけど、いいと思うわよ。それに
話は聞いてたけど、浅倉くんって本当に
演奏できるんだ」
「い、一応ですけど」
「謙遜しない。キミの腕なら本当のライブでも
演奏していいレベルだよ。だから自身もちな」
「あ、ありがとうございます」
それからも咲夜や香澄の指導も入り、三人は
練習をした。
そうしてオリエンテーションの本番当日に
なった。
オリエンテーションは一年生だけが行うので
その日に一年の全クラスの催しものが行われる。
体育館に集まり、柊介達のクラスは最後に
なった。それまでは他のクラスのを見る。
やはり、演劇やコーラスの類が多かった。
そんな中、いよいよ最後の柊介のクラスの
番になった。
進行役で進藤が出ていき、出し物の説明を
する。時間は二十分だ。その中で最初にやる
全校生徒を参加させるゲームが行われた。
それは柊介の案で最初は否定されたが
やはり変わった事がやりたいと進藤の推薦も
あり、採用された。
そのゲームは単純だが、同じ演劇系などを
みてただけの側にとっては参加するのは
面白味があった。
そのゲームも終わり、いよいよ柊介達の
演奏が終わる。これまでは楽器は使われず
コーラスだけだったが、今回は楽器演奏の
ライブだ。
照明が消え、一度幕がしまる。その間に
柊介達はステージで準備する。
「じゃぁ行くぞ」
「ええ。ミスっても続けるからね」
「う、うん。やろう」
柊介は誰よりも緊張してきたが、ここまで来た
からにはやらなきゃと自分に言い聞かせた。
そして、照明がつき、会場に音楽が流れる。
幕があがり、そこに柊介達の姿が現れ
さらに三人の中心でキーボードを演奏している
柊介が居た。
それに会場はざわついた。演奏は本当に
柊介がしているので、その事に驚いていたのだ。
その曲は最初ゆっくりとバラードみたいに
入る。それから盛り上がる合図の音が流れ
そこから激しい演奏になる。
ギターの進藤とベースの洋子の演奏も激しくなり
そのまま一曲をやりとげた。
演奏が終わり、拍手が巻き起こった。やはり学生は
こういうライブが好きみたいで、この日一番
盛り上がった。
すると、進藤がそこで話だした。
「今日はこれで一年生によるオリエンテーションは
終わりにしますが、ここで僕らからのサプライズを
したいと思います」
その言葉にさらに驚く生徒達。進藤が話を続ける。
「それではそのサプライズの主役に登場して
もらいましょう。今、アニメにゲームでの
イベントに引っ張りだこの人気声優、黒川咲夜さんの
登場です」
とステージ横からその咲夜が現れた。そう、柊介は
あの時咲夜に出てもらえないかも聞いていてそれを
心よく咲夜は引き受けたのだ。
先生達の許可もとり、学園史上初の本物有名人を
出したのだ。
その咲夜は当然ゴスロリ衣装で登場する。知っている
者もいれば当然、全然知らない者もいるが、その
衣装が沈黙を破く。
「この度、私の知り合いである浅倉柊介くんから
オファーをもらいここに立てる事ができました!
当然、私の事は知らない人の方が多いでしょうが
これを機に知ってもらえればそれでいいです。ですので
今から一曲だけですが歌わせてもらおうと思います!
もちろん、この三人の演奏も含めてのライブを
行います。それでは・・・・・・さぁ我の美声を
聞き、心躍るが良い」
咲夜はキャラになりきりそして、ライブを
開始した。
その曲はダークなロック系で、盛り上がる
様に柊介がアレンジをした。
最初は戸惑っていた生徒達だが、一番の
サビに入ると、徐々に盛り上がって来た。
そうしてわずか一曲のライブが終わり、会場は
拍手喝采に沸き、オリエンテーションは大成功に
終わった。
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