第45話 コロちゃん飛び回る

「よし!今日はお風呂の魔石が届く日だ!」

「そうですよ〜!」


 ぷるぷる


「お家で入れるだけで幸せですね〜!」

「風呂上がりに外を歩いて帰る必要もない!今日はいい汗をいっぱいかいて、がっぽり儲けて、気持ちのいいお風呂に入れる!やる気が漲る!発散しないと!」

「それでお弁当なんですね〜!」


 ぷるぷる


「うん!今日はダンジョンで、昨日の分を取り戻す!あわよくばもっと強くなる!」

「手に負えない所へ行ってはだめですよ〜?」

「とりあえずは1Fで鍛えて、様子を見ながら奥へ行くつもりだから」


 ぷるぷる


「程々に頑張ってくださいね〜?」

「それじゃ行ってくる!」

「いってらっしゃ〜い」


 ぷるぷる






 なんか年下のノーラがかーちゃんに思えるような会話を繰り広げ、ダンジョンへやってきた!


 ともかく、今まで何だかんだと予定を詰め込み過ぎて、なかなか討伐をする時間がなかった

 今日くらいはたっぷり時間を使って、ダンジョンでがっつり狩りをする!

 オリジナル魔法もスキル化したし、今日は実地訓練だ

 対ミリアも今日は考えない


「素材はどうせ持って帰るのが大変だ。狙うは魔力結晶のみ!コロちゃん、捕食よろしくね!」


 ぷるぷる


 とりあえずはお昼ご飯までひたすらココチカバットを狩りまくろう

 昨日のペースを考えると、30匹以上は狩れるはずだ


「さっそく一匹目だ」


 足元の石を…手頃なのがないな

 うーん…


 ぷるぷる


 だめだってコロちゃん、いきなりコロちゃんアタックは危ないってば

 せめて弱らせてからじゃないと!


 昨日、ここに入った時よりは少しだけどステータスが低い

 運に頼らずに単純に力と技術で一確できるか…


 ぷるぷる


 …わかったから

 じゃあコロちゃん、頭の上で待機ね

 一撃で倒せなかったら、トドメを刺してね


 【魔法剣!】と【マジックコート!】を使ってMPポーションを飲む!

 そんでもってこの空き瓶を…投げる!

 もちろん、ゴミは後で回収して再利用の予定だ


「初めからこうしてれば良かったな!」


 蝙蝠が飛んでくる!


 今、必殺の…


「うわっ!」


 コロちゃん!

 倒せなかったらその時にトドメを…って追撃だ追撃!


 もー危ないでしょコロちゃん

 うん、トドメはコロちゃんが刺してくれたね

 捕食でトドメ?

 それって踊り食い…ってコロちゃん!?


 ぱたぱた


 …その姿って


「ココチカバットになっちゃった!?」


 あ、飛んでる


 ぱたぱた


 え…

 【真似っ子】Lv2の時点で擬態が出来るようになってた…?

 いやいやいやいやそれならそうと


 ぱたぱた


 あ、そうか

 今まで俺が倒してきてたし、コロちゃんから伝える手段もなかったんだ

 うん、確かに捕食って名前なら本来は踊り食いもありだよね…


 ぱたぱた


 うーん、今のコロちゃんなら蝙蝠とSPDがほぼ同じはずだけど…

 まだ飛ぶのに慣れてないでしょ?

 釣りを始めるのは、もう少し慣れてからにしようね

 それから、他の人の前ではスライムに戻ってね

 他の魔物と間違われて襲われたら大変だからね?

 コロちゃんと蝙蝠は色が近いんだからね?


 ぱたぱた


 いやいや過保護なんかじゃないからね?

 ステータスの優位性は確かに存在するけど、まだコロちゃんのは…


 ぱたぱた


 うん

 忘れてた

 俺のSPDをわけてあげる

 100くらいでいい?

 コロちゃんのを倍にすると、俺のSPDが…


 ぱたぱた


 だーめ

 コロちゃんのATKを倍にしても安全マージンには足りないと思うから

 あと、俺にも仕事させて


 ぱたぱた


 じゃ、釣ってきてー!


 コロちゃんが天井付近まで飛んでいき、次の相手の近くでくるくる回ってる


 …同族だと思われてる?

 釣れてない


 あ、コロちゃんが体当たりして…ドッグファイトが始まった


 コロちゃーん、こっち戻っておいでー

 コロちゃーん

 コロちゃーん!


 すぅぅぅ………


「コ!ロ!ちゃーん!!!」


 ぱたぱた


 よーしよしよし、いーこいーこ

 そのままこっちに…


「せいっ!」


 おー

 同じカウンターでも、相手がトップスピードだと全然違うな


 ねえコロちゃん、あんまり無茶したら…


 ぱたぱた


 わかったって!

 無茶してるのを見てる側の気持ちはよーくわかりました!


 じゃあ次は…ちょっとそれぞれの位置が近いぞ?

 これを上手く釣るには…ってコロちゃん!?


 コロちゃん!集団はだめだって!


 ちょ!


 そんな6匹も集めて!


 いっぺんに捌き切れないから!


 うわっ!

 いてっ!

 もうっ!





 …コロちゃん、そこにおすわり!


 ぱたぱた


 いいから!おすわり!


 すとん

 ぷるぷる


 いい?コロちゃん

 確かに俺はゴブリンの群れを口笛で釣りました

 集団をコロちゃんと二人で何度も潰しました

 でもね?


 ぷるぷる


 だーかーら!

 安全マージンをちゃんと考えるようになったの!


 ぷるぷる


 えーっと…それ自然界でも同じ事言えんの?って感じ…?


 ぷるぷる


 確かにこっちのステータスも高いけど、クリティカルじゃなくても防御し損ねて綺麗に入ったら多分5発くらいでHP0になる可能性


 ぷるぷる


 いや俺はノーラじゃないから…

 別に、いつも自分が言われてる事を他人にも言いたいわけじゃなくて!


 ぱたぱた


 もう!コロちゃーん!






 そんなこんなで、腹時計がお昼を示すまでに予定の30匹を超えて狩ってた


「コロちゃーん!お昼にするから戻っておいでー!おーい!」


 ぱたぱた


「いやだって、ずっと念話ばっかで黙ってたら喉がおかしくなりそうで…」


 ぷるぷる


「いや、パーティの外の人には念話できないから。残念だけどそれ無理なんだ。喉が使えなくなったら俺困るの」


 ぷるぷる


「途中で会った人達とは、声で挨拶してたでしょ?」


 ぷるぷる


「うん、じゃあ食べようか」


 コロちゃんの捕食のペースが上がったのは効果があった

 単純に待ち時間が減って、すぐに次の獲物を探しに動ける

 総合的に見て、狩りのペースが少しだけど確かに上がった気がする


「今度、時計を持ってきて時間を確かめるかなー」


 異空間に放り込んでおけばなんとかなるだろう

 腕時計があれば…事故で壊れそうだな

 魔石製で良さ気なのないのかな?


 あ、ノーラのご飯はお弁当もおいしかったです


「ちょっと食休みするね」


 ぷるぷる


 魔力結晶は…45個か


 ステータスは…


===

 ハジメ 人 18 リスガー

 パーティ:コロ

 状態:女神の加護(均衡)

 Lv 0 Exp 0

 HP 201/263 → 332

 MP 66/110 → 124

 SP 187/235 → 298 (15%↑ 体術Lv3)

 ATK 279 → 354 (15%↑ 体術Lv3)

 DEF 233 → 292

 MATK 92 → 102 (5%↑ 魔力強化Lv1)

 MDEF 87 → 96 (5%↑ 魔力強化Lv1)

 SPD 240 → 306 (15%↑ 体術Lv3)

 STR 252 → 335

 VIT 235 → 310

 MGC 89 → 109

 AGI 211 → 282

 スキル:体術Lv3、簒奪者Lv1、収納魔法Lv1、女神の加護Lv2、最適化、存在強化、ステータス改、基礎魔法、パーティLv3、魔力操作Lv2、魔力感知Lv2、体当たりLv2、短剣術Lv2、暗殺術Lv2、集中Lv2、剣術Lv2、棍術Lv2、弓術Lv2、遠吠えLv2、カウンターLv1、魔力強化Lv1、魔力効率化Lv1、魔力回収、魔法剣!Lv1、マジックフィルム!Lv1、ステータス抑制、PT特典、ステータスLv2、斧術Lv1、HP回復量上昇Lv2


 コロ スライム 2 -

 パーティ:ヤマト

 状態:正常

 Lv 30 → 32 Exp 117,386 → 148,526

 HP 262/125 → 131

 MP 84/40 → 42

 SP 222/106 → 111

 ATK 123 → 128

 DEF 107 → 112

 MATK 26 → 28

 MDEF 23 → 25

 SPD 135 → 141

 STR 139 → 146

 VIT 137 → 144

 MGC 62 → 65

 AGI 155 → 162

 スキル:捕食Lv3、真似っ子Lv3

===


 うーん、算出値で言えば、もう昨日の一番強い時とほぼ同じじゃないかな?

 具体的な数値では把握してなかったけど、体感的には似たようなものだ

 さすがにMGCが高い魔物は居ないから、MGC関係だけは低いんだろうけど…


 これ、奥に挑まずにもう少しここで同じように狩りを続けたら、奥の敵すらステータス差でヒャッハーできるんじゃないか?

 それか、コロちゃんのステータスを全部問答無用で倍化した上で、俺も参戦してここで狩りを続けられるようになるな


「コロちゃん、ここでこのまま狩るのと…え?てっきり奥に行きたいって言うかと」


 ぷるぷる


「ああ、蝙蝠相手に全ステータス倍化でヒャッハーできるか試したいのね」


 ぷるぷる


「下克上って事?外の魔物になら、自力でももう下克上できるでしょうが」


 ぱたぱた


「待って待って。コロちゃん、一撃で倒せなかったらどうするか、考えてある?」


 ぱたぱた


「だめ。せめて作戦だけは前もって考えておかないと」


 ぱたぱた


「俺だって、多少の無茶はしたけど作戦すらない無謀な事はしてないよ…ゴブリン23匹に囲まれた時以外」


 ぱたぱた


「うん。あの時は、敵の数が想定以上だったから大変だったの。戦い方そのものは考えて練習してたよね?」


 ぱたぱた


「そう。そんなに数は居ないだろうとは思うけど、コロちゃんはある意味、あの時の俺よりも無謀な事をしようとしてるんだよ」


 ぱたぱた


「具体的には…まず体当たりするでしょ?その時に、完全に離れる前に擬態を解いて、そのまましがみつける?勢いで直撃できそうなら、体当たりの前に擬態を解いてもいいけど」


 ぱたぱた


「じゃあ一回試してみよう。しがみつけたら、そのまま捕食しちゃえ」


 ぱたぱた


「うん。単純だよ。いきなり難しい事をするのは危ないからね。それと、飛んでるだけでもSP減ってきてるからね」


 ぱたぱた

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