第27話 休日

 昨日の収入は10,780Gだった

 三倍以上に増えて、大台に乗った

 順調だ


 ランクも上がった

 本来は雑用系の依頼をこなせばランク2には上がるらしいけど、呆れた顔で上げてくれた

 ランク1の新人、それも登録から2日間で討伐で15,000G近くも稼いだ無鉄砲は初めてです!ってさ


 うん、順調だ


 筋肉痛が再発しなければ


===

 ハジメ 人 18 リスガー

 パーティ:コロ

 状態:女神の加護(保護)、超筋肉痛

 Lv 0 Exp 0

 HP 228/228

 MP 119/170

 SP 228/205 → 208 (10%↑ 体術Lv2)

 ATK 225 → 228 (10%↑ 体術Lv2)

 DEF 210

 MATK 146

 MDEF 140

 SPD 211 → 215 (10%↑ 体術Lv2)

 STR 142

 VIT 141

 MGC 107

 AGI 131

 スキル:体術Lv2、簒奪者Lv1、収納魔法Lv1、女神の加護Lv1、最適化、存在強化、ステータス改、基礎魔法、パーティLv1、魔力操作、魔力感知Lv2、体当たりLv2、短剣術Lv2、暗殺術Lv1、集中Lv1、剣術Lv1、棍術Lv1、弓術Lv1

===


 なんだよ【状態:女神の加護(保護)、超筋肉痛】って

 猛筋肉痛どころか筋肉痛を超越しちゃってるよ

 猛筋肉痛よりも治るの遅いんだろうか

 相変わらずこれは状態異常なのか

 怪我の類じゃないのか

 肉離れにならなくてよかった

 …昨日の戦闘中にならなくてよかった、ほんと


 あと、ステータスが微妙に上がってる

 体術の効果かと思ったけど、数値が変わるタイミングがおかしい

 表示されてるのが補正のかかった数値じゃなくて、表示された数値に補正をかけるんだな

 リリアナお姉さんが言ってた、鍛え方で係数が変わるってヤツか


 にしても変な表示だな

 特にSP

 普通に見辛いだろ

 考えたヤツ誰だ

 まさか女神様?


 昨日は…

 ギルドで怒られ、イジられ、からかわれて

 ノーラに泣かれ、怒られて、また泣かれて


 またコロちゃんに助けられたって話したら、みんなに驚かれた

 普通はペットにしたスライムなんて戦わせないらしい

 そもそもがスライムだから、戦わせても意味がないし、強くなる前に死んじゃうって

 二人でどんな風に戦ったのかも、また訊かれた

 コロちゃんは英雄扱いだった

 いや、本当に英雄なんだけどなー

 みんなにいっぱいなでなでして貰えてよかったねコロちゃん


 あ、魔法の練習、忘れてたな

 まあいいや、今やろう


 ご飯食べて、寝て

 回復したらまた練習だ






「はい、あ〜ん」

「あ〜ん」

「いっそベッドに縛り付けた方が安心かもですね〜」

「反省してます…」

「今日はちゃんと休んでてくださいね〜」

「ガチで動けないっす」

「あ〜ん」

「む、おいひい」

「たーんと食べてくださいね〜」


 本当は回復魔法で治せなくもないけど、心配させた罰だってさ


「はい、あ〜ん」


 ノーラのご飯はどんな状態で食べても美味しいな〜






 練習してて気付いた

 中身を取り出したら、常時消費分の魔力が減らなくなった

 自然回復も効果が見えるようになった


 練習量が一回増えたな







「ハジメさん〜、お昼ですよ〜」

「ありがと〜」


 またあ〜んしてもらって食べた


「ねえノーラ」

「なんですか〜?」

「回復魔法ってさ」

「仕方ないですね〜」

「かけてくれるの?」

「癒やしを〜」


 おお、だいぶ楽になった


「ありがとうノーラ」

「今度のは状態異常を治す魔法です〜Lv2なんですよ〜!」

「得意なんだね」

「これでも聖職者の端くれですから〜」


 にっこにこしてる

 しっぽもふりふり


「それで〜何か訊きたかったんですか〜?」

「あ、うん。回復魔法ってどうやったら覚えられるのかな」

「また無茶する気ですか〜?」

「いや、自分に使うんじゃなくてさ」

「コロちゃんですか〜?」

「そう。使うような事態にならないのが一番いいってのはわかってるんだけどさ。でも使えた方がいいかなって」

「う〜ん、魔力結晶があれば〜スキル結晶を作ってあげますよ〜?」

「でもそれって、熟練度が」

「大丈夫ですよ〜スキルLvが5になってからも使ってるので少しくらいは〜」

「凄すぎでしょそれ…」


 いったいどれだけ回復魔法を使ってきたんだ


「小さい頃から頑張りました〜」

「優しい頑張り屋さんだね」

「そんなこと言っても晩ご飯くらいしか出ませんよ〜」

「ははは、期待してる」

「晩ご飯もあ〜んして欲しいですか〜?」


 すっげー、にこにこしてる

 でもさすがに恥ずかしいって


「いやいやいや、魔法かけてもらったし、さすがに自分で食べるよ」

「む〜残念です〜」

「お、お世話するの好きなんだね!」

「なかなかこうする機会もなかったので〜憧れてたんです〜」

「世話のかかる弟ができたってわけだ」

「そんな感じですね〜」

「えーっと…ノーラお姉ちゃん」

「きゃ〜!」


 逃げてっちゃったよ


 漏れる前にトイレ行っとくか






 さて

 MPを使いきっては寝る、を繰り返すのも疲れた

 寝過ぎてつらいなんて、贅沢な問題だ

 でも、さすがに飽きた!


 …ドーピング、してもいいよね?

 

 というわけで、まずはMPを使い切る!

 そして、昨日買ったMPポーションを腰に手を当てて一気に呷る!


「ぶえぇっ!」


 不味い

 もうやだぁ…


「と、とりあえず使い道か」


 まずは観察…

 1立方メートルくらい?

 水なら1トンか

 まさにチートじゃん

 旅の道具ももしかしたら、全部放り込めるんじゃ?


 そしてこれって、バレずに血塗れの服をずっと保管しておける…

 いやいやいや、これはまるで犯罪者の思考だ!

 もっと平和的に!建設的に!

 そうだ、投石しよう






 というわけで、お庭にやってきました

 投擲みたいなスキルが身に付く事を期待して


 まず、異空間を開きます


 移動します


 異空間の入り口は…動かない


 どころか、1メートルくらい離れたら入り口が消えちゃった


「これはまあ、仕方ないか」


 石を拾います

 放り込みます


 石を拾います

 放り込みます


 石を拾います

 放り込みます


 石を拾います

 放り込みます


 石を拾います

 放り込みます


 石を拾います

 放り込みます


 石を拾います

 放り込…


「…気のせいか?」


 石を拾います

 放り込みます


 石を拾います

 放り込みます


 石を拾います

 放り込みます


「気のせいじゃないな…」


 体が重い

 重量がかかってる?


 使い勝手が微妙だぞ、これ

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