外伝第21話 街の噂
最近流れる街の噂。
来たるべき日に、来たるべき時間に、空に向かって祈りを捧げれば、願いを叶える神さまが来る。
おててを合わせて目を閉じて、
捧げるのは祈りだけでいい。
お金も、食べ物も、命も、何も捧げる必要はない。
ただ、空に向かって祈るだけ。
時間を掛ける必要もない。
その時が来たら、ほんの数秒祈るだけ。
本当に願いが叶うと思う?
でも、別に減るものでもないし、祈ってみるのも悪くないかも?
大して時間も手間も掛からないし。
そんな噂を何処で聞いたの?
そんな噂が何処から流れたの?
そんな噂が何時からあるの?
誰に聞いても分からない。でも、道行く誰もが話している。
誰もが知っているのに、誰もどこからきたのか知らない不思議な噂。
けれど、誰も気にしない。自然と噂を受け入れている。
心なしか道行く人々は楽しげに笑っている。
ただの噂、信じるのも馬鹿馬鹿しい非現実的な夢物語。
なのに、心のどこかで期待している。
来たるべき時はもうすぐそこに。
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