思い出との再会
自分にとっての日常とも呼べる場所に、異なるメンバーと、普段とは違うシチュエーションで訪れるとき、なんだかくすぐったい気持ちになる現象を味わったことはないだろうか。
自分の生活圏に、たまたま仕事の営業で訪れる時
テレビ番組で、芸能人が母校の通学路を歩いているのを観た時。
自分の私的な思い出の中に、他者が介入してきた感覚となり、その介入によって生じた波によって、当時の思い出が揺れて、表に出る。
少し詩的な表現になってしまった。この感覚が、くすぐったい。心がふわっと浮き上がる。
友人たちと車で大きな公園に遊びに行った時のことだ。
見覚えがある道だな、と思った時にはもう、祖父母の家への道筋が見えていた。
国道を走り、大きなレストランの看板を目印に細い道へと入っていく。
京阪電車が走る線路を横目に見ながら道なりに進み、小さなスーパーがある通りにハンドルを切る。
偶然ではあるが、祖父母の家へ向かう道をほとんどトレースして車は進んだ。
ここを曲がれば、あの家がある。
主を失ったその家には、すでに別の住民が住んでいると聞く。
お墓も別のところにあるため、想い出に耽る目的以外では、来ることがないと思っていた。
誰もいないと思っていたところに、実は隠れていたのだ。
「遊びに来たよ。」
多くの思い出が、顔を出した。
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