第7話 僕と部長の練習と距離!?
放課後、この日もクラスの出し物を考えていた。今
考案されているのは定番の演劇、コーラス等で
柊介の案はやはり受け入れられていなかった。
でも、楠がある事を提案すると、それを進藤が
進める。
「それでどうだ浅倉」
「どうって言われても。僕は」
「なら、一緒にやらないか?一人だから不安なんだろ」
「それもあるけど」
「じゃぁ私もやる。いいよね進藤くん」
「ああ。ならこれも決定だな」
「あ、え!それは」
「よし。じゃぁ次だな」
進藤は進行を進めた。その間もあたふたする
柊介。話し合いが終わり、柊介と洋子そして
進藤は三人で近くのファミレスによっていた。
柊介はずっと下を向いたままだった。
「おい、いつまでもうつむくなよ。これを機に
変わればいいじゃないか」
「そうね。今の浅倉くん少しキモイし」
「はっきり言うな楠」
「言わないとわからないと思って」
「言っても実行はできなさそうだな」
「・・・・・・」
「浅倉くん。覚悟を決めなさい」
「俺達がサポートするからよ」
「そうは言っても。人前でするなんて」
「でもお前、演奏はできるんだろ?」
「できるけど」
「これは遊びだと思えばいいんじゃない。実際
学園の催し物なんて遊びなんだし」
「そうだな。失敗してもたいしたことはないさ」
「それは普通にできてる人はそうだけど僕は」
「さすがに心配になってきたな」
「ええ。まぁ待ってましょう。浅倉くん、私達は
待ってるからね」
そう言われたが家に帰っても柊介はずっと
ネガティブだった。
柊介はステージで演奏をする事になったからだ。それを
二人がサポートするのだが、人前で演奏する事が
そもそも嫌なので柊介は踏み切れていなかった。
なので翌日、柊介はある場所に向かった。そこは
音楽室だった。
そこで奥井香澄に会う。彼女に相談する事にしたのだ。
「なるほど。それは私もみたいな。だが、キミ自身は
できなそうにないのか」
「はい。それに僕がやる事にクラスの中じゃ納得
してる人はいなくて」
「キミは自分の演奏を皆に聞かせたのか?」
「聞かせてないです」
「じゃぁそうなるな。本当にできるかわからないと
信じれないからな。だから今度演奏して見せる事だ」
「でも」
「自信がないか。うちの部でするときは弾けるのにな」
「それは、部長さんがいるから」
「!?うれしい事言ってくれるな」
「わっぶ、部長さん」
香澄は柊介を抱き寄せた。その豊満な胸が
顔にあたり、柊介は顔を赤くする。
「よし、浅倉くん。うちに入ろう」
「えっとそれはいつもの勧誘?」
「まぁそうなるが、完全にじゃなくていつもみたいに
気軽に来て演奏をする。それでも十分練習に
なると思うが」
「確かにそうですね。何もやらないよりはいいかも
しれないですね。二人も待ってくれてるし」
「その二人と組むのか?」
「はい。あまりまだ言えませんが」
「そうだな。だが、まずはキミが自身をつけないと
始まらないな。私も手伝うよ」
「ありがとうございます部長さん」
「えっとな、浅倉」
「はい」
「わ、私の事はその名前で呼んでくれないか?」
「な、名前でですか」
「ああ。部長と言われるとあまり親近感がなくてな」
「えっと、じゃぁお、奥井先輩」
「あ、ああそれでいいぞ」
そんな感じで柊介は香澄と練習をする事になった。
それは早朝や、放課後に行われ、休みの日も
学園に行き、香澄と練習をした。
そんなある日、休日で香澄と学園の音楽室で
練習をしている時だった。
「少し休むか」
「そうですね」
二人はそのまま床に座った。柊介は今気づいた。こんな
美人な女の子が自分に付き合ってくれている事に。
「あの、どうして奥井先輩は僕なんかにつきあって
くれるんですか?」
「うん?それはな。秘密だ。いつか教えるよ」
「いつかですか」
「ああ。さぁ練習するぞ」
練習を再開した。香澄は少し柊介にわかってもらおうと
思いちょっとだいたんに体を寄せていた。
それからは進藤や洋子とも合同で練習しどうにか
柊介は三人の時でも演奏する事ができたが、やはり
本番の事を考えると緊張してしまっているので
そういう事に強いもう一人の女の子に連絡を
とる事にした。
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