第11話デート

デート当日

ぼくは 彼女より

先に待ち合わせ場所の駅についたため

イヤホンをして音楽を聴いていた。

すると 多田さんが急に後ろから

声をかけてきた。

多田さんは無邪気な笑顔をしていた。

イチゴのショートケーキのような

可愛さがあった。

一瞬

彼女の髪から 

イチゴの匂いがしたような気がした。

ちなみに 

ぼくは イチゴの匂いにたいして

腐卵臭を漂わせていた。

イチゴの良い匂いが 

腐卵臭を中和してくれているような

気がした。

ぼくと 多田さんは電車に乗り

博物館まで向かった。

ぼくは 帰りに聞けば良いようなことを

行きの電車一本目で聞いてしまった。


(卑田)「どうして 博物館が良いの?」

(多田)「卑っくんが博物館 

    好きそうだからかな…」

(卑田)「博物館好きなんて

    言ったことないよ」

(多田)「まぁ 卑っくんの事を思って

    博物館にしたの…」

(卑田)「ぼく 以前に 

    ある女の子と

    博物館に行って

    そのあと 告白して

    フラれたことがあるんだ。

    それを知っていて

    わざとやったとか?」

(多田)「まぁ 

    その事は噂で聞いたよ。

    あのね 卑っくん 

    まぁ 

    私ね 卑っくんの事を思って

    デートの場所を

    博物館にしたの。」

(卑田)「どういうこと?」

(多田)「あのね 

    卑っくんって

    何か困ったことがあると

   卑屈になるでしょ?

   別にそれが悪いと言いたい訳

   じゃないんだけどね。

   そればっかりだと 

   これから 

  色々困ることもあると思ってね。

  問題に向き合う事も 

大事なんじゃないかな~って思って…」

(卑田)「別に わざわざ

    そんなことしなくても 

    大丈夫だよ」

頭のなかで 余計なお世話だと叫んだ。

(多田)「卑っくん

    私ね 実はね…」

ぼくは ドキりとした。

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