第21話 初仕事

「さてどうするか」


 クエストボードの前で吟味する

 護衛、討伐、買取、雑用、色々あるな


「俺はランク1しか受けられないんだよな」


 俺のすべき事は?

 生きるために…いや、死なないために魔物を狩る事だな

 でもこれはある意味、いつでもできる


 俺の目標は?

 女神様に会うことだ

 どこで?どうやって?

 情報集めも並行して…


 教会に戻って、ノーラに話を聞くか?

 でもこの時間だと、礼拝者とかの対応もあるだろうから夜じゃないと邪魔か


 そもそも登録したら稼いでくるって言ったのは俺だな

 

 なら今できる事は…


「ど・れ・に・し・よ・う・か・な♪」


**********

【常設】[買取]暴れ兎

・一匹につき100G

・血抜きしてあれば最大150G

・魔力結晶と肉に解体済みで最大200G

**********


 なんか難しそうだけど…あの受付のお兄さんに訊いてみるか


「すいません、この依頼について聞きたいんですが」

「はい、なんでしょう?」

「依頼を受けるの初めてなんですが、これってどれくらい強いんですか?」

「新人さんですか。魔物と戦った事はありますか?」

「グラスウルフとかゴブリンは倒した事あるんですけど」

「ああ、鍛えてから登録したんですね。それなら大丈夫です。すばしっこいですが、体当たりくらいで大したことないんで。ただ、噛みつきには注意ですね。こんな感じです」


 おお、絵まで用意してあるのか

 至れり尽くせりじゃないか!


「なるほど。これってただ持ち込めばいいんですか?」

「はい。うちで魔力結晶と肉に切り分けて、手間賃を引いて、それで合計で最大150Gです。魔力結晶単体でも150Gで買い取ってますよ」

「あとは…袋ってないですかね」

「うーん、捨てるやつならありますけど。汚れて肉として買い取れない場合は一匹100Gになりますよ」

「それでいいんで、お願いします」

「では、これは買取の常設依頼で受注受付はないので、終わったらカードを添えて提出してください」


 丁寧な人で助かった

 初めての仕事に討伐依頼じゃなくて常設の買取を選んだのは良かったって

 討伐に失敗してもバレないからだとか

 まあ偶然なんだけど…

 そんなこんなで暴れ兎の居場所も教わったし、感謝しつつ初仕事にGo!


 …と、その前に


 「コロちゃん、ステータス見てもいい?あとパーティ組めるかな?」


  ぷるぷる


===

 ハジメ 人 18 リスガー

 パーティ:コロ

 状態:女神の加護(保護)

 Lv 0 Exp 0

 HP 194/194

 MP 103/165

 SP 186/178 (5%↑ 体術Lv1)

 ATK 189 (5%↑ 体術Lv1)

 DEF 181

 MATK 143

 MDEF 138

 SPD 187 (5%↑ 体術Lv1)

 STR 102

 VIT 104

 MGC 100

 AGI 103

 スキル:体術Lv1、簒奪者Lv1、収納魔法Lv1、女神の加護Lv1、最適化、存在強化、ステータス改、基礎魔法、パーティLv1、魔力操作↑、魔力感知Lv1↑

===

ーーー

魔力操作

  魔力を操作する

 - Lv1(MAX)

  魔力を操作する感覚を掴むための練習方法


魔力感知

  周囲の魔力を感知する

 - Lv1

  半径10mの範囲で魔力を感知する

ーーー


 よし、パーティ組めた!…テオさん、コロちゃんと組んでたんだよな


 まあいい

 外から見えるステータスは、リリアナお姉さんに言われた通り…だよな?

 MPが減ってるのは…収納の維持で50、パーティの勧誘と維持でそれぞれ1減ったのか

 あと10は…魔法ギルドだな

 深夜に収納を使ってる分が減ってないって事は寝たら回復するのかな?


===

 コロ スライム 2 -

 パーティ:ヤマト

 状態:正常

 Lv 9 Exp 925

 HP 64/64

 MP 15/15

 SP 54/54

 ATK 65

 DEF 55

 MATK 10

 MDEF 9

 SPD 75

 STR 74

 VIT 70

 MGC 24

 AGI 86

 スキル:捕食Lv1、真似っ子Lv2

===


 …コロちゃん!

 スキルに真似っ子って!真似っ子って!


ーーー

捕食

  大抵何でも食べられる

 - Lv1

  食べるとHPを回復する


真似っ子

  スライムのスキル

 - Lv1

  見て覚えた行動を真似する

 - Lv2

  捕食した相手に擬態する

  ステータスは自分のまま

ーーー


 しかもLv2だこれ

 知らない間にたくさん真似っ子してたんだな…見逃してた!

 くそぅ…


 この悲しみ、暴れ兎にぶつけてやる


 他はなにも見てない

 コロちゃんはコロちゃんだから別にいいんだ

 …捕食怖え


「それじゃコロちゃん、初仕事に行こっか!」


 ぷるぷる






 そして、探しに来たらさっそくご対面〜

 貰って良かった魔力感知!

 更にパッシブだから!収納魔法と違ってパッシブだから!

 常時展開しても魔力消費0のスグレモノ!

 まあ、どんな反応がどんな生き物なのかをまだ理解してないんだけど


 で、見つけたはいいけど、この暴れ兎

 大きさは膝まであって恐いんだろうな普通は

 ゴブリンとかの魔物で慣れたけど

 そして草が邪魔してよく見えない

 ゲームみたいに角が生えてないのが救いだけど…あの歯は痛そうだな


===

- 暴れ兎 0 -

 状態:正常

 Lv 6 Exp 120

 HP 64/64

 MP 8/8

 SP 53/53

 ATK 58

 DEF 55

 MATK 5

 MDEF 4

 SPD 82

 STR 66

 VIT 71

 MGC 13

 AGI 97

 スキル:体当たりLv1

===

ーーー

体当たり

  体重を乗せて相手にぶつかる

 - Lv1

  重心で与えるダメージに補正

   増加率10%

ーーー


 さすがにLvが上がっていても、コロちゃんに余裕はないか


「コロちゃん、とりあえずしっかり捕まっててね」


 ぷるぷる


 まずは戦いやすい場所に誘導しなきゃな

 そーっと近づいて…


 パキッ


 はいお約束、枝を踏んで音が出ました〜

 これで逃げられ…襲ってきたー!

 暴れ兎の名は伊達じゃないってことかー

 って速いよ!危ない!


「うわっ!」


 なんとか回避!


「もういっちょ!」


 これが受付さんが言ってた体当たりか!

 むしろ頭突きじゃないか!


「あらよっと!」


 気分は闘牛士!


「うらぁっ!」


 その結末は…


「回避のできない空中に飛び出したのが貴様の敗因よ…ぐふっ!」


 ですよねー

 さすがに刃物でもまともに入らなきゃ倒せないですよねー


「甘い!」


 それなら倒せるまで意識して繰り返すだけだ!


「100Gゲットだぜ!」


 ステータスで自分の強さを確認しても変化ないな

 さすがにこれだけじゃ簒奪者の効果もないのか

 とりあえず次を探そう


「見つかれば襲ってくるんだな」


 普通の動物なら逃げるんだろうけど

 さすが魔物ってとこか






「お、次を発見!」


 フンッ!フンッ!


 ありゃ、なんだかお怒りのご様子


 これ?

 ごめんね、君の同族だよ


 血の匂いで気付かれたかな?

 まあ同じ戦い方でなんとかなるだろう


 ぷるぷる


「コロちゃん、参戦してみたいの?」


 ぷるぷる


「よし、撹乱して体力を奪おう」


 ぴょいん!


 おお、コロちゃん避けるの上手いな!

 というか的が低いから体当たりしづらいのか

 って見てる場合じゃない!

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