第29話 里帰り…里?

 昨日はあの後、魔力操作の他は普通にお休みの日としてごろごろしたり、コロちゃんをつんつんぷにぷにしたり、ノーラと話したりで過ごした

 お手伝いしようとしたら断られた

 多額の寄付金を出す上客だからな!

 いや、ノーラはそんな思考をする子じゃないんだけど

 ちゃんと治るまでしっかり休んでくださいだってさ


 異空間にはとりあえず財布とスマホ、ノートに一回分の着替えと幾つか回復アイテムを突っ込んでおくことにした

 これくらいなら重さは感じないしな!


 夜もしっかり眠れたし、朝日の眩しさが気持ちいい

 小鳥さん、朝から縄張り争いお疲れ様です


「おはよう〜」


 ぷるぷる


「おはようございます〜体調はどうです〜?」

「もうバッチリ。一日で治ってるってほんと凄いな」

「そんなものじゃないかと〜」

「ノーラが回復魔法を使ってくれたおかげだよ」

「もう〜朝ご飯にしましょ〜」


 照れてら


 体は絶好調だ

 筋肉痛の残りもないし、普通に動いてもまた体が弱るなんて事はないだろう


 そして今朝もご飯はおいしかったです






「じゃあ、お仕事いってくるよ」

「いってらっしゃい〜」

「行ってきま〜す」

「無茶したらだめですよ〜」

「気をつける〜!」


 ふりふり


「さてコロちゃん、今日も元気にがんばろう!」


 ぷるぷる


「もうあんな弱音は吐かなくて済むようにするからね」


 なでなで

 ぷるぷる






 ギルドに入ると、まずリリアナお姉さんと目が合った

 今日も一日いい日になりそうだ!

 会釈すると、リリアナお姉さんがニコニコ顔で手招きしてきた


 ちょいちょい


 えーっと、列が出来てるんですが


 ちょいちょい


 何ですかその怪しい笑顔は

 逃がさないぞオーラが出てませんか


 ちょいちょい


 何故か恐いんですが


 ちょいちょい


 俺は大人しく列に並んだ


「おはようございます」


 ぷるぷる


「おはようございますヤマトさんにコロちゃん。体はもういいんですか?」

「ノーラが一晩で治してくれました」

「それは感謝しなきゃですね。今日も無茶しに行くんですか?」

「いやいや、さすがに自重しようかと」

「そんな暴れるのが大好きなヤマトさんの耳に、入れておきたいことが」

「だからしたくてしてるわけじゃ…」

「耳に入れておきたいことが」

「…なんでしょう」

「どうやら近くまで盗賊団が流れてきたようです」

「え」

「昨日、近くの村が襲われたそうです」

「アバッシですか?」

「いえ、別の村です」


 よかった、と思っちゃいけないんだよな

 …なんで口にしたんだ、俺


「安心しましたか?」

「いえ、後悔しました」

「近々、お声がけするかもしれないので、そのつもりで」

「村の救援とかそういうのは?」

「昨日、人を集めて送りました」

「じゃあ俺も…」

「いえ、色々と人数の都合もありますので」

「そうですか…」

「今のところ、伝えておきたい事はそれだけです」

「わかりました」


 それから依頼は探さずに、教会に戻った


「忘れ物ですか〜?」

「ちょっとアバッシに行ってくるよ。お昼は帰ってこれないと思う」

「急にどうしたんですか〜?」

「テオさんと村長さんに挨拶にね」

「気をつけて行ってきてくださいね〜」

「うん、ありがと。行ってくるね」

「いってらっしゃい〜」


 ふりふり






 初日にこの道を通った時は、テオさんも居たんだよな

 コロちゃんと三人で歩いたんだ

 途中、口笛を吹いてゴブリンを呼んじゃったんだっけ


 こんな風に


「学習しろよ俺!」


 不用意な口笛、ダメ、絶対


 今回は四匹か

 しかも離れたところにグラスウルフまで見える


「やってやんよ!」


 まずは端から一匹!

 正面に突っ込んで…

 左へとフェイントをかけて…右の奴を斬る!


「次!」


 振り向きざまに刺す

 死体を蹴飛ばしてナイフを抜くと同時に距離を稼ぐ


 なんだ、できるじゃないか


 ピュイーーー!

 ォーーーン!


 なっ!?

 ゴブリンが仲間を呼んだ!?

 グラスウルフもか!


「っぶね!」


 気を取られている隙に背中を狙われる

 追撃してきた方の顎を蹴り上げて首を刺す


 その時、三対一で固まってる魔力が感知にかかる

 目を向けるとコロちゃんがグラスウルフ三匹を引きつけていた


「コロちゃん!」


 くそっ!いつの間に!

 スキルがあっても意識してなきゃだめじゃないか!


 仲間を呼び続けているゴブリンを斬りつつ、コロちゃんに駆け寄る


「コロちゃんから…離れろ!」


 蹴飛ばし、かわし、手当たり次第に刺していく


 相手は防具なんて装備してないし、どこに刺してもダメージがはいる

 ステータスの差で噛み付こうとしてきた口を切り裂くような芸当もできる

 もはや返り血さえ気にしなければ、どうとでもなるな

 骨に当たると武器だけは劣化していくけど


「大丈夫?」


 ぴょいん


「ありがとね」


 なでなで

 ぷるぷる


「追加分を片付けようか」


 近付いて来るのはゴブリンが二匹、グラスウルフが三匹


 連戦とは言え一度に囲まれなかったし、休みボケが治った俺達の敵ではなかった

 唯一脅威に感じたのは弓持ちのゴブリンだが、最優先で真っ先に倒した

 これなら大丈夫だとゴブリンの装備を回収しながらコロちゃんが食べ終わるのを待ってたら、更にゴブリン三匹とグラスウルフ四匹が現れた

 これが移動中ではなく討伐中なら、いいペースなんだけどな

 これ以上増えても困るので、さすがに切り上げた


 前回は居なかったのか気付かなかったのか、ゴブリンは短剣術を持ってる奴も居た

 おかげでスキルLvが上がった

 改めて説明をよく読むと、ダメージに補正がかかるらしい

 一旦、ステータスやら行動の結果でダメージが算出されて、そこに補正ってことかな?

 スキルって本当に不思議だ

 しかしダメージが0でない限りは、数値が大きくなるって事だから気を付けないと危ないな

 やっぱり回避主体、もしくは先の先を狙わないと


 あと、遠吠え

 こんなの人の身で使ったら、喉が破れるんじゃないか?

 封印だ、封印

 ついでにLv1が最高のスキルは、普段から隠しておくか

 見辛いし


 余裕が出てきたから、もう少し武器に気を配るか

 安物とは言え、あまり使い潰してると不経済だ

 あと、目潰し用に砂袋でも検討してみるかな


===

 ハジメ 人 18 リスガー

 パーティ:コロ

 状態:女神の加護(保護)

 Lv 0 Exp 0

 HP 228/228 → 244

 MP 119/170 → 173

 SP 244/208 → 222 (10%↑ 体術Lv2)

 ATK 228 → 246 (10%↑ 体術Lv2)

 DEF 210 → 224

 MATK 146 → 148

 MDEF 140 → 143

 SPD 215 → 231 (10%↑ 体術Lv2)

 STR 142 → 162

 VIT 141 → 159

 MGC 107 → 110

 AGI 131 → 148

 スキル:体術Lv2、簒奪者Lv1、収納魔法Lv1、女神の加護Lv1、最適化、存在強化、ステータス改、基礎魔法、パーティLv1、魔力操作、魔力感知Lv2、体当たりLv2、短剣術Lv2、暗殺術Lv1、集中Lv1、剣術Lv1、棍術Lv2↑、弓術Lv1、遠吠えLv1↑


 コロ スライム 2 -

 パーティ:ヤマト

 状態:正常

 Lv 16 →17 Exp 7,995 → 11,295

 HP 87/84 → 87

 MP 25/24 → 25

 SP 74/71 → 74

 ATK 84 → 87

 DEF 72 → 75

 MATK 15 → 16

 MDEF 14

 SPD 95 → 98

 STR 96 → 99

 VIT 93 → 96

 MGC 37 → 38

 AGI 109 → 112

 スキル:捕食Lv2、真似っ子Lv2

===

ーーー

棍術

  棍を扱う技術

 - Lv2

  スマッシュ MP10

   強打する

ーーー

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