第3話 まずやることは

「スタータス!」「ステータスオープン!」「メニュー!」「オープン!」「一覧!」「開け!」「鑑定!」「アナライズ!」「分析!」「えーっとあとは…何だ、何がある!なんか詠唱か!?」


 異世界と来たらチートだろう!まずはどんな力があるのか把握しなくては!でも自分のステータスはどうやって見ればいいんだ?あれか、いわゆるステータスってのが無いタイプなのか?いやでももしかしたら、ギルドとか神殿とかそんなので見てもらう感じかもしれない!とりあえず今できる事は…


 ジャンプ!ジャンプ!ジャーンップ!


 あれ…

 特に筋力が強くなってる感じもしないし

 若干、息も切れてる気がする

 これはあれだ、自分本来のスペックだ多分

 この世界の基準ではこれでも強いとか…?

 もしくは魔力的なチートか?


「ファイアー!フレイム!炎よ!時よ止まれ!…そなたは美しい!」


 だめだ、それっぽいの叫んでも念じても何も出ないし、成功しない気もしてきた

 じゃあ体内エネルギー的な感覚を…

 とりあえず座禅を組んで…


 むむむ…


 むむむむむ…


 すー…すー…すー…


「ハッ!?」


 しまった、寝てたのか


 あれだな

 冷静に考えてみると俺、ただの危ない人だったかも知れん

 独りでわけの分からない事を叫んだり呟いたり、瞑想を始めたと思ったら寝てたり


 そしてコイツも問題だ

 問題…だよな?

 なんか膝の上に、やわっこいのが乗っかってぷるぷるしてるんだが


 つんつん

 ぷるぷる


 ふにふに

 ぷにぷに


 癒やされるわー


 なでなで


「ねえ、君はスライムなのかな?」


 ぷるぷる


 縦に…頷いてる?


「俺、一人ぼっちみたいなんだ。友達になってくれる?」


 ぷるぷる、ぴょいん!


「ああ、待ってよ!置いてかないで!」


 フラレちゃったかー

 とりあえずついてってみよう


 ぴょいん、ぴょいん、ぴょいん


 こっちは、丘のもと居た方だな


 ぴょいん、ぴょいん、…ぷるぷる


 お、振り返ってこっち見てる?のか?

 ついて来いってことかな?


 ぴょいん、ぴょいん、びたーん!ころころころ…


 あああ転がってく!

 なかなか速いぞ、跳び跳ねるよりずっとはやーい!

 いやこれはダメなやつだった、トラウマものだ

 走って追いかけると、丘の麓でぷるぷるしてた


「坂を移動するのは苦手なの?」


 抱き上げると、腕の中で小さくぷるぷる

 ははは、愛いやつ愛いやつ


 これはアレか、テイマー的な才能が備わったのかも知れないな

 魔物使い、ここに俺のすごい才能があるのかも!

 スライムはいいぞ、愛でてよし、育ててよしだ

 某有名RPGでは、限界まで育てると炎を吐いたりするからな!


 そんな事を考えながら森に沿って歩いていると…

 柵だ!畑だ!人工物だ!

 人が居る!人が居るぞ!

 ひゃっほーい!

 人として最低限度の文化的な生活ってヤツが送れるぅー!


 いくぞコロちゃん!

 美味しいものが手に入ったら山分けだからな!

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