第22話 コスパ渋い

「こっちだ!」


 石を投げて体力を削る!

 人間の知恵を舐めるな!


「こっちだって!」


 ぴょいん!


 まずい、コロちゃんに張り付いてる!


「ほら、お前の仲間だぞ!」


 さっきの死体を近くに投げつける

 なんかこれ悪役になった気分だな


「そうだこっちだ!」


 よしヘイトがこっちに向いた!


「ふんがっ!」


 体捌きをしながら、逆手に持ったナイフで上から叩き落とす!

 おー、これがクリティカルヒットってヤツか?


「今楽にしてやるからな」


 ザックザックザックザック


 いやはや、猟奇的な絵面だな

 でもこれも魔物退治

 積極的に人を襲ってくるし、退治しなきゃ…

 って肉!


「肉として出せないじゃんこれ!」


 ぷるぷる


「え、コロちゃん食べたいの?」


 ぷるぷる


 頑張ってくれたし、二匹とも肉として出せないし、まあいいか


「魔力結晶は食べないでね」


 おー

 見る見る内に消化されてくな


 剥ぎ取り中の危険がどうこうって話があるみたいだけど

 コロちゃんと二人だったら関係なさそうだ


「コロちゃん、美味しい?ほんと体積はどこに行ってるんだろ」


 ぷるぷる

 ぺっ!


 おー魔力結晶の汚れも完全に落ちてつやっつやだー

 ん?


「…そうか!これで100Gが150Gになったんだ!」


 でもなー

 幾らか日が傾いてきたもんなー

 なんだよこれ、数をこなせないじゃん!

 こんなんでこの先やっていけるのかなー


 ともかくステータスを見ると…

 俺のSTR、VIT、AGIがそれぞれ1増えて【体当たり】のスキルを覚えた

 コロちゃんはExpが240増えて1,165になっていた

 …意外と伸びる?


 これはもうやらなきゃって事で、その後も頑張って、あと4匹倒した

 これで900Gだ!

 ステータスはどうかなー


===

 ハジメ 人 18 リスガー

 パーティ:コロ

 状態:女神の加護(保護)

 Lv 0 Exp 0

 HP 198/194 → 198

 MP 103/165

 SP 190/178 → 181 (5%↑ 体術Lv1)

 ATK 189 → 193 (5%↑ 体術Lv1)

 DEF 181 → 184

 MATK 143

 MDEF 138

 SPD 187 → 192 (5%↑ 体術Lv1)

 STR 102 → 105

 VIT 104 → 108

 MGC 100 → 100

 AGI 103 → 108

 スキル:体術Lv1、簒奪者Lv1、収納魔法Lv1、女神の加護Lv1、最適化、存在強化、ステータス改、基礎魔法、パーティLv1、魔力操作、魔力感知Lv1、体当たりLv1↑


 コロ スライム 2 -

 パーティ:ヤマト

 状態:正常

 Lv 9 → 10 Exp 925 → 1,645

 HP 67/64 → 67

 MP 17/15 → 17

 SP 50/54 → 56

 ATK 65 → 68

 DEF 55 → 57

 MATK 10 → 11

 MDEF 9 → 9

 SPD 75 → 78

 STR 74 → 77

 VIT 70 → 73

 MGC 24 → 26

 AGI 86 → 89

 スキル:捕食Lv1、真似っ子Lv2

===


 …これあれだな

 相手が見つかりにくいから、伸びにくいだけだな!

 もっと大量に狩れれば、一気に伸びるんじゃね?

 敵の強さ自体は、雑魚だったんじゃね?

 いっちゃう?

 いっとく?

 いっとこうよ!


 はいでも残念ー

 きょうはもう暗くなってきましたー

 日は落ちきってないけど完全に夕方ですー


「コロちゃん、今日はもう帰るよ〜」


 いっぱい食べたね〜

 どんだけ食べられるのかちょ〜っと気になるかな〜


「コロちゃん、まだお腹空いてる?」


 ぷるぷる


 大丈夫みたいだ


「満腹感ってあるの?」


 ぷるぷる


 ないのか


「じゃあ空腹感は?」


 ぷるぷる


 これもないのか


「食べたらどこに入っ…消えてるの?」


 ぷるぷる、ぷるぷる、ぷるぷる、ぷるぷる


 読み取れない…


「今日は頑張ったね〜Lvも上がって嬉しいね〜」


 ぷるぷる


 喜んでる

 よかった、読み取れた


「また明日も頑張ろうね〜」


 ぷるぷる


 他に判った事は、自然回復があるという事

 ステータスが伸びる前よりHPとSPの現在値が増えてる

 MPは据え置きだけどな!

 まあそのうち回復力も上がるだろう

 上がるかなー

 上がるといいなー

 あがってくれ、たのむ


 それにしても随分と追いかけてきたな

 帰り道こっちで合ってるよな?


 ぷるぷる


 ん?どったのコロちゃん?


 ぷるぷる


 って食べないで!髪の毛食べないで!

 カリアゲになっちゃうから!


 ぷるぷる


「もーダメだよ!帰ったら晩ごはんあるから!」


 ひっぺがしてつんつんしてると、コロちゃんが指差す

 真似っ子さんだねーもっとスキルLv上げ…

 コロちゃんの指差す先には


 まもののむれが あらわれた!


===

- ゴブリン 0 -

 状態:正常

 Lv 6 Exp 200

 HP 93/93

 MP 14/14

 SP 77/77

 ATK 100

 DEF 80

 MATK 9

 MDEF 8

 SPD 60

 STR 114

 VIT 103

 MGC 22

 AGI 71

 スキル:剣術Lv1、棍術Lv1、弓術Lv1

===

ーーー

剣術

  剣を扱う技術

 - Lv1

  剣によるダメージに補正

   増加率(スキルLv×5)%


棍術

  棍を扱う技術

 - Lv1

  棍によるダメージに補正

   増加率(スキルLv×5)%


弓術

  弓矢を扱う技術

 - Lv1

  弓によるダメージと命中率に補正

   増加率(スキルLv×5)%

ーーー


 俺、口笛吹いてたー!

 魔力感知があるからって油断してた

 範囲外じゃそりゃ意味ないよ


 ざっと見た所8匹か

 ゴブリンのステータスを見るのは初めてだな

 スキルは個体差で、なし、剣術Lv1、棍術Lv1、弓術Lv1があるな

 持ってる武器とスキルの組合せが合ってない事もあるのがご愛嬌か

 ゴブリンは弓を使う可能性もあるみたいだが、今この場に居ないのはラッキーだ


 そしてステータスの上では勝ってるみたいだけど

 いくら雑魚でもこれだけの数に囲まれたとしたらヤバイ

 前に囲まれた時も…あれ?囲まれた?

 まあいい、ここはひとつ、駆けっこと洒落こもうじゃないか!


「コロちゃん捕まって!走るよ!」


 まずは距離をとる!

 すると相手の足の速さでバラつきが…


 揃って走ってくる!

 むしろバラバラだったのがまとまってる!

 ええいステータスのなせる技か!


 まあこんな広い所じゃあんまり意味がない戦法なんだけど

 というわけで木立に逃げ込む!


「鬼さんこちら、手の鳴る方へ!」


 木を避けながら走っているうちに、相手もだんだんバラけてきた!

 SPの差も地味に効いてる効いてる

 だがここまで走っても見逃してくれるつもりはないようだな


 ここじゃやりにくい、もう少しだ


 木立を抜けた!

  

 そんじゃま、いっちょやってやりますか


「死にたい奴からかかって来い!」

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